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R18 らぶえっち小説Blog
えっちな表現が盛りだくさんにつき、18歳未満&清純派さん回れ右!
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花を召しませ-3
2006年08月01日 (火)
「教えてあげる。答えは十二日前。ニ週間近くも俺がどんな気持ちだったのか、それも今から教えてあげる」
 言いながら彼はわたしの胸をさわった。全体をぎゅっとつかんで、そしてやわらかく揉んでくる。ブラの上からの手の動きにそれほどの刺激は感じないけれど、それでもさわられているという事実に頬に血が上ってくる。
「んーと、この辺、かな」
「や、やだ。ちょっと!」
 爪先で胸の先端をカリカリと引っかかれて、自分が反応していくのがわかる。ブラカップとこすれる、もどかしい感じがなんだか逆に……。
「ね。直接さわってもいい?」
「ダメに決まってるでしょ! お願いだから放して。こんなことやめて」
「ここで放せるくらいなら、最初からこんなことしてないと思わない?」
「そんなの知らないわよっ」
 それでもどんなに暴れても、優しく強く抱き寄せる腕の中から逃れられない。彼の指先がブラウスのボタンをつまんで、そして器用に外して行く。あいだから見える自分の肌に思わず顔をそむけた。
「美雪さん、顔赤いよ。恥ずかしい?」
「そんなの……」
 決まってるじゃない。
 その言葉を飲み込んだのは、違う声が出そうになったから。彼は背中を丸めるように身を屈めると、ブラと肌のギリギリの境に唇を押し当てて、そして強く吸い上げた。
「……あっ、くんっ」
 身体を走った鋭い痛みの直後、優しく舐められて、さっきと違う意味で身体が固まる。背に回った手が器用にブラウスをたくし上げて、そしてぱちりと金具を弾いた。緩んだ胸元にそのままするりと潜り込んで、そしてやわらかく肌にふれた。力の入れ加減を微妙に変えながら胸を揉まれると、自分が昂ぶってくるのがわかる。先端をきゅっとつままれて身体が震えた。

  -つづく-
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新連載始まりましたのー☆
2006年08月01日 (火)
 おはようございます、にゃおです☆
 ということで新連載「花を召しませ」始まりましたー。

 今までとちょっと違う、年下敬語男性がお相手なのですけど、これからどうなって行くのかなーってのはにゃお自身も結構楽しみですv でも多分、にゃおの大好きなぷちえすえむ系☆になるだろうなーって思うのです♪
 あと、今回は「らぶえっち」を意識して書いてみようかな、みたいな。ちょっと乙女ちっくというか、そういうカンジで。なのでオトコの人の読者さまにはあんまり喜んでいただけないかも……なんて、今からちょっと不安なのですが(^-^;)というか、ちゃんと続きが書けるのかしらってところも不安なのですが(^∇^;;)
 とりあえず『ラブ主体ストーリィでえっちもしっかり!』を心がけてエッチ描写は濃厚に頑張って書きたいと思いますので、みなさんもまたよかったら読んでやってくださいな☆

 もちろん「あたしの彼は」も忘れてないので、ご安心くださいませv
 でもこっちはちょっと季節的にずれる上に、またもやストーリィ重視のシリアスものになりそうなので、ちょっと手がかかりそうなのですよ。なので、もうちょっと待ってくださいな。

 いつも「よかったよ♪」やブログランキングへのぽちりありがとうございますv はい、にゃおも頑張ります☆どうぞ応援してやってくださいな☆
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花を召しませ-4
2006年08月02日 (水)
「乳首も勃ってきてるね。気持ちいい?」
「やだっ」
 身体とはうらはらに、否定の言葉を吐きながら首を横に振ると、彼は低く笑った。
「ね、声、出して。あんまり大声も困るけど、これじゃつまんないよ」
 そんなことを言いながら、彼は何度もキスを繰り返した。固く尖った乳首を軽くつまみながら手のひら全体で擦るように揉む。少しざらざらした親指の先が乳首にこすりつけられるたびに、身体がビクビクと震えてしまう。
「やっ! あ、んんっ……」
 弄ぶような指先と首へと吸い付いた彼のキスに、耐え切れない声が洩れた。
「そうそう、いい声。もっと聞かせて」
 くすくす笑いながら彼は再び顔を伏せた。ずれたプラの隙間から覗く、赤く自己主張した突起を口に含んで、舌でざらりと舐め上げる。
「やだ……ん、ん……んんっ……あ、んっ」
 背中を這う指の動きと軽く吸い上げる舌に、理性を全てを絡め取られそうになる。ううん、盗られそうに……なる。
「あ、やっ! ダメ、いやっ」
 それでも身をよじるよりも先に、悪戯な手はスカートの中に潜り込んだ。
「やっぱり、ナマ脚だった。すべすべだね」
「や、やめっ」
 少しひんやりとした手のひらが、触れるか触れないかのギリギリラインを保ったまま、ふとももの内側へと巧みに滑って行く。それだけでうなじの産毛がちりちりと立ち上がるのがわかる。それは不快では決してないけれど。
「さあてと。そろそろ……」
 さわさわと太ももを撫で回していた手が、ふいにショーツに当たった。いくら何でも、軽くこすりつけられるその部分がどこなのか、彼がどこに触れようとしているのかくらいはわかる。
「やだ、やめて」
 恥ずかしさに腰を引こうとしたけれど、彼がそれを許してくれるわけはなかった。

  -つづく-
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お言葉いただきました♪
2006年08月02日 (水)
 おはようございます、にゃおです☆
 昨日はサラダうどんを食べました。どんな野菜も一年中食べられますけど、やっぱり旬のトマトは美味しいなっ。にゃおはトマトも茄子も胡瓜も、夏野菜大好きですっ☆

 お言葉頂きましたー☆ありがとうございますv
『さて、三人称浴衣えっち読みました。なんだか慣れませんねーでも、これはこれで良いと思いますけど。』
 うさぎさん、いつもありがとうございますっ。勿論覚えてますよー!だって、かなり印象的な文章でしたし☆

 うーん、三人称、やっぱりちょっと違和感でしたか。
 にゃおも書きながら「うわ、固いなー」って思ってました。にゃおの腕がつたないからだと思うんですけど、ちょっとねーって。視覚面を考えるのはとっても楽しかったんですけどねv書きながらドキドキしちゃって、一人で…とかありましたけどね!ってきゃーっ☆なにを言ってるのーーっ!

 でも、駅のホームでキスなんて…ううう、羨ましいですーっ! そこでしちゃったらさすがにまずいですけど(捕まっちゃうよねっ)、キスならオッケーですよねv
 やっぱりラブラブなんですねー、いいなあっ。にゃおもそんなドキドキな時間を過ごしたいです! 最近ちょっとマンネリ気味で…(><。)にゃおも浴衣でえっちv誘ってみようかなーっ☆
 うさぎさんも夏ばてに気をつけて、ダーリンさんといっぱい仲良くvしてくださいねv


 いつも「よかったよ♪」とブログランキングへのぽちりとありがとうございますv にゃおも暑さに負けず元気にがんばりますので、またよかったら応援してやってくださいなv
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花を召しませ-5
2006年08月04日 (金)
 布越しの指がピンポイントでそこを攻める。そうされれば自分がどうなって行くのかもわかる。身体の奥でじわりと発生した熱が形を成して行くのもわかる。
 こんなところでこんなことされてるのに、襲われてるのに、どうして? やっぱり、相手が彼だから……?
「やっ。だめ、やめ……っ」
 慌ててショーツの上を這い回っている彼の手を抑えた。引き剥がそうとしてもできないとは思うけれど、それでも彼の好きにさせるわけにはいかない。このままだと本当に……わたし自身が、停まれなく……なる……。
「あっ。あ……あっ」
 彼の指先がこりっと当たった感触に身体が震えた。一瞬の強い快感に耐え切れず、のどをそらすように喘いでしまう。とろりと出てくるのが自分でもわかる。
 どうしよう、気持ちいい。
「うわ、やば。すげー興奮する……」
 うめくようにそう呟くと、彼はその手で逆にわたしの手をつかみ返した。洗面台に押し付けるように体重を掛けるように圧し掛かられて、男性にしては細めの指が素早くあごにかかった。覆い被さるようにキスをされる。呼吸を制限されたまま指先に攻められて、息が苦しい。
「ん、んんんんっ!」
 ひざがガクガクと揺れるのがわかる。自力で立っていられなくて、さっきまで拒絶していた筈の手で彼の服をつかんだ。握りしめた布地の奥にかすかな体温を感じながら、すがりつくように身体をすり寄せる。唇の隙間からぬるぬると入り込んできた舌も受け入れてしまう。。
「美雪さん……。直接、さわるよ」
 離れた唇がすぐ目の前でかすかに動いて、その声が聞こえた。答える暇もなくショーツの中に手が入って、そして。
「あっ……、ああっ!」
 いやらしい水音と一緒に彼の指が蠢いた。
「やっ! ひ、いっ、あああっ! や。やめっ……!!」
 痛みにも似た鋭い快感は感電したのだと思った。今まで感じたこともない感覚に身体が跳ねる。声にさえならない。視界がぐにゃりと歪んで、そして白く弾けた。

  -つづく-
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花を召しませ-6
2006年08月05日 (土)
「あれ? もうイっちゃった?」
 低い囁き声が耳にかかる。息を荒げたまま答える余裕もないわたしに、彼は楽しそうに笑った。ガクガクする身体を支えようと彼のシャツを握りしめてしまい、自然と彼の胸に顔を埋めるような体勢になる。思っていたよりずっと強い力で抱きとめてられて、なぜか心が熱くなる。
 わたしって、変。こんなことされて、襲われて……。それでも、抱きしめられて嬉しいの? わたし、そんなにこの人のこと……?
「美雪さん……」
 あごに指がかかって仰向かされる。細まったまなざしがわたしを見る。それは今まで全然気付かなかった、『おとこの人』の顔だった。
 熱を持ったその表情が徐々に近づいてきて、そして彼もわたしも眼を閉じた。唇にやわらかく触れる感触に息が詰まる。合わせた隙間からぬるりと入り込んでくる舌を受け入れると、身体に軽い痺れが走った。唾液が絡まる音がちゅぷっと頭の中で響いて、それがとてもいやらしく感じる。
「ん……」
 合わせた唇のあいだからうめくと、抱きしめる腕の力が強まった。キスを続けたままの彼の手がわたしの身体の上を動く。わき腹から背中へ、なぶるように撫ぜるように指先が辿った。普段はこそばゆいだけの箇所が彼の手に触れられると、なぜか違う感覚が湧き上がってくる。
「あ、んっ」
 唇が離れた瞬間にスカートからブラウスが引き抜かれた。一瞬だけ持ち上げられたベルトの金具がちゃりんと鳴る。隙間に入り込んだ指先が直接わたしの肌に触れた。その感触にぞくりと背が震える。
「美雪さんって結構敏感だね」
 その言葉の意味がわからなくて、問い掛けるように顔を上げると、彼はにっこりと笑った。
「よいしょっと」
 その掛け声と一緒に、身体をつかまれて抱き上げられる。もたれかかっていた洗面台に深く腰を降ろされた。
「さてと。じゃあ、美雪さんを見せてもらおうかな」


  -つづく-
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花を召しませ-7
2006年08月07日 (月)
 わたしを見下ろす笑顔がその言葉が、何を意味する気なのかを理解するよりも先に、脚を大きく開かされた。抵抗する暇もなくふとももを押し上げるように後ろに倒されて腰が浮いた。そのまま、一瞬でショーツを抜き取られる。
「え、あ、いやぁっ!」
 スカートの中を覗き込むようにしゃがんだ彼の頭を押して、視線を避けさせようとした。けれども両手はあっというまに絡め取られて、彼の左手に鷲づかみにされた。閉じようとした脚は彼の右手と拘束されたわたし自身の両手で支えられて、その部分を大きく晒してしまう。
「や、やだ。おねがい、シズくん……」
 けれど彼は肩を入れるようにして顔を近づけてくる。ふとももとその付け根を彼の吐息がくすぐる。そのことが現す事実に身悶えしそうになった。
「すごく綺麗だよ。綺麗なピンクで、濡れて光ってる」
 彼が何を差してそう言っているのか、考えるだけで羞恥で震えた。
「やだ……。見ないで、おねがい」
 どんな懇願も彼には届かない。それは薄々感じてはいたけれど。
「美雪さんのここを見たの、俺で何人目? あんまり多くないよね。そういう感じ」
 ふっと吹きかけられた息は、濡れた部分に少し冷たく感じる。その刺激に自分が反応するのはわかった。
「やだ。放し……ん、あっ」
「ね。何人目?」
 言いながら彼はわたしのそこに触れた。手ではなく、唇で。
「きゃあっ! だめ、そこ、汚い……あ、あっ」
 じゅっと音を立てて吸い上げられる感覚に腰が浮いた。
 たった今、排泄を済ませたばかりの場所なのに、それが目的でトイレに入ったのに。なのに、その部分に口をつけるなんて。
「汚くなんかないよ。すごく……美味しい」
「あ、だ、め……んくぅっ」
 そしてそれが、こんなに……気持ちいいなんて。

  -つづく-
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花を召しませ-8
2006年08月08日 (火)
 生温かいぬるぬるした感触が、ちゅぷちゅぷと卑猥な水音を立てながら這い回る。恥ずかしい汚い部分を舐められているという意識と、今まで感じたことのない快感に、身体が腰が、ガクガクと震える。どんなに耐えようとしても耐え切れない声が出てしまう。
「あ、やっ! い、ああんっ。く、う……くうっ!」
 さっきまでの、痛みを伴った痺れるような快感とは別の種類の、全身が蕩けてしまいそうな優しい感覚。耳に入ってくる卑猥な水音と時折吹きかけられる彼の吐息に、理性が融けてしまいそうで自分が自分でなくなってしまいそうで、怖い。
「ね、教えて。俺って何人目?」
「何人目って、っ……ふ、ふたり……あ、く、うっ」
 高校生の頃、付き合っていた彼の家に遊びに行ったとき、脱がされてしまった。そのときは恥ずかしさと驚きと、彼がわたしのことが嫌いになってしまうのじゃないかという心配で、拒絶できなかった。男性の無骨な指にさわられるのは、気持ちいいというよりも怖かった。
 その後、抵抗しないわたしに勘違いした彼が鼻息も荒く覆い被さってきて、そのあまりの恐怖に泣き出してしまった。行為は中断されたものの、その時の記憶がどこかで引っかかっているのか男性に対して積極的になることができなくて、だから二十歳を過ぎてもそれ以上を経験することはなくて、でもそれをいうのは恥ずかしくて。だから。
「俺で二人? 今までたった一人?」
「そう……あ、やっ……。ひ、ああっ……あああ……っ!」
 ぺっとりと舐め上げられると、その部分がびくびくと震えた。両手を戒められ脚を広げさせられ、身動きもままならない状態でガクガクと腰を揺らしてしまう。それは逃げようとしているのか、それとも彼の口に擦り付けているのか……。
「そっか。二人なんだ」
「あ、くうっ! あ、はぁっ……あっ……あぁ、ひっ!」
 舌先が入り込んだ途端、それがじゅぷっと音を立てて流れ出るのがわかった。

  -つづく-
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花を召しませ-9
2006年08月09日 (水)
 身体の内側を舐められているという未知の感覚に、思考が反転するような衝撃が走る。彼の唾液とわたしの恥ずかしいものが混じった液体が、肌を辿ってトロトロと流れて行く。それを彼の唇がじゅっと音を立てて吸う。そのまま舌がてろりと舐め上げて、そして。
「ひあっ! あ、ああっ、あ、はぁっ、く、うううっ」
 思わず大声を上げてしまう。軽く舌先で叩かれる感覚に全身が痙攣する。舌を絡み付けるようにこすられて、吸われて、自分のそこがヒクヒクするのがわかった。
「あ、こ、これ、なに? い、いやぁっ、だめ、あ、ああっ!」
 さっきの、雷に打たれたような一瞬の感覚とは違うものが、身体の奥からゆっくりと湧き上がってくる。それはまるで大きな波のようで、そこに巻き込まれて飲み込まれてしまいそうで。
「中とクリトリス、どっちが好き?」
 キスするようについばむ合間に彼はにっこり笑いながらとんでもないことを問い掛けてくる。わたしのふとももを抑えている筈の右手の位置を器用にずらして、はしたなく濡れ光らせているそこを指でなぞった。そのままゆっくりと沈めて行く。
「あ、ああっ」
 痛みに近い異物感に声をあげると、彼はそのまま指を抜いた。入り口近くを軽く突くように抜き差しながらわたしを見上げる。
「これだけ濡れてるのに指二本がキツいな。ここ、慣れてない?」
 いいながらまたもや入り込んでくる。その感触に忘れかけていた恐怖が戻ってくる。あのときのあの彼も――。
「やだ、シズくん。やめてっ」
 静止しようと両手を握られたまま暴れると、彼は軽く眉をひそめた。入れたままの指を回すようにしながら奥へ奥へと入れて行く。
「ここで引っかかるな。これ、もしかして……」
 びくんと身体に走った痛みに唇を噛んだ。必死で声を堪えていると、痛みと恐怖が混じったものが視界を歪ませる。彼のまなざしが曇って行く。ゆっくりと指を抜くと彼はわたしをじっと見て、そして探るような眼のまま口を開いた。
「美雪さんって、もしかして、処女?」
 頷いた拍子に涙がこぼれた。

  -つづく-
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花を召しませ-10
2006年08月10日 (木)
 二十四歳、OL、男性経験なし。
 この年で処女なんて、さすがにちょっと引くよね。
 わたしの手を放してゆっくりと立ち上がる彼を歪んだ視界のまま見つめながら、内心で呟いた。
 処女って重いって言うし、そんなにもてなかったのかって思われるのもシャクだし。そりゃ、もてたってほどもてたわけじゃないけど。大学でも会社でもみんなにお固いイメージで取られて、ちょっと敬遠されてるっぽいのは事実なんだけど。
「ごめんね。怖かった?」
 大きな手が頬を撫でてくれた。ぽろりと落ちたしずくを指先で拭き取って、そしてそれを口へと持って行く。ちゅっと音を立てて涙を吸うと彼はわたしを見た。
「ごめんね。こんなことなら、もっと普通のアプローチすればよかった。俺もちょっと我慢効かなくなってきてて」
 そう言いながら彼はわたしをゆっくりと抱き起こした。今まで遠くに消えていた、フロアのダンスミュージックが耳に入り始める。MCの最中らしい、DJの軽快な話し声が途切れ途切れに聞こえてくる。
「えっと、これ」
 渡されたショーツを黙って受け取って、そして顔をそむけた。泣いている顔を見られるのがイヤで、それ以上に彼にどう思われたのとかを考えると、どうしていいのかわからなくて。
「あのさ、美雪さん。えっと、あの――」
「穿くから、あっち向いてて」
「あ、はい」
 くるりとおとなしく背を向けた彼を二秒だけ見つめて、そしてわたしも背を向けた。サンダルのかかとに引っかからないように注意しながらショーツを穿く。クロッチの部分が湿っていてそれが冷たくて、ちょっと気持ち悪い。
 やっぱり、処女だから途中でやめたのかな。これ以上は手を出してこないかな。もうこんなふうに……はないかな。ないだろうな。そう思うと悲しいのはなんでだろう。やっぱりわたし、今も彼が好きなのかな。そうなんだろうな、きっと。そんなことばかり考えながらショーツを穿いて、ブラの留め金を留めて、ブラウスのボタンを直して、ふうっと息をついた。
 なんか……寂しい。

  -つづく-
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花を召しませ-11
2006年08月11日 (金)
「ええと、あの、美雪さん。これ」
 わたしの身支度が終わったのを見計らったようなタイミングで、彼は背を向けたまま後ろ手に何かを差し出してきた。見慣れたサイズの白い小さな紙片を彼の指のあいだからそっと抜き取る。
 そこには、知らない名前と数字とアルファベットが並んでいた。下の二行は多分、電話番号とメールアドレス。でも、この名前って。
「佐藤鎮夫って……? え、シズくん?」
 思わず声を上げると、彼は背中越しにくすりと笑った。
「そ。俺のフルネーム。ダサい名前でしょ」
「ええっと、そんなことないけど。わたしも苗字は小林だし、フツーだよ。あんまり変わんないよ」
 彼はいつもみんなに『シズ』と呼ばれていたから、わたしもそう呼んでいた。たまたま見た彼のサインは『SIZZ』だったし、店員さんでそういう通り名の人は多かったから、なんとなくそれで納得していて、本名はなんだろうとか考えたこともなかった。
 だからなのかな、びっくりした。確かに……ちょっとイメージとは違う、かも。
「いいのいいの、慰めてくれなくっても。自分でわかってるから」
 ふざけたように軽く笑うと、彼はいったん言葉を切って、そして咳ばらいをした。やわらかく緩んでいた口調が真面目な色を帯びる。
「ええと、それ、受け取ってもらえますか?」
 言われて名刺に視線を落とした。
 そりゃ受け取るくらい……いいけど。
「本当は美雪さんの電話番号とか教えて欲しいけど、でもイヤでしょ? だからせめて、俺の番号知っててください」
 えっと、それって?
「ずっと待ってます。絶対にいつかまた、来てください」
 えーっと……。
「いきなりこんなこと仕掛けてごめんなさい。でも俺は本気なんです。ええと、その」
 口ごもるように二秒だけ彼は黙って、そして――。
「美雪さんが、好き、なんです」
 見つめていた広い背中が揺れた、ような気がした。

  -つづく-
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花を召しませ-12
2006年08月15日 (火)
 わたしのことが、好き?
 今まで誰にも、その……されなかったくらい、魅力のない女なのに? 本当に? からかわれてるんじゃないの? 遊ばれてるんじゃないの?
 そう思ってはみるけれど、それでも、どうしよう。すごく……嬉しい。
 返事をすることも忘れて、呆然と目の前の背中を見つめていると、いつまでも続く沈黙に居心地悪そうに、彼はもぞもぞと動いた。
「えーっと。やっぱり、だめ、ですか?」
 小さく咳ばらいをしたあと、彼はそう言った。その言葉に慌てて首を振る。
「ううん。ダメじゃないよ」
 そう、ダメじゃない。わたし、彼のことが。
 ゆっくりと手を伸ばしてその背中に触れた。彼がびくっと身を震わせるのにも構わず、腕を回して抱きしめる。やっぱりおとこの人なんだなって思うような少し硬い身体と、シャツ越しに伝わってくる体温になんだか照れてしまう。そっと頬を寄せるとタバコとお酒と香水が混じったにおいがした。
「あの、わたし。わたしも、シズくんのこと……」
 好き。



 明日、仕事が終わったら電話をすることを約束して、わたしはお店を出た。
 アパートへ帰ってとりあえずお風呂へ入ることにする。髪をほどいてシャワーを浴びながら、知らず知らずのうちにさっきまでの出来事を少しずつ思い出してしまう。
 トイレでシズくんに抱きしめられて。襲われるようにキスをされて、あっちこっちさわられて。電流に打たれたような鋭い一撃と、恥ずかしいところを舐められたときの、身も心も蕩けてしまいそうな快感を思い返すだけで身体がほてってしまう。
 おとこの人にされることが、あんなに気持ちいいことだったなんて。
「明日、電話しなくっちゃね」
 呟きながら、あたたかいお湯の流れに沿って指を這わせた。彼にされるのと違って、そういう意味の気持ちいい感じはないけれど、シャワーの流れが少しずつ疲れとか奇妙な高揚を洗い流してくれるみたいで、だからわたしはそっと目を閉じた。

  -つづく-
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花を召しませ-13
2006年08月17日 (木)
「お待たせー」
 待ち合わせ時間の午後六時半ギリギリに、駅前ロータリーに滑り込んできた車高の低い黒い影から顔を出した人はそう言って笑った。目の前の、いかにもなスポーツカーと薄い緑色のサングラスと白っぽい迷彩柄のTシャツの男性。それが誰なのか、一瞬わからなかったけれど。
「シズくんっ?」
「はぁい」
 サングラスを外しながら、彼は明るい笑顔をわたしに向けた。その表情は多分いつもと同じだと思うけど、いつもは暗いバーカウンタ内で白いシャツを着ていた彼がカジュアルな服装で明るいところにいるのって、なんとなく不思議な感じがする。
 わたしも、そういう服着てくればよかったかな。
 思わず自分の格好を見下ろしてしまう。仕事帰り丸出しなスーツで彼と一緒にいると、いかにも年上ですって感じで、なんかちょっと。
「まあ、乗ってよ、とりあえず」
 その言葉とほぼ同時に助手席のドアが大きく開いた。言われるがままに低い座席に少し苦労をして乗り込み、ドアを閉める。シートベルトを掛けるのを待って、思っていたよりもゆっくりと車は進み始めた。ちらりと運転席に目を向けると彼がくすりと笑うのがわかった。
「シズくん、何時に起きたの?」
「ん、一時間くらい前かな。店終わってからオーナーと朝まで飲んでて、そのあとサウナ行って、寝たの九時過ぎでさ。しかも、なかなか眠れなかったし」
 彼は明るくカラカラと笑いながらサングラスを掛け直した。ハンドルを握る横顔は、濃い眉とシャープなあごのラインが目立つ。
「これから、どこか行きたいところ、ある?」
「えっ? う、ううん。別に」
「そっか。じゃあさ」
 ちらりとサングラス越しのまなざしがわたしに向けられる。唇に浮かんでいる薄い笑みにどきっとした。
「変なところ、連れて行ってもいい?」
「へんなところ?」
 どういう意味?
 訊き返してはみるけれど身体は正直で、だから心臓がドキドキと勝手にその動きを早めて行く。彼も本当はわたしがわかってるって気付いてるんだと思う。それ以上の説明はしなかった。
「――いい?」
 再度尋ねられて、わたしは黙って頷いた。

  -つづく-
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花を召しませ-14
2006年08月18日 (金)
 初めて来たその場所も部屋も、思っていたよりも明るくてきれいだった。玄関を模した入り口でパンプスを脱ぐや否や、抱き寄せられる。
「ちょ、ちょっと……」
 もがいてみても、強い腕は決して逃がしてはくれなくて。
「こないだのとき、俺は俺でギリギリだったんだよ。美雪さん」
 低い声に囁かれて顔を上げた。その笑顔はいつもと同じのような、少し違うような。
「でも美雪さんが初めてなら、それなりに準備しないとね」
 どういう……意味?
「そんな心配そうな顔しないで」
 くすっと笑うと、彼は軽く頬にキスをした。抱き寄せる腕に力が入って、そしてそのまま身体を持ち上げられる。
「きゃっ」
 宙に浮く不安定さに、思わず彼の首にしがみついた。背中とひざを支点に抱き上げられる、いわゆるお姫さまだっこ。今まで経験したことのないこの体勢は恥ずかしいけど、でも、ちょっと。
「お、重くない?」
「うん。全然」
 それを証明しようとしたのか、彼はわたしを軽く揺すった。不安定感が更に増して、彼の首に回した手に力を入れてさっきよりも強く抱きつく。そんなわたしの様子に彼は声を上げて笑った。
「これ、いいな。美雪さんから抱きついてきてくれるって」
「ちょ、ちょっと、遊んでないで……」
「うん、わかってる。ごめんごめん」
 くすりと笑うと彼はそのまま奥へ向かって歩き出した。ドアを脚で開けて中央に置かれた大きなベッドに向かう。バランスを取りながらゆっくりベッドに腰を降ろして、そして彼はわたしを見た。これからの自分の身に起こるであろうことを考えると、向けられたまなざしにどうにも耐えられなくて、顔を伏せてしまう。
「なんで、眼をそらすの」
 ひざ裏を支えていた彼の手がそこから外れて、わたしのあごを軽くつかんだ。ひねるように顔を上げさせられて視線が絡む。
「美雪、さん……」
 低くかすれた声がわたしに口づけた。

  -つづく-
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花を召しませ-15
2006年08月19日 (土)
 軽い、触れるだけのキスにも身体が固くなる。
 一度離れてから、唇の隙間を割るように彼の舌が侵入して来た。絡み付いてくる舌に応えるように軽く触れると、じゅっと音を立てて吸い上げられる。子どものように恋愛に憧れていた頃は想像することさえなかった、頭の心が痺れるような濃厚なキスは、もうキスなんて言葉じゃ表現できないような、紛れもなく愛撫のうちの一つだった。
 流し込まれる少し苦い唾液は、タバコの味。
「ん……」
 軽く身じろぎしただけでもわたしを抱きしめる彼の腕が強くなる。絶対に逃がさないとそう言われているようで、怖いけどドキドキする。こんなに簡単に言葉を信じて、こんなに簡単に抱かれるなんて、バカな女なのかもしれないけれど、でも。
「美雪さん」
 囁くような声が耳をやわらかく噛んだ。びくっと震えたわたしを面白がるように低く笑いながら、器用に動く指先がブラウスのボタンを一つずつ外して行く。あいだから現われた肌に恥ずかしくなって顔をそむけると、先回りした手に阻まれた。頬からあごを大きな手のひらで覆われて、押し上げるように上を向かされてしまう。上目遣いに睨みつけると彼は目を細めるように笑った。
「ホント、可愛いなあ」
 背中に回っていた彼の手がブラウスと肌の隙間の空間へと入った。ぱちりと弾かれた感触と同時に胸元が緩むのがわかる。背中からお腹までを何度も撫ぜていた手が不意にブラカップのあいだへと潜り込んだ。
「やわらかい……」
 呟くように言いながら、彼は大きな手で胸をすっぽりと包み込んだ。
「あ……い、や……」
 やわやわと撫でさすられて、身体がピクピク震えてしまう。何度もイジられているうちに反応していくのがわかる。弄ぶように耳を舐めていた舌がゆっくり降りて、ちゅっと小さな音を立てて首すじを吸い上げた。

  -つづく-
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花を召しませ-16
2006年08月21日 (月)
「乳首、勃ってきたね」
「っ……んっ」
 敏感な胸の先端をきゅっとつままれて息が詰まった。恥ずかしくて身悶えしても彼の手は止まらない。ブラウスの前を全開にすると顔を伏せるようにして胸に唇を押し付けた。ぬるりと触れる舌の感触に肌が粟立つ。遊ぶように周囲に唾液で濡らしてから、不意に強く吸い上げられた。
「あ、んんっ」
 びくんと身体が跳ねた瞬間に彼の手が離れ、そのままくるりと視界が一回転した。ベッドに寝転ばされたときには、どこをどうしたのかブラウスとブラが外されて、上半身は裸だった。シャンデリアを模した灯りから隠すように、彼の影がわたしに覆い被さる。
「美雪さんって、おっぱい結構感じるんだよね。こうするの好きだったっけ?」
 そんなことを言いながら、彼は指先でやわやわとつまんで軽くすり潰した。音を立てて胸元のあちこちを吸い上げながら、手のひらを滑らせてわき腹からお腹の辺りまでを撫でさする。
「……あっ、やっ……!」
「いや? どこがイヤ? どんなふうにイヤなの?」
 もどかしいくらいに弱い刺激と息ができなくなるような強い刺激を交互に送り込みながら、彼は言葉でもわたしをいじめた。答えることもできないわたしを見て楽しそうに笑いながら、赤く尖り始めた乳首をきゅっとひねって、そしてすぐに口に含む。舌先でちろちろと舐め上げて、そして軽く噛む。舌を器用に使って、強く弱く、彼は何度も何度もそれを繰り返す。わたしには彼に翻弄されるだけだった。
「……あっ……ああっ! は、ぅっ……」
 ひくひくと身体が、そして腰が、勝手に動いてしまいそうになる。彼はそれを見逃しはしなかった。タイトスカートの内側にするりと手が滑り込んでひざからふとももまでを撫で上げる。
「……んんっ!」
 きゅっとひざ裏を押し上げられて腰が浮いた。その隙に、スカートをめくり上げられ、パンストはふとももの半ばまで降ろされてしまう。中途半端なところで止まったパンストのせいで、脚が上手く動かせない。
「うわ、すごい眺め」
「や、やだあっ」
 上半身は裸で、下半身はスカートをお腹までめくられた状態でショーツが丸出し。そんな自分の恥ずかしい姿を想像して思わず暴れたけれど、彼は逃がしてはくれなかった。

  -つづく-
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お言葉頂きました☆
2006年08月21日 (月)
 おはようございます、にゃおです☆
 毎日暑いですねー。子どもの頃って夏でもちゃんと長ズボンのパジャマ着て寝てたけど、今はキャミと短パンで寝てるってことは、やっぱり地球温暖化ってどんどん進んでるのかなあーなんて思いますよね。一年一年暑くなってきてるんだったら五年後くらいは『今年の最高気温は43度です』なんておそろしいことになっちゃうんじゃないかなあ、なんて考えてしまったりして。
 うーん、イヤですねー。

 ところで、お言葉いただきましたー。
『次が楽しみ♪ 』
 きゃー、ありがとうございますv
 ご期待に沿えたかどうか、とても不安ですが、ばっちりえっちいシーンですv 楽しんでいただけてるかなあ?
 最近ちょっと忙しくって、今までより頻度は落ち気味なんですが、でもでもできるだけ頑張っていきますので、どうぞこれからも応援してやってくださいな☆

 いつも「よかったよ♪」やランキングへぽちっとボタンを押してくださってありがとうございますv
 毎日暑いですけど、みなさんも体調に気をつけて毎日頑張ってくださいv そして気が向いたときにはにゃおのえっちな小説でえっちな気分になってくださいね♪
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花を召しませ-17
2006年08月22日 (火)
「お願い、やめて……」
「恥ずかしい? 赤くなっちゃって、可愛い」
 スカートを戻そうとしたわたしの手を取ると、彼は指を絡めるように強く握った。そのままベッドに押し付けられると身体の自由度を制限される。捕らえられているという感覚が更に神経を研ぎ澄まして、どこをどうさわられているかがわかってしまう。
「だいぶん濡れてきてるよ」
 囁くように言いながら、彼はふとももの内側をさわさわと撫でていた手を脚の付け根に移した。ショーツの上からその辺りに指がこすりつけられる。彼の指の動きに併せて、じわっと滲んだものが流れ出ていく。
「んっ、あ……や、やだ……」
 きゅっと強くそこを押さえられて身体が震えた。そのまま突付くようにされると、ショーツの濡れた部分が張り付くのがわかる。
「あ、はっ、く、ぅ……」
 びくっと震えると背がベッドから浮いた。わたしのそんな様子に彼が少しだけ笑った。額と頬、そして唇に、軽いキスが連続して落ちてくる。
「ほら、クリが勃ってきてる。わかる?」
 ショーツのあいだからするりと入り込んだ指が直接そこに触れた。ちゅくちゅくといやらしい水音を立てながら彼の指がわたしを追い詰める。優しく円を描くような指に身体がビクビクと跳ねてしまう。強くつむったまぶたの裏の、緑色がかった闇に白い火花がぱちっと散った。彼にさわられている部分がピクピク動くのがわかる。
「気持ちいい?」
「や、あっ! あ、あぅっ」
 肯定か否定かもわからないまま首を振る。のどをそらすように喘ぎながら、彼に与えられる強い快感に身をくねらせた。

  -つづく-
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花を召しませ-18
2006年08月24日 (木)
「もっと気持ちよくしてあげるね」
 そう言うと、彼は身体を起こした。太ももから下のほうへと手のひらを滑らせて、汗ばんだ肌に張り付いたパンストを転がすようにして引き剥がしていく。最後にきゅっと足先から抜くと両手でふくらはぎをつかんだ。そのまま大きくひざを開けさせられる。
「や、だぁ……」
 自分の格好を思うと、恥ずかしくて身の置き所もない。顔をそむけて眼を強くつむるとほぼ同時に、抑え込むように体重を掛けられた。軽く浮いた腰の下に手が滑り込み、最後の一枚が脱がされてしまう。
「やっぱり、きれい」
 溜息のような声がお腹にかかった。慌てて身をよじると、低い吐息がクスクス笑いに変わる。触れたゆびがそこをゆっくりと広げた。やや早めのリズムで吐きかけられていた彼の息が一瞬止まったのがわかった。
「すげー。糸引いてる」
「見ちゃイヤだって……やだ、ああっ」
 ちゅっと音を立てて吸い上げられて思わず声が出る。以前にも彼に与えられたその感触は、非現実的すぎるほどに気持ちよかった。丁寧にゆっくりなぞられると、自分が融けてしまうのではないかとの恐れさえ湧く。
「や……やだぁっ。ひっ!」
 卑猥な音を立てて舐め上げられて腰が浮く。それは彼を拒絶しての動きではなかったけれど、彼はやや乱暴にわたしをベッドに押し戻した。手荒く扱われることになぜか胸が熱くなる。
「逃がさないよ、美雪さん」
 苦しいほどに脚を広げさせて、圧し掛かるように彼はわたしのそこに舌を這わせた。ちゅ、ちゅ、と音を立てて何度も吸い上げる。舌を絡めるようにこすりつけながら、叩くように舌先を軽く打ち付け、そしてべろりと舐め上げる。あまりの快感にビクビクと身体が震えた。

  -つづく-
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花を召しませ-19
2006年08月26日 (土)
「あ……あっ、シズ……くんっ」
 眼を閉じて首を振りながら、その名を呼んだ。
 自分の中から何かが湧き上がってくるのがわかる。その感覚がどうしようもなくて、髪を振り乱して全身を震わせて声を上げた。自分がどんな格好をしているのかさえも忘れて、ただ快感に喘いだ。
「だめ……もうっ、もうっ!」
 前は、一瞬のことだった。
 抵抗する間もなく一気に打ち上げられた感覚は、快感よりも驚きや痛みに近かった。けれど、今はそれとは違う。恥ずかしい部分を舐められているという事実に、じわじわと自分のお腹の中から熱くなっていく。彼に強く啜り上げられる度に、魂までも吸い上げられるようだった。
 このままだと、狂ってしまう。
「ん? もう、イきそう?」
「あ、あ……く、ああっ」
「イってよ。俺の前で」
 言葉とほぼ同時にじゅっと音を立てて彼はそこに吸い付いた。舌先を叩きつけながら指を入れて、そのまま抜き差しする。ぐちゅぐちゅとひどく生々しい音が聞こえて、そのいやらしさへの羞恥が最後の堰を切った。
「い、やぁっ……!」
 びくんと跳ねる。白い光がバチっと頭の中で弾けた。
「ほら、まだまだ」
「あっ! や……くぅっ!!」
 見開いた視界に白い天井が映ったけれど、何も見えない。身体の中を彼の舌と指で掻き回されて、のたうち回るしかなかった。もう声も出ない。腰をガクガクと震わせながら、与えられる快感を浅ましく貪り続けた。

  -つづく-
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