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2007年01月01日 (月)
「もしもし、美雪さん? あのさ、今日のことなんだけど……」
それは、待ち合わせ時間三十分前に彼からかかってきた電話だった。右手でパチパチとキーボードを押さえながら、左手で支えた携帯電話から流れてくる声に耳を澄ませる。
「あ、うん。七時にでしょ」
付き合うようになって一箇月記念日。
初めて聞いたその記念日が、一般的にどれほど認知されているのかはわからない。どんなカップルでも当たり前にすることなのかどうか、高校生の頃に一度だけのお付き合いしかしたことのないわたしには見当のつけようもない。有理が『シズにしては気の効いたことを』と笑っていたから、全く聞かない話でもないらしい。わたしの認識はその程度だった。だから、それほどこの日に執着していたわけではなかった。ただ、彼がその日を大切にしようと、そう思ってくれていることが嬉しかった。
そうは言っても、特に何をするわけでもない。予約する必要もないくらいの、気楽に行ける値段のレストランで夕食を摂って、そしてホテルに行く。予定はただそれだけで、本当に普段のデートと何も変わることのないものだったけれど、それでもとても楽しみにしていた。
「仕事はもう終わりだから――」
「あ、いや、そのちょっと、実は……」
時間には間に合うと、そう告げようとした言葉が彼に遮られる。その奇妙に暗い響きに、頭の中に嫌な予感が湧き上がる。黙り込んだわたしに彼は言い難そうに続けた。
「えーと、その。さっき、急な予定が入っちゃって」
「なっ……」
思わず言葉に詰まる。
「だから今日は、ちょっと……その……」
「え。だって、今日って」
「うん、わかってる。ごめんね、言い出したの俺なのに」
こんなギリギリになって。
申し訳なさそうな彼の声に、逆に怒りがつのる。彼の言う『急に入った予定』が何であるのかも行き先も、その相手さえもわかっているからなおさらだった。これが仕事だからという理由なのであれば、渋々であっても納得できたのにと思うと悔しい。
「本当にごめん。この埋め合わせはきっとするから――」
だからわたしは彼の言葉にそれ以上は何も答えずに、赤いマークのついた小さなボタンを押して通話を終えた。そしてケータイの電源を落として、何もなかったような顔で仕事に戻って、そのまま一時間の残業をした。
-つづく-
それは、待ち合わせ時間三十分前に彼からかかってきた電話だった。右手でパチパチとキーボードを押さえながら、左手で支えた携帯電話から流れてくる声に耳を澄ませる。
「あ、うん。七時にでしょ」
付き合うようになって一箇月記念日。
初めて聞いたその記念日が、一般的にどれほど認知されているのかはわからない。どんなカップルでも当たり前にすることなのかどうか、高校生の頃に一度だけのお付き合いしかしたことのないわたしには見当のつけようもない。有理が『シズにしては気の効いたことを』と笑っていたから、全く聞かない話でもないらしい。わたしの認識はその程度だった。だから、それほどこの日に執着していたわけではなかった。ただ、彼がその日を大切にしようと、そう思ってくれていることが嬉しかった。
そうは言っても、特に何をするわけでもない。予約する必要もないくらいの、気楽に行ける値段のレストランで夕食を摂って、そしてホテルに行く。予定はただそれだけで、本当に普段のデートと何も変わることのないものだったけれど、それでもとても楽しみにしていた。
「仕事はもう終わりだから――」
「あ、いや、そのちょっと、実は……」
時間には間に合うと、そう告げようとした言葉が彼に遮られる。その奇妙に暗い響きに、頭の中に嫌な予感が湧き上がる。黙り込んだわたしに彼は言い難そうに続けた。
「えーと、その。さっき、急な予定が入っちゃって」
「なっ……」
思わず言葉に詰まる。
「だから今日は、ちょっと……その……」
「え。だって、今日って」
「うん、わかってる。ごめんね、言い出したの俺なのに」
こんなギリギリになって。
申し訳なさそうな彼の声に、逆に怒りがつのる。彼の言う『急に入った予定』が何であるのかも行き先も、その相手さえもわかっているからなおさらだった。これが仕事だからという理由なのであれば、渋々であっても納得できたのにと思うと悔しい。
「本当にごめん。この埋め合わせはきっとするから――」
だからわたしは彼の言葉にそれ以上は何も答えずに、赤いマークのついた小さなボタンを押して通話を終えた。そしてケータイの電源を落として、何もなかったような顔で仕事に戻って、そのまま一時間の残業をした。
-つづく-
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2007年01月01日 (月)
あけましておめでとうございますです、にゃおですっ☆
新年です。新しい一年です!みなさんは今年はどうされますか?にゃおはえーっと、イロイロなところでがんばっていきたいと思っていますので、気が向いたら応援してやってくださいな♪
というわけで始まりました、「花を召しませ」番外編。タイトルはセクシャルオムレットです。
ええとですね、これは以前に『いつか空白の1年3ヶ月の事を書いて下さい!』というお言葉を頂いたことがあって、そのときは全然考えてないですってお返事したのですが、言われてからずーっと考えてたのですよ。ということで、思い切って書いてみましたっ☆
みなさんに喜んでいただけるといいなーって思いますっ♪
さてさて、お言葉いただきましたっ☆ありがとうございますっ!
『こちらに来て、小説を読むと次の日がんばろっ!と思えたんですよ。一年間ありがとうございました。 』
うわー、ありがとうございます!どうか今年もよろしくお願いします!
あとですね、ちゃんと覚えてますよー!転職って大変だなあ、がんばってるんだろうなあ、そんなときににゃおのお話が励みになってるとか言われると涙出そうっ(><。)とか思ってましたもの。お仕事慣れてきて楽しく感じるときもあるなんて、にゃおも嬉しいですっ☆
イロイロと大変でしょうけれど、にゃおもがんばりますので、一緒にがんばりましょうねっ!!
(≧∇≦)/
そして全然書いていないあいだもたくさんの「よかったよ♪」やお言葉、ランキングへの一票などなど、本当にありがとうございました!!
みなさんあってのにゃおと言う事で、新しい一年もどうぞよろしくお願いいたしますですっ!
m(_ _)m
新年です。新しい一年です!みなさんは今年はどうされますか?にゃおはえーっと、イロイロなところでがんばっていきたいと思っていますので、気が向いたら応援してやってくださいな♪
というわけで始まりました、「花を召しませ」番外編。タイトルはセクシャルオムレットです。
ええとですね、これは以前に『いつか空白の1年3ヶ月の事を書いて下さい!』というお言葉を頂いたことがあって、そのときは全然考えてないですってお返事したのですが、言われてからずーっと考えてたのですよ。ということで、思い切って書いてみましたっ☆
みなさんに喜んでいただけるといいなーって思いますっ♪
さてさて、お言葉いただきましたっ☆ありがとうございますっ!
『こちらに来て、小説を読むと次の日がんばろっ!と思えたんですよ。一年間ありがとうございました。 』
うわー、ありがとうございます!どうか今年もよろしくお願いします!
あとですね、ちゃんと覚えてますよー!転職って大変だなあ、がんばってるんだろうなあ、そんなときににゃおのお話が励みになってるとか言われると涙出そうっ(><。)とか思ってましたもの。お仕事慣れてきて楽しく感じるときもあるなんて、にゃおも嬉しいですっ☆
イロイロと大変でしょうけれど、にゃおもがんばりますので、一緒にがんばりましょうねっ!!
(≧∇≦)/
そして全然書いていないあいだもたくさんの「よかったよ♪」やお言葉、ランキングへの一票などなど、本当にありがとうございました!!
みなさんあってのにゃおと言う事で、新しい一年もどうぞよろしくお願いいたしますですっ!
m(_ _)m
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2007年01月03日 (水)
「う~~っ」
意味もなく低くうなりながらエアコンのスイッチを入れる。去年に引き続き暖冬だとテレビのニュースで言っていたけれど、それでも十一月に入って少し経てばそれなりに寒くなる。昼間はコートが要らなくても、日が落ちてから数時間もすれば暖房なしで部屋に居るのはつらくなる。それが一人の部屋ならばなおさらだった。
本当なら今日はシズくんと――。
「やめやめっ!」
ネガティヴに向いかけた思考を声に出して軌道修正すると、左手に下げていたナイロン袋をテーブルに置いた。脱いだコートをいつものハンガーにかけて、寝間着兼部屋着のスウェットスーツに着替えて、カーディガンを羽織りながらテレビをつけた。賑やかな音楽を背にテーブルに戻り、袋の中身を取り出す。十五センチ四方のプラスティック容器に入ったサラダと生成り色のやわらかな紙に包まれたベーグルは、最近流行りの駅地下ショップの、いつもはあまり行かない高級指向デリカショップのテイクアウト品だった。
「いただきます」
お店でつけてくれた、使い捨てだと思えないくらいにお洒落な木のデザインのフォークを指にはさんで、いつもよりも丁寧に手を合わせてからサラダのパッケージを開けた。
お店で一番人気というシーフードのコブサラダは、たっぷりのエビとホタテと、無農薬有機肥料にこだわった水菜とレタスがウリだった。しゃきしゃきと口の中で大きな音を立てる野菜は新鮮そのものだ。パプリカとゆで卵の色合いがとても鮮やかなのは、見た目だけでも美味しそうだけれど、実際に食べるともっと美味しい。マヨネーズベースのスパイスの効いたソースがいい感じに濃厚で、少し辛みの残ったたまねぎのスライスによく合う。さすがはテイクアウトサラダのくせに一人前七百円というところだろう。一個二百五十円のクリームチーズのベーグルも、爽やかな酸味とまったり具合が……。
「あー、ダメだー」
なんで、こんな上等なものを買ったんだろう。
フォークを手にしたまま頭を抱えて、溜息をついた。
こんなときだから贅沢しようと奮発したつもりだったけれど、それに反って落ち込みそうだった。いつも食べている、コンビニの二百三十円のコーンサラダと百三十円のおにぎりにすればよかったと心から思う。美味しければ美味しいほど逆に虚しさがつのる。そう言う意味では、今までで最悪の食事だ。
もう一度大きく溜息をついてから、大口を開けてがぶりとベーグルに噛み付いた。
さっさと食べてお風呂に入って、もう寝よう。
-つづく-
意味もなく低くうなりながらエアコンのスイッチを入れる。去年に引き続き暖冬だとテレビのニュースで言っていたけれど、それでも十一月に入って少し経てばそれなりに寒くなる。昼間はコートが要らなくても、日が落ちてから数時間もすれば暖房なしで部屋に居るのはつらくなる。それが一人の部屋ならばなおさらだった。
本当なら今日はシズくんと――。
「やめやめっ!」
ネガティヴに向いかけた思考を声に出して軌道修正すると、左手に下げていたナイロン袋をテーブルに置いた。脱いだコートをいつものハンガーにかけて、寝間着兼部屋着のスウェットスーツに着替えて、カーディガンを羽織りながらテレビをつけた。賑やかな音楽を背にテーブルに戻り、袋の中身を取り出す。十五センチ四方のプラスティック容器に入ったサラダと生成り色のやわらかな紙に包まれたベーグルは、最近流行りの駅地下ショップの、いつもはあまり行かない高級指向デリカショップのテイクアウト品だった。
「いただきます」
お店でつけてくれた、使い捨てだと思えないくらいにお洒落な木のデザインのフォークを指にはさんで、いつもよりも丁寧に手を合わせてからサラダのパッケージを開けた。
お店で一番人気というシーフードのコブサラダは、たっぷりのエビとホタテと、無農薬有機肥料にこだわった水菜とレタスがウリだった。しゃきしゃきと口の中で大きな音を立てる野菜は新鮮そのものだ。パプリカとゆで卵の色合いがとても鮮やかなのは、見た目だけでも美味しそうだけれど、実際に食べるともっと美味しい。マヨネーズベースのスパイスの効いたソースがいい感じに濃厚で、少し辛みの残ったたまねぎのスライスによく合う。さすがはテイクアウトサラダのくせに一人前七百円というところだろう。一個二百五十円のクリームチーズのベーグルも、爽やかな酸味とまったり具合が……。
「あー、ダメだー」
なんで、こんな上等なものを買ったんだろう。
フォークを手にしたまま頭を抱えて、溜息をついた。
こんなときだから贅沢しようと奮発したつもりだったけれど、それに反って落ち込みそうだった。いつも食べている、コンビニの二百三十円のコーンサラダと百三十円のおにぎりにすればよかったと心から思う。美味しければ美味しいほど逆に虚しさがつのる。そう言う意味では、今までで最悪の食事だ。
もう一度大きく溜息をついてから、大口を開けてがぶりとベーグルに噛み付いた。
さっさと食べてお風呂に入って、もう寝よう。
-つづく-
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2007年01月06日 (土)
起きていても寂しいだけだからと、普段よりも随分早くお風呂に入って、一時間以上も早くベッドにもぐりこんではみたものの、そう簡単に眠れるものでもない。
彼は今頃どこで何をしているのだろうと、そんなことをふと思っては寝返りを打つ。彼女の部屋なのだろうか、それともレストランで食事……?
あー。もう、やだー。
掛け布団を頭まで引き上げて、誰もいないのに誰にも聞かれないようにそっと溜息をついた。
手を伸ばして、枕の横に転がっていた携帯電話を取る。サブディスプレイの数字が、いつのまにか日付けが変わろうとしていることを教えてくれた。眠れないままに時間ばかりが過ぎて行ってしまう。なんてムダな時間を過ごしてしまっているのだろう。そう思って思わず溜息をつく。
彼に逢えなかった。それだけでこんなに苦しいなんて。
手の中で何かが急に震えたことに驚いて目を開けて、それでいつのまにか眠っていたことに気付く。そのことになぜか慌てて、相手を確認しないままに携帯電話を開いた。寝ぼけまなこで通話ボタンを押して送話口を耳に押し当てる。
「はい、もしもし?」
語尾がかすかにぶれるようなノイズ混じりの自分の声を聞きながら、返ってくる言葉を待つ一瞬に、淡い期待を浮かべてしまう自分に苦笑した。彼は今は別の人と一緒にいるのだから電話を掛けてくるはずがない。そんなことはわかっていたけれど。
「あ、もしもし、美雪さん?」
低くひそめた声はひどく聞き取り難かった。それでも誰なのかがわからないほどでもなかった。二十四年の人生の中で、一番長電話をした相手の声を聞き間違えることはない。それが彼であったのならば、なおさら。
「えっと、こんばんは。シズです」
話し辛そうなその響きにぱちんと音を立てて意識が覚醒した。
-つづく-
彼は今頃どこで何をしているのだろうと、そんなことをふと思っては寝返りを打つ。彼女の部屋なのだろうか、それともレストランで食事……?
あー。もう、やだー。
掛け布団を頭まで引き上げて、誰もいないのに誰にも聞かれないようにそっと溜息をついた。
手を伸ばして、枕の横に転がっていた携帯電話を取る。サブディスプレイの数字が、いつのまにか日付けが変わろうとしていることを教えてくれた。眠れないままに時間ばかりが過ぎて行ってしまう。なんてムダな時間を過ごしてしまっているのだろう。そう思って思わず溜息をつく。
彼に逢えなかった。それだけでこんなに苦しいなんて。
手の中で何かが急に震えたことに驚いて目を開けて、それでいつのまにか眠っていたことに気付く。そのことになぜか慌てて、相手を確認しないままに携帯電話を開いた。寝ぼけまなこで通話ボタンを押して送話口を耳に押し当てる。
「はい、もしもし?」
語尾がかすかにぶれるようなノイズ混じりの自分の声を聞きながら、返ってくる言葉を待つ一瞬に、淡い期待を浮かべてしまう自分に苦笑した。彼は今は別の人と一緒にいるのだから電話を掛けてくるはずがない。そんなことはわかっていたけれど。
「あ、もしもし、美雪さん?」
低くひそめた声はひどく聞き取り難かった。それでも誰なのかがわからないほどでもなかった。二十四年の人生の中で、一番長電話をした相手の声を聞き間違えることはない。それが彼であったのならば、なおさら。
「えっと、こんばんは。シズです」
話し辛そうなその響きにぱちんと音を立てて意識が覚醒した。
-つづく-
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2007年01月06日 (土)
おはようございます。にゃおです☆
みなさんお正月はどうでしたか? 楽しかったですか?
えーと、にゃおはですねー、ダーリンの実家へちょっとこー…行ってきました。
ダーリンママさんとパパさんと、そしてお兄さんとお姉さんとお子さんと(ダーリンにとっては甥っこさんですね)一緒にわいわいお話をしてきました。パパさんお手製のすきやきはとっても美味しかったですvお土産にって、にゃお手作りパウンドケーキを持って行ったのもすごく喜んでいただけましたしv でも、あーーー、肩凝ったーーーっ!!
帰ってきて「やっぱり自分のうちが一番だよね」なんて言ったりして♪
さてさて、お言葉いただきました☆
『あけましておめでとうございます。』
はい、おめでとうございますv
この一年が寿さんとって楽しい一年になりますようにv
『にゃおしゃん、明けましておめでとうございます。』
はい、おめでとうございますパスちゃんv ご無沙汰ばっかりで不義理なにゃおですが、こちらこそどうぞよろしくお願いします☆
番外編もなかなか進みませんがなんとか頑張っていきたいと思います。(T-T)なんていうか、番外編でもやっぱり難産なんだわ「花を召しませ」って。と、しみじみしちゃいますね~。みなさんに応援しただいている美雪さんとシズくんも頑張ってv
そしていつもたくさんの「よかったよ♪」ありがとうございます!
ここしばらくちょっと忙しくってなかなか思うように進められない「プッシーキャット☆テイル」ではありますが、どうぞこれからもよろしくですっ☆
みなさんお正月はどうでしたか? 楽しかったですか?
えーと、にゃおはですねー、ダーリンの実家へちょっとこー…行ってきました。
ダーリンママさんとパパさんと、そしてお兄さんとお姉さんとお子さんと(ダーリンにとっては甥っこさんですね)一緒にわいわいお話をしてきました。パパさんお手製のすきやきはとっても美味しかったですvお土産にって、にゃお手作りパウンドケーキを持って行ったのもすごく喜んでいただけましたしv でも、あーーー、肩凝ったーーーっ!!
帰ってきて「やっぱり自分のうちが一番だよね」なんて言ったりして♪
さてさて、お言葉いただきました☆
『あけましておめでとうございます。』
はい、おめでとうございますv
この一年が寿さんとって楽しい一年になりますようにv
『にゃおしゃん、明けましておめでとうございます。』
はい、おめでとうございますパスちゃんv ご無沙汰ばっかりで不義理なにゃおですが、こちらこそどうぞよろしくお願いします☆
番外編もなかなか進みませんがなんとか頑張っていきたいと思います。(T-T)なんていうか、番外編でもやっぱり難産なんだわ「花を召しませ」って。と、しみじみしちゃいますね~。みなさんに応援しただいている美雪さんとシズくんも頑張ってv
そしていつもたくさんの「よかったよ♪」ありがとうございます!
ここしばらくちょっと忙しくってなかなか思うように進められない「プッシーキャット☆テイル」ではありますが、どうぞこれからもよろしくですっ☆
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2007年01月08日 (月)
どこか遠くから聞こえてくる彼の声は、いつもの軽妙な調子とは随分違った。おそらくは誰かが近くにいて、その人に聞かれないように掛けてきたのだろう。それが誰なのかは考えるまでもないけれど。
「まだ起きてた? ごめんね、こんな時間に」
「え……あ、うん」
正負の入り混じった、ひどく複雑な感情がのどを塞いで言葉が出ない。相槌とも返事ともつかない単音を組み合わせただけの声で応えて、息を止めるようにして耳を澄ませて眼を閉じて、彼の息遣いを追った。
彼が今何をしているのか、どこにいるのか。知りたくない。見たくない。けれど、知りたい。
「もうすぐ、その……帰れそうなんだけど。今からそっち行ってもいい?」
かすれ気味に聞こえてきた言葉に、声を返すことができなかった。求めることも拒絶することもできないままに顔を上げる。闇に慣れた目を壁に張り付いた時計に向けた。黄色で縁取られた円の中で、やや斜めに伸びた短針とそれよりも少しずれた角度を保つ長針が表わす時間は、一時五分。
「もういいよ」
携帯電話を耳に押し当てたまま寝返りを打って、そして溜息をついた。
ベッドに入ったのが十時頃だから、三時間近くもこうして悶々としていたことになる。三時間。それを考えると急にバカバカしくなってきた。男のことでここまで悩んで眠れないなんて本当にバカだと思う。
わたし、何やってるんだろう。
「日付け変わっちゃったし、こなくていいよ。おやすみ」
一方的にそれだけを言って通話を切った。携帯電話を放り出すように枕元に置いて、身体を丸めて溜息をついて、強く眼を閉じる。
寝よう、本当に。もう寝ちゃおう。
-つづく-
「まだ起きてた? ごめんね、こんな時間に」
「え……あ、うん」
正負の入り混じった、ひどく複雑な感情がのどを塞いで言葉が出ない。相槌とも返事ともつかない単音を組み合わせただけの声で応えて、息を止めるようにして耳を澄ませて眼を閉じて、彼の息遣いを追った。
彼が今何をしているのか、どこにいるのか。知りたくない。見たくない。けれど、知りたい。
「もうすぐ、その……帰れそうなんだけど。今からそっち行ってもいい?」
かすれ気味に聞こえてきた言葉に、声を返すことができなかった。求めることも拒絶することもできないままに顔を上げる。闇に慣れた目を壁に張り付いた時計に向けた。黄色で縁取られた円の中で、やや斜めに伸びた短針とそれよりも少しずれた角度を保つ長針が表わす時間は、一時五分。
「もういいよ」
携帯電話を耳に押し当てたまま寝返りを打って、そして溜息をついた。
ベッドに入ったのが十時頃だから、三時間近くもこうして悶々としていたことになる。三時間。それを考えると急にバカバカしくなってきた。男のことでここまで悩んで眠れないなんて本当にバカだと思う。
わたし、何やってるんだろう。
「日付け変わっちゃったし、こなくていいよ。おやすみ」
一方的にそれだけを言って通話を切った。携帯電話を放り出すように枕元に置いて、身体を丸めて溜息をついて、強く眼を閉じる。
寝よう、本当に。もう寝ちゃおう。
-つづく-
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2007年01月09日 (火)
携帯電話から大音量で鳴り始めた軽快な音楽に、ふわふわと暗闇に浮いていた意識が一瞬で地上へと飛び出した。軽快なリズムを刻むスクラッチ音と陽気なDJと、可愛らしい女性ボーカルの歌声は大のお気に入りだけれど、それでも眠気には勝てない。手を伸ばすよりも先に音楽が途切れて、そしてそのまま眠ってしまう。
今日はもうこのままズル休みしちゃおうかな。
ふいにそんなことを考えた瞬間だった。ぴーぴぴ、と、いつもの着信音とは少し違う音が聞こえた。その音はたった一人だけの着信音で、だから。
「うそ……」
サブディスプレイに浮いた名前に目を疑った。けれど、慌てて開いた携帯電話の半分を占める大きな画面に表示された名前も、さっき見たものと全く同じだった。
「シズくん……?」
画面の左から右へ、丸っこい音符が上下に揺れながら流れて行く。二秒ごとに画面の左端に小さく表示された片耳を立てたうさぎが、『呼んでるよ』と繰り返しながらウィンクをした。昨晩あんなに冷たく電話を切ったわたしを彼は許してくれるのだろうか。それとももしかして、怒っていて……?
早く出なければと思えば思うほど指は動かなくて、ふいに途切れた呼び出し音に、目をペケマークにしたうさぎが『切れちゃったよ』と泣き顔を作る。自分の馬鹿さ加減に唇を噛む暇もなく、再び呼び出し音が鳴り始めた。相手は勿論――。
「はい、もしもし」
おそるおそる出した声に被さるように、彼の言葉が電波の中を伝わってくる。
「あ、美雪さん。おはよ。起きた?」
「う、うん。今、起きた」
言葉どおりに掛け布団を押しのけるようにして身体を起こし、ベッドから立ち上がろうとした途端に身体がぶるりと震えた。慌ててベッドボード替わりに使っているローチェストの上のリモコンに手を伸ばし、エアコンのスイッチを入れる。十一月の早朝はやはり寒い。
-つづく-
今日はもうこのままズル休みしちゃおうかな。
ふいにそんなことを考えた瞬間だった。ぴーぴぴ、と、いつもの着信音とは少し違う音が聞こえた。その音はたった一人だけの着信音で、だから。
「うそ……」
サブディスプレイに浮いた名前に目を疑った。けれど、慌てて開いた携帯電話の半分を占める大きな画面に表示された名前も、さっき見たものと全く同じだった。
「シズくん……?」
画面の左から右へ、丸っこい音符が上下に揺れながら流れて行く。二秒ごとに画面の左端に小さく表示された片耳を立てたうさぎが、『呼んでるよ』と繰り返しながらウィンクをした。昨晩あんなに冷たく電話を切ったわたしを彼は許してくれるのだろうか。それとももしかして、怒っていて……?
早く出なければと思えば思うほど指は動かなくて、ふいに途切れた呼び出し音に、目をペケマークにしたうさぎが『切れちゃったよ』と泣き顔を作る。自分の馬鹿さ加減に唇を噛む暇もなく、再び呼び出し音が鳴り始めた。相手は勿論――。
「はい、もしもし」
おそるおそる出した声に被さるように、彼の言葉が電波の中を伝わってくる。
「あ、美雪さん。おはよ。起きた?」
「う、うん。今、起きた」
言葉どおりに掛け布団を押しのけるようにして身体を起こし、ベッドから立ち上がろうとした途端に身体がぶるりと震えた。慌ててベッドボード替わりに使っているローチェストの上のリモコンに手を伸ばし、エアコンのスイッチを入れる。十一月の早朝はやはり寒い。
-つづく-
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2007年01月09日 (火)
おはようございます、にゃおです☆
いつのまにか越えてました、記念の100万ひっと。うー、キリ番リクエスト、とかやってみたかったのにーっ(;-;)残念ですー。
ということで久し振りに日記でも。と言っても、ここ最近『忙しい』とか『疲れた』みたいな言葉しか口に出ない有様で。背中が痛いのがなかなか治らないし、お腹も壊してるし、なんだかダルいし。ダーリンも調子悪いみたいで、だからエッチしてないし。
それに、今連載している番外編は暗いしー。なんだかもう散々です、ううう(T-T)
あ、勿論このままじゃないですから。ちゃんとシズくんはえっちいことする気まんまんですから。ご安心くださいなv
なんだか疲れた疲れたって言ってますけれど、いいこともありましたよ♪
といっても注文していたラブコスメティックの福袋が届いたのだけなのですけれど。
でも、前々からそのうち欲しいなーとは思ってたけど、悩んでいるうちに廃盤になっちゃったみたい…?ってものが入っててすごく嬉しかったですvピンクローター入ってましたしねvv
というかね。うん。これ、ちょっと思ったことなんですけど。
『福袋に入ってたのー』って言えば、さりげなく彼氏サンにラブグッズとか見せられるんじゃあ…って思ったのですよ。にゃおも最初はちょっと恥ずかしくてイロイロと言い訳したりなんかしましたし。そういうのに使えるかなって(笑)
さてさて、いつも「よかったよ♪」やFC2ブログランキングへのぽちっと☆ありがとうございますv こんな辛気臭いお話読みにきてくださって本当にありがとうございます!そしてすみません!!
がんばります!!
いつのまにか越えてました、記念の100万ひっと。うー、キリ番リクエスト、とかやってみたかったのにーっ(;-;)残念ですー。
ということで久し振りに日記でも。と言っても、ここ最近『忙しい』とか『疲れた』みたいな言葉しか口に出ない有様で。背中が痛いのがなかなか治らないし、お腹も壊してるし、なんだかダルいし。ダーリンも調子悪いみたいで、だからエッチしてないし。
それに、今連載している番外編は暗いしー。なんだかもう散々です、ううう(T-T)
あ、勿論このままじゃないですから。ちゃんとシズくんはえっちいことする気まんまんですから。ご安心くださいなv
なんだか疲れた疲れたって言ってますけれど、いいこともありましたよ♪
といっても注文していたラブコスメティックの福袋が届いたのだけなのですけれど。
でも、前々からそのうち欲しいなーとは思ってたけど、悩んでいるうちに廃盤になっちゃったみたい…?ってものが入っててすごく嬉しかったですvピンクローター入ってましたしねvv
というかね。うん。これ、ちょっと思ったことなんですけど。
『福袋に入ってたのー』って言えば、さりげなく彼氏サンにラブグッズとか見せられるんじゃあ…って思ったのですよ。にゃおも最初はちょっと恥ずかしくてイロイロと言い訳したりなんかしましたし。そういうのに使えるかなって(笑)
さてさて、いつも「よかったよ♪」やFC2ブログランキングへのぽちっと☆ありがとうございますv こんな辛気臭いお話読みにきてくださって本当にありがとうございます!そしてすみません!!
がんばります!!
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2007年01月10日 (水)
部屋が暖まるまでは動きたくないけれど、そうも言ってはいられない。朝をのんびり過ごせるほど早起きの習慣はないのだから当然だろう。まだ半分ほども眠っているような頭を引きずりながら起き上がる。
「どうしたの、こんな朝から」
携帯電話を押し当てる耳を左から右へと移動させながらクローゼットを押し開けた。
事務仕事がメインのわたしは特にお洒落をする必要はないけれど、それでも全く人に会わないと言うわけでもない。社会人として、誰に見られても問題のない程度の格好はしなければならない。バーゲンでまとめ買いしたスカートの中からグレイのプリーツと、シンプルな衿の白いブラウスとを頭の中で組み合わせて一つ頷き、片手で引っ張り出してクローゼットを閉める。続いて、ローチェストから下着一揃いを取り出した。最近流行りのウォームビズのお陰で、冬の肌着は笑いがこみ上げてくるほど分厚い。
「え、いや、その。特に何がってわけじゃないんだけど」
戸惑ったような響きが曖昧な笑い声を伝える。
「ただ、おはようって言いたくて。えっと、今日も頑張ってね」
「う、うん」
普段よりかすれた声と遠くに響くラジオの声に、通話口を痛みを感じるほどに強く耳に押し当てた。その隙間に聞こえた、低くこもったセキのような音に眉をひそめる。
「どうしたの? 風邪?」
「あー、いや、大丈夫。そういうんでもないと思う」
はは、と乾いた笑いを響かせて、彼はわざとのように明るく言う。
「えーと、単なるタバコの吸いすぎ、かな」
それでも言葉の合間にはごほっと聞こえてくる。
-つづく-
「どうしたの、こんな朝から」
携帯電話を押し当てる耳を左から右へと移動させながらクローゼットを押し開けた。
事務仕事がメインのわたしは特にお洒落をする必要はないけれど、それでも全く人に会わないと言うわけでもない。社会人として、誰に見られても問題のない程度の格好はしなければならない。バーゲンでまとめ買いしたスカートの中からグレイのプリーツと、シンプルな衿の白いブラウスとを頭の中で組み合わせて一つ頷き、片手で引っ張り出してクローゼットを閉める。続いて、ローチェストから下着一揃いを取り出した。最近流行りのウォームビズのお陰で、冬の肌着は笑いがこみ上げてくるほど分厚い。
「え、いや、その。特に何がってわけじゃないんだけど」
戸惑ったような響きが曖昧な笑い声を伝える。
「ただ、おはようって言いたくて。えっと、今日も頑張ってね」
「う、うん」
普段よりかすれた声と遠くに響くラジオの声に、通話口を痛みを感じるほどに強く耳に押し当てた。その隙間に聞こえた、低くこもったセキのような音に眉をひそめる。
「どうしたの? 風邪?」
「あー、いや、大丈夫。そういうんでもないと思う」
はは、と乾いた笑いを響かせて、彼はわざとのように明るく言う。
「えーと、単なるタバコの吸いすぎ、かな」
それでも言葉の合間にはごほっと聞こえてくる。
-つづく-
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2007年01月11日 (木)
「本当に大丈夫?」
「大丈夫大丈夫。昨日、一晩で一箱空けちゃったからさ、それだけ」
彼の体調は心配だけれど『昨日』の言葉に黙ってしまう。一晩かけて消えかけていた小さな火が、うちわで煽がれたようにふわりと大きくなる。それが伝わったのだろう、彼は慌てた声で言葉を繋いだ。
「あ、いや、昨日はごめんなさい。俺が悪いのはわかってる。ごめん。本当にごめん」
謝るくらいなら、最初からしないで欲しい。
わたしと約束したのが先なのだから、わたしのことを優先して欲しい。
彼に事情があることを理解した上でお付き合いを続けているのだから、それを言ってはいけないことくらいはわかっていたけれど。
「あのね、シズくん」
言いかけて、けれど何を言っていいのかわからなくて口をつぐむ。彼はわたしが話すのを待っているようだった。時間が沈黙に変化して、ゆっくりと積もって行く。どうしていいのかわからないまま首を巡らせるように視線を回して、ふと壁の時計を見上げた。指し示す針の方向を確認してぴきっと凍り付く。いつのまにか十五分以上が過ぎていた。
毎朝、化粧水とクリームと、そして口紅を塗る程度で化粧を済ませるわたしでも、朝の三十分はギリギリの時間だ。普段通りに行動していても余裕がないのと言うのに、のんびりと電話をしていたのだから、こうなるのも無理のないことだった。これでは遅刻一直線だ。とりあえず朝食抜きだけは決定だろう。
「あの、シズくん。ごめん、わたし急ぐから……」
電話を切るよと言いかけて、奇妙な違和感を覚えた。受話器から聞こえてくる彼の息遣いがおかしい。はぁはぁと荒い息はセックスの最中にも似ているけれど、そんな艶っぽい雰囲気はなかった。どちらかと言うと病気の、特に風邪を引いて熱が出たときのような……って、ええっ?
「ちょ、ちょっと、シズくんっ?」
思わず叫んだのとほぼ同時に、玄関でガタンと大きな音がした。
-つづく-
「大丈夫大丈夫。昨日、一晩で一箱空けちゃったからさ、それだけ」
彼の体調は心配だけれど『昨日』の言葉に黙ってしまう。一晩かけて消えかけていた小さな火が、うちわで煽がれたようにふわりと大きくなる。それが伝わったのだろう、彼は慌てた声で言葉を繋いだ。
「あ、いや、昨日はごめんなさい。俺が悪いのはわかってる。ごめん。本当にごめん」
謝るくらいなら、最初からしないで欲しい。
わたしと約束したのが先なのだから、わたしのことを優先して欲しい。
彼に事情があることを理解した上でお付き合いを続けているのだから、それを言ってはいけないことくらいはわかっていたけれど。
「あのね、シズくん」
言いかけて、けれど何を言っていいのかわからなくて口をつぐむ。彼はわたしが話すのを待っているようだった。時間が沈黙に変化して、ゆっくりと積もって行く。どうしていいのかわからないまま首を巡らせるように視線を回して、ふと壁の時計を見上げた。指し示す針の方向を確認してぴきっと凍り付く。いつのまにか十五分以上が過ぎていた。
毎朝、化粧水とクリームと、そして口紅を塗る程度で化粧を済ませるわたしでも、朝の三十分はギリギリの時間だ。普段通りに行動していても余裕がないのと言うのに、のんびりと電話をしていたのだから、こうなるのも無理のないことだった。これでは遅刻一直線だ。とりあえず朝食抜きだけは決定だろう。
「あの、シズくん。ごめん、わたし急ぐから……」
電話を切るよと言いかけて、奇妙な違和感を覚えた。受話器から聞こえてくる彼の息遣いがおかしい。はぁはぁと荒い息はセックスの最中にも似ているけれど、そんな艶っぽい雰囲気はなかった。どちらかと言うと病気の、特に風邪を引いて熱が出たときのような……って、ええっ?
「ちょ、ちょっと、シズくんっ?」
思わず叫んだのとほぼ同時に、玄関でガタンと大きな音がした。
-つづく-
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2007年01月12日 (金)
「全く、何考えてんのよっ!」
この朝の忙しいときに、とはさすがに言えなかった。
「こんなことして、本当に、もうっ!」
怒りとも心配ともつかない感情に声を荒げてしまう。
玄関ドアの向こうで、携帯電話を握りしめたまま蒼白でドアにもたれていた彼を発見したときには口から飛び出るかと思った心臓の動きは、その名残を引きずりながらも、なんとか普段通りに話すことができる程度には収まった。冷え切った大きな身体を抱き起こすと、上品なスーツからはきついタバコとかすかな香水のにおいがした。
「ごめんなさい」
よろりという擬態語が一番相応しい様子で、彼は額を押さえながらゆっくりと起き上がった。わたしに手を引かれるまま、ふらふらと部屋へと入ってくる。
「大丈夫? 気をつけてね」
言いながら、コンクリートで作られた狭い玄関で靴を脱ぐ彼の肩を支えた。彼は飛び抜けて身長が高いわけでもなく、しかもどちらかと言えば細身だけれど、それでも女の力では心許ない。ゆらりと揺れるたびに肩が壁にぶつかって、ごつりと重い音を立てる。
「で、いつからあそこにいたの。もしかして、あれからずっと?」
「いや、ちょっとは車の中で寝たんだけど」
弱々しく笑う彼に、昨晩とは違う種類の怒りが込み上げてくる。
「バッカじゃないの!」
「はい。すみません」
申し訳なさそうに頭を垂れる彼の姿に唇を噛んだ。
そこにいたのならそうと、電話をするなりなんなり、方法はあるだろう。いくら怒っていたと言っても、わたしもそこまで鬼ではないのだ。コートもなしに十一月の寒空にあんな風通しのいいところで夜明かしをするなんて、寝込みたいですと天に訴えているのと同じだ。子どもでも気がつきそうなものだ。それさえ考えないなんて、本気でバカなんじゃないだろうか。そう腹立たしく思うと同時に、自分がそこまで彼を追い詰めたのかもしれないとの反省も浮かぶ。
-つづく-
この朝の忙しいときに、とはさすがに言えなかった。
「こんなことして、本当に、もうっ!」
怒りとも心配ともつかない感情に声を荒げてしまう。
玄関ドアの向こうで、携帯電話を握りしめたまま蒼白でドアにもたれていた彼を発見したときには口から飛び出るかと思った心臓の動きは、その名残を引きずりながらも、なんとか普段通りに話すことができる程度には収まった。冷え切った大きな身体を抱き起こすと、上品なスーツからはきついタバコとかすかな香水のにおいがした。
「ごめんなさい」
よろりという擬態語が一番相応しい様子で、彼は額を押さえながらゆっくりと起き上がった。わたしに手を引かれるまま、ふらふらと部屋へと入ってくる。
「大丈夫? 気をつけてね」
言いながら、コンクリートで作られた狭い玄関で靴を脱ぐ彼の肩を支えた。彼は飛び抜けて身長が高いわけでもなく、しかもどちらかと言えば細身だけれど、それでも女の力では心許ない。ゆらりと揺れるたびに肩が壁にぶつかって、ごつりと重い音を立てる。
「で、いつからあそこにいたの。もしかして、あれからずっと?」
「いや、ちょっとは車の中で寝たんだけど」
弱々しく笑う彼に、昨晩とは違う種類の怒りが込み上げてくる。
「バッカじゃないの!」
「はい。すみません」
申し訳なさそうに頭を垂れる彼の姿に唇を噛んだ。
そこにいたのならそうと、電話をするなりなんなり、方法はあるだろう。いくら怒っていたと言っても、わたしもそこまで鬼ではないのだ。コートもなしに十一月の寒空にあんな風通しのいいところで夜明かしをするなんて、寝込みたいですと天に訴えているのと同じだ。子どもでも気がつきそうなものだ。それさえ考えないなんて、本気でバカなんじゃないだろうか。そう腹立たしく思うと同時に、自分がそこまで彼を追い詰めたのかもしれないとの反省も浮かぶ。
-つづく-
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2007年01月12日 (金)
おはようございます、にゃおです☆
にゃおとダーリンの体調不良もなんとか峠を越えたっぽい感じで、昨日久し振りにえっちしましたvそんでね、そのときにこないだの福袋に入っていた[AD-IMG]フレテ を付けたんですけど。これね、オトコの人的に結構いい感じの匂いなんですって! にゃお、産まれて初めて指にキスされちゃいました!!
お言葉いただきましたv
『今年もしず君とみゆきさんで始まった一年☆ 難産でしょうががんばって下さい♪』
リンさんですね、あらためましてお言葉ありがとうございますvとっても嬉しいですvv
難産…難産です……(;_;)
読んでくださってるみなさんも暗くて読みにくいだろうなーと思うのです。本当にごめんなさい(T-T)
こういうの、みなさんちゃんと反応されるんだなーとしみじみ思うのですよ。だってこれまでと比べて「よかったよ♪」の数がものすごーーく少ないんですものっ!(T∇T)いやでも、暗いからダメって言うんじゃないと思うので、にゃおに暗い場面を書ききる力がないんだろうなーって。書いてる方としてはなんとか暗い部分は通り抜けたので、みなさんにとってもラクになるんじゃないかなーと。どうぞ、ご安心くださいねv
あと、「花を召しませ」を終話までまとめ読みサイトにUPしました☆
またじっくりゆっくり読み返したいなあって思ったときにでも利用してやってくださいなv
プッシーキャットテイル
花を召しませ 第一話/第三十六話
そしていつも「よかったよ♪」やランキングへのぽちっとありがとうございますv がんばりますので、これからもどうぞよろしくお願いします♪
にゃおとダーリンの体調不良もなんとか峠を越えたっぽい感じで、昨日久し振りにえっちしましたvそんでね、そのときにこないだの福袋に入っていた[AD-IMG]
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『今年もしず君とみゆきさんで始まった一年☆ 難産でしょうががんばって下さい♪』
リンさんですね、あらためましてお言葉ありがとうございますvとっても嬉しいですvv
難産…難産です……(;_;)
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こういうの、みなさんちゃんと反応されるんだなーとしみじみ思うのですよ。だってこれまでと比べて「よかったよ♪」の数がものすごーーく少ないんですものっ!(T∇T)いやでも、暗いからダメって言うんじゃないと思うので、にゃおに暗い場面を書ききる力がないんだろうなーって。書いてる方としてはなんとか暗い部分は通り抜けたので、みなさんにとってもラクになるんじゃないかなーと。どうぞ、ご安心くださいねv
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花を召しませ 第一話/第三十六話
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2007年01月13日 (土)
彼には彼の立場があるのだから、もっとおおらかにその行動を見守るべきだったのだ。おそらくは、嫉妬で目がくらんでいたのだろう。それはそれで仕方のないことだとも思うのは、自分に甘いのかもしれないけれど。
「そのままじゃ眠れないわよね。これに着替えて」
肩を押さえて彼をベッドに座らせ、ローチェストの一番下の引出しからジャージタイプのパジャマを引っ張り出した。それを視界の端で確認したらしき彼の眼がわずかに見開かれる。その理由は明らかだったけれど、わたしは気付かない顔をした。
「ごめんね、これくらいしか着れそうなサイズないから」
「え、あ、うん。ありがと」
口ごもりながらも礼を言う彼の手に、畳んだままの服を押し付ける。
ブロッサムピンクにグレイの二本ラインはわたしのお気に入りだけれど、男性には抵抗のある色だろう。それでもこの際致し方ないものだと諦めてもらう。引出しの中には他にもいくつか入っていて、その中には男性が着ても違和感のない色合いのものもあるのだけれど、今はそのことに思いつかない振りをする。少し弱っている彼相手でもこれくらいの仕返しは許されるだろう。
「とりあえず、それ脱いで」
言葉の流れのままに、タバコとお酒と香水のにおいの染み付いた上着を脱がせる。続きのようにシャツのボタンに指をかけると、彼の慌てた手がわたしを止めた。
「いや、大丈夫。自分でする、から」
「そう? じゃあよろしく。わたし遅刻しそうだから」
先ほど選んでおいた服を持って台所へ行き、部屋の隅で手早く着替えた。置き薬のボックスと、冷蔵庫から取り出した強壮ドリンクと、二リットルのミネラルウォータのボトルをローチェストの上にどんと置いて、鞄を持つ。
「悪いけど、自分でその中から薬選んで。わたし、もう行くから」
上半身裸のまま曖昧に頷く彼を横目に、足早に部屋を出た。
彼の体調はとても気になるけれど、やはり仕事が優先だ。彼氏が風邪を引いたみたいなので休みをくださいなどと上司に言えるものではない。みんなにも迷惑をかけることになる。
そんなことばかりを気にする自分の生真面目さに溜息が出た。
-つづく-
「そのままじゃ眠れないわよね。これに着替えて」
肩を押さえて彼をベッドに座らせ、ローチェストの一番下の引出しからジャージタイプのパジャマを引っ張り出した。それを視界の端で確認したらしき彼の眼がわずかに見開かれる。その理由は明らかだったけれど、わたしは気付かない顔をした。
「ごめんね、これくらいしか着れそうなサイズないから」
「え、あ、うん。ありがと」
口ごもりながらも礼を言う彼の手に、畳んだままの服を押し付ける。
ブロッサムピンクにグレイの二本ラインはわたしのお気に入りだけれど、男性には抵抗のある色だろう。それでもこの際致し方ないものだと諦めてもらう。引出しの中には他にもいくつか入っていて、その中には男性が着ても違和感のない色合いのものもあるのだけれど、今はそのことに思いつかない振りをする。少し弱っている彼相手でもこれくらいの仕返しは許されるだろう。
「とりあえず、それ脱いで」
言葉の流れのままに、タバコとお酒と香水のにおいの染み付いた上着を脱がせる。続きのようにシャツのボタンに指をかけると、彼の慌てた手がわたしを止めた。
「いや、大丈夫。自分でする、から」
「そう? じゃあよろしく。わたし遅刻しそうだから」
先ほど選んでおいた服を持って台所へ行き、部屋の隅で手早く着替えた。置き薬のボックスと、冷蔵庫から取り出した強壮ドリンクと、二リットルのミネラルウォータのボトルをローチェストの上にどんと置いて、鞄を持つ。
「悪いけど、自分でその中から薬選んで。わたし、もう行くから」
上半身裸のまま曖昧に頷く彼を横目に、足早に部屋を出た。
彼の体調はとても気になるけれど、やはり仕事が優先だ。彼氏が風邪を引いたみたいなので休みをくださいなどと上司に言えるものではない。みんなにも迷惑をかけることになる。
そんなことばかりを気にする自分の生真面目さに溜息が出た。
-つづく-
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2007年01月13日 (土)
おはようございます、にゃおです☆
えーっとね、愚痴っちゃってごめんなさい!
んと、そういうつもりは全然なかったんですけど、結果としてみると誘い受けっぽくなっちゃってて。受信メールボックス開けた途端すごい数の「よかったよ♪」があってびっくりしちゃいました!本当にありがとうっ!みんな大好きっ!!
でも中には「うわ、にゃおってウザっ」とか思われた方もいらっしゃるかなと思うと、ホント申し訳ないです(;_;)えーっと、にゃおは全然イジけてないですし、続きもちゃんと書くつもりありますので、もしもまた気が向いたならどうか読みに来て下さい!
ということで、頂いたお言葉へ返信ですv
『にゃおさんは「花を・・・」を難産だとおっしゃってますが、私はこの作品が一番好きです。 他の作品より人間味のある作品だと思います。』
はじめましてです、うさぎさん。そして、ありがとうございますっ!!(><。)そんなふうに言っていただけるなんて、本当ににゃおは幸せです!
美雪さんは本当にある意味ですごく『普通』で、だからこそ誰の中にも似た部分があって、それで読者さまにも共感していただけるのかなって思うのですよ。そういうのが好きだから、華麗で素敵でゴージャスな話はにゃおにはきっと書けないだろうなーって。えっと、庶民派?(笑)
えっちしーんは「ちょっと過激?でもこれくらいならアリっていうか、むしろ一回経験してみたいかも…?(*^^*)」くらいの感じを心がけてますv
『本当にシズくんみたいな彼氏が欲しい~~!! 』
ありがとうございます、リンさん! シズくん気に入っていただけて、とっても嬉しいですv でもこんな彼氏だと大変だと思うんですけどねー(笑)ボタンに関しての慰めのお言葉もありがとうございますv
そして、きゃー「フレテ」仲間だあっ! ね、素敵な匂いですよねvこの時期って手が乾燥しやすいのですごく重宝してます♪
そしてたくさんの「よかったよ♪」ありがとうございます!
はい、にゃおは頑張ります!もう泣かないですよっ!!(≧ο≦)/
えーっとね、愚痴っちゃってごめんなさい!
んと、そういうつもりは全然なかったんですけど、結果としてみると誘い受けっぽくなっちゃってて。受信メールボックス開けた途端すごい数の「よかったよ♪」があってびっくりしちゃいました!本当にありがとうっ!みんな大好きっ!!
でも中には「うわ、にゃおってウザっ」とか思われた方もいらっしゃるかなと思うと、ホント申し訳ないです(;_;)えーっと、にゃおは全然イジけてないですし、続きもちゃんと書くつもりありますので、もしもまた気が向いたならどうか読みに来て下さい!
ということで、頂いたお言葉へ返信ですv
『にゃおさんは「花を・・・」を難産だとおっしゃってますが、私はこの作品が一番好きです。 他の作品より人間味のある作品だと思います。』
はじめましてです、うさぎさん。そして、ありがとうございますっ!!(><。)そんなふうに言っていただけるなんて、本当ににゃおは幸せです!
美雪さんは本当にある意味ですごく『普通』で、だからこそ誰の中にも似た部分があって、それで読者さまにも共感していただけるのかなって思うのですよ。そういうのが好きだから、華麗で素敵でゴージャスな話はにゃおにはきっと書けないだろうなーって。えっと、庶民派?(笑)
えっちしーんは「ちょっと過激?でもこれくらいならアリっていうか、むしろ一回経験してみたいかも…?(*^^*)」くらいの感じを心がけてますv
『本当にシズくんみたいな彼氏が欲しい~~!! 』
ありがとうございます、リンさん! シズくん気に入っていただけて、とっても嬉しいですv でもこんな彼氏だと大変だと思うんですけどねー(笑)ボタンに関しての慰めのお言葉もありがとうございますv
そして、きゃー「フレテ」仲間だあっ! ね、素敵な匂いですよねvこの時期って手が乾燥しやすいのですごく重宝してます♪
そしてたくさんの「よかったよ♪」ありがとうございます!
はい、にゃおは頑張ります!もう泣かないですよっ!!(≧ο≦)/
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2007年01月15日 (月)
通勤途中の駅の売店で朝まとめて買った物の中から、残っていた梅のおにぎりとクリームパンと言う簡素な昼食を摂りながらかけた電話の声で、彼が快方に向かっている気配はあったけれど、それでもさすがに残業をする気にはなれなかった。少し体調が悪いからと嘘をついて定時に会社を出る。駅からの帰り道にある、普段はあまり寄らないスーパーで、卵と牛乳とドリンク剤を仕入れて足早に部屋へと帰った。
こういうとき、料理上手な人が羨ましくなる。風邪で弱った彼に、お腹に優しくそれでいて美味しい料理を作ることができれば、『意外にも家庭的なところがあって』と言う、女としてはオイシイ評価がもらえる。けれどそれは、全く料理ができないわけではないけれど自慢するほどの腕では決してないわたしには、ハードルの高い課題だ。
「本を見ながらなら、なんとか作れなくもないんだけど」
けれどそれではまるで、調理実習中の学生だ。家庭的という印象からは遠くかけ離れている。
「得意料理はカレーライスです、なんて、小学生のキャンプじゃないんだから」
自分が情けない。
それでもお粥くらいは作ることができる。溶き卵を流し入れれば、少なくとも見た目だけは美味しそうになる。味付けは、ごく少量の塩を入れておくだけでいいし、足りなければ彼に自分で醤油なりと入れてもらえばいいのだ。そう思い、一つ頷いた。
うん、いいアイデア。
ただ、その程度でも家庭的だとアピールできるかとか、こういう事態に備えて今年こそ料理学校へ通おうかなどと埒もなく考えながら、家への道のりを辿った。
「ただいまー」
「あ、お帰り。お疲れさま」
鍵を回してドアを開けるのとほぼ同時に、玄関の脇の小さな台所から彼がひょいと顔を覗かせる。手には三センチほど水の残ったカットグラスを持っていて、どうやら薬を飲み終えたところのようだった。
「ちょっとは元気になった、みたい?」
「うん。もうすっかり」
グラスを置きながら彼は笑った。
-つづく-
こういうとき、料理上手な人が羨ましくなる。風邪で弱った彼に、お腹に優しくそれでいて美味しい料理を作ることができれば、『意外にも家庭的なところがあって』と言う、女としてはオイシイ評価がもらえる。けれどそれは、全く料理ができないわけではないけれど自慢するほどの腕では決してないわたしには、ハードルの高い課題だ。
「本を見ながらなら、なんとか作れなくもないんだけど」
けれどそれではまるで、調理実習中の学生だ。家庭的という印象からは遠くかけ離れている。
「得意料理はカレーライスです、なんて、小学生のキャンプじゃないんだから」
自分が情けない。
それでもお粥くらいは作ることができる。溶き卵を流し入れれば、少なくとも見た目だけは美味しそうになる。味付けは、ごく少量の塩を入れておくだけでいいし、足りなければ彼に自分で醤油なりと入れてもらえばいいのだ。そう思い、一つ頷いた。
うん、いいアイデア。
ただ、その程度でも家庭的だとアピールできるかとか、こういう事態に備えて今年こそ料理学校へ通おうかなどと埒もなく考えながら、家への道のりを辿った。
「ただいまー」
「あ、お帰り。お疲れさま」
鍵を回してドアを開けるのとほぼ同時に、玄関の脇の小さな台所から彼がひょいと顔を覗かせる。手には三センチほど水の残ったカットグラスを持っていて、どうやら薬を飲み終えたところのようだった。
「ちょっとは元気になった、みたい?」
「うん。もうすっかり」
グラスを置きながら彼は笑った。
-つづく-
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2007年01月15日 (月)
ひさしぶりのラブコスメ使用感想ですv
■[AD-IMG]ヌレヌレ・ベリーラブリーキッス
これね、すごいです。三本セットが売れてるって言うのすごーくわかります。定番になって、お願いだからっ!って感じです。
なんというか、甘酸っぱい香りがすごくいい感じなのですよ。ホッとするというか、そんな感じ。にゃおね、今まで『期間限定でいろんなの出て、それはそれなりにイイけど、やっぱり[AD-IMG]ヌレヌレ・スウィートキッス が一番だね』って思ってたのですけれど。ううん、これがいいって。ベリーラブリー最高っ☆
超オススメですっ☆
■[AD-IMG]シャイニングベリーローション (¥2980)
ええとですね。こっちもすごいです。このシリーズは[AD-IMG]ショコラローション も[AD-IMG]シャイニング・ラブローション も両方使ったのですけれど、ベリーローションが一番でした。
香りがすごいの。すごくいいの。ベリーラブリーキッスと同じ匂いにうっとりしちゃいます♪
これも是非定番化して欲しい商品ですっ!
■[AD-IMG]ラブ・スウィート・タッチ (¥3500)
これはですね、福袋に入っていたものなのですけれどダーリンのイチオシなのです。
ちょっとえっちなツボマッサージコメントの書かれた小さなパンフ見ながら、二人で押しっこしていたのですけれど、ジェルのぽかぽか感が幸せ気分なのですv
それになんと言ってもコミュニケーションですよ♪えっちってエッチ行為そのものだけじゃなくって、こうやって互いの肌に触れることから始まるのかなーって、今回しみじみ思いました☆
あとちょっと、これは効果なのかどうかわからないのですけれど。押して三時間後くらいですかね、ものすごいトイレに行きたくなって慌てて駆け込んだんです。もう『どこにいままで居たの、あなたたちっ!』って聞きたくなるくらいすごい量のおしっこが!にゃおこんなに水分とってないよ!って…汚い話題でごめんなさい(^^;)もしかしたらむくみとかにも効くのかなあ?
サイト内の扱いとか見ると、どちらかと言うと売れ筋商品って感じじゃないんですけれど…でもホントにいいですから!
今さら言う事でもないですけれど、にゃおがこう感じたってだけですので、商品の保証にも何にもなってないです。にゃおの言葉を信じて買ってみたのに、そんな効果なかったよ、って人はごめんなさい。
でももしも、誰かのお役に立てたら…いいなー……
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ちょっとえっちなツボマッサージコメントの書かれた小さなパンフ見ながら、二人で押しっこしていたのですけれど、ジェルのぽかぽか感が幸せ気分なのですv
それになんと言ってもコミュニケーションですよ♪えっちってエッチ行為そのものだけじゃなくって、こうやって互いの肌に触れることから始まるのかなーって、今回しみじみ思いました☆
あとちょっと、これは効果なのかどうかわからないのですけれど。押して三時間後くらいですかね、ものすごいトイレに行きたくなって慌てて駆け込んだんです。もう『どこにいままで居たの、あなたたちっ!』って聞きたくなるくらいすごい量のおしっこが!にゃおこんなに水分とってないよ!って…汚い話題でごめんなさい(^^;)もしかしたらむくみとかにも効くのかなあ?
サイト内の扱いとか見ると、どちらかと言うと売れ筋商品って感じじゃないんですけれど…でもホントにいいですから!
今さら言う事でもないですけれど、にゃおがこう感じたってだけですので、商品の保証にも何にもなってないです。にゃおの言葉を信じて買ってみたのに、そんな効果なかったよ、って人はごめんなさい。
でももしも、誰かのお役に立てたら…いいなー……
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2007年01月16日 (火)
やはり若いと回復が早い。わたしなら丸一日寝ていなければならないだろう。こういうとき三つの歳の差は大きい。元気になってよかったと笑い返しながら、内心でそんなことを考えるのは年上のひがみ根性だろうか。そんなわたしの心など知らず、彼は明るく頷いてみせる。
「全部、美雪さんのお陰だね。いつもありがと」
「いえいえ。朝はびっくりしたけどね」
そのせいで遅刻しかけたと言ってはさすがに可哀想だろう。彼にそういうつもりはなかったのだろうから。おそらくは、彼のわたしに対する好意が、彼が意図したものとは少しばかり違う方向へ進んでしまっただけなのだ。
「はい、ごめんなさい。迷惑かけました」
おとなしく頭を下げるその様子は、カウンタ内にいるときのぴしっとシャツを着ているときとは雰囲気が随分違って、いかにも年下と言う感じだ。いつもよりぼさついて寝癖のついた髪が、彼を幼く可愛く見せる。けれどそれ以上に可愛いのは、少し丈の足りないピンクのパジャマを着たその姿だ。いけないと思いつつも堪え切れず吹き出してしまう。
「え、なに?」
目を丸くする彼の表情は子どものようで、その可愛さに拍車をかける。
「いや、だって、その格好……」
笑いすぎて息が苦しい。途切れ途切れのわたしの言葉に、彼は唇を尖らせた。その反応にさらに笑いがこみ上げる。
「なんだよー。美雪さんがこれ着ろって言ったんじゃん」
「そりゃ、言ったけど、でも……」
「二十歳過ぎた男が全身ピンクですよ。すごいもんがあるよね」
自分の姿を見おろしながら服の胸元を軽くつまむと、彼は憮然と言った。
普段は、年相応以上に落ち着いた笑みを見せて誰に対しても軽妙に振る舞う彼の、こんなにも飾らない自然な表情を知るのは、わたし以外に何人くらいいるだろう。もしかしたら『あの人』も知らないのかもしれない。そう考えるのは、くだらない優越感なのかもしれないけれど。
-つづく-
「全部、美雪さんのお陰だね。いつもありがと」
「いえいえ。朝はびっくりしたけどね」
そのせいで遅刻しかけたと言ってはさすがに可哀想だろう。彼にそういうつもりはなかったのだろうから。おそらくは、彼のわたしに対する好意が、彼が意図したものとは少しばかり違う方向へ進んでしまっただけなのだ。
「はい、ごめんなさい。迷惑かけました」
おとなしく頭を下げるその様子は、カウンタ内にいるときのぴしっとシャツを着ているときとは雰囲気が随分違って、いかにも年下と言う感じだ。いつもよりぼさついて寝癖のついた髪が、彼を幼く可愛く見せる。けれどそれ以上に可愛いのは、少し丈の足りないピンクのパジャマを着たその姿だ。いけないと思いつつも堪え切れず吹き出してしまう。
「え、なに?」
目を丸くする彼の表情は子どものようで、その可愛さに拍車をかける。
「いや、だって、その格好……」
笑いすぎて息が苦しい。途切れ途切れのわたしの言葉に、彼は唇を尖らせた。その反応にさらに笑いがこみ上げる。
「なんだよー。美雪さんがこれ着ろって言ったんじゃん」
「そりゃ、言ったけど、でも……」
「二十歳過ぎた男が全身ピンクですよ。すごいもんがあるよね」
自分の姿を見おろしながら服の胸元を軽くつまむと、彼は憮然と言った。
普段は、年相応以上に落ち着いた笑みを見せて誰に対しても軽妙に振る舞う彼の、こんなにも飾らない自然な表情を知るのは、わたし以外に何人くらいいるだろう。もしかしたら『あの人』も知らないのかもしれない。そう考えるのは、くだらない優越感なのかもしれないけれど。
-つづく-
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2007年01月17日 (水)
「なに、これってやっぱ罰なワケ?」
困ったように曖昧に笑いながら、彼は頭をカリカリと掻いた。
「うーん、まあ、そうかな?」
爆発的な笑いはなんとか収まったけれど、口元にはどうしても残る。笑いすぎて固まったあごから頬を右手でマッサージしながら、もう片方の手で首に巻きついたニットのマフラーを解き始めると、彼が手を伸ばしてきた。マフラーを引き抜くのを手伝ってくれる、優しい仕草。
「あー、やっぱりねー。そうじゃないかなって思った」
「ん、大丈夫。シズくん似合ってるよ。可愛い。――あ、ありがとう」
ボタンを外したコートを両肩からぽふっと抜き取ってもらいながら振り返ると、唇を尖らせた彼の表情とぶつかる。
「嘘だ、こんなの男が似合うわけないじゃん。んっとに、もうー」
「そんなことないって。すごく似合ってるって」
コートをハンガーに掛けてくれる彼のキュートな後ろ姿に不適切な返答を返しながら、買ってきたナイロン袋の中身を冷蔵庫にしまった。次いで、トートバッグからケータイと三センチほど残ったお茶のペットボトルを取り出す。テーブルにペットボトルを置いたその瞬間、大きな手のひらがわたしの手を包み込むように握った。驚いて顔を上げると、すぐ間近に彼の悪戯っぽいまなざしがあった。
「ホント、ひどいよな、美雪さんって。俺をからかって、そんなに楽しい?」
妙にキラキラした目を楽しそうに細めながら彼は低く笑った。その見覚えのある笑みに思わず身構える。けれど身体を引くよりも早く、腕の中に抱き寄せられた。
「俺は、こんなに愛してるのに」
囁くような声と同時に耳に押し当てられた唇に、どくんとこめかみが疼いた。なまめかしい記憶に繋がるような状況に、心臓が勝手にその動きを早めて行く。
-つづく-
困ったように曖昧に笑いながら、彼は頭をカリカリと掻いた。
「うーん、まあ、そうかな?」
爆発的な笑いはなんとか収まったけれど、口元にはどうしても残る。笑いすぎて固まったあごから頬を右手でマッサージしながら、もう片方の手で首に巻きついたニットのマフラーを解き始めると、彼が手を伸ばしてきた。マフラーを引き抜くのを手伝ってくれる、優しい仕草。
「あー、やっぱりねー。そうじゃないかなって思った」
「ん、大丈夫。シズくん似合ってるよ。可愛い。――あ、ありがとう」
ボタンを外したコートを両肩からぽふっと抜き取ってもらいながら振り返ると、唇を尖らせた彼の表情とぶつかる。
「嘘だ、こんなの男が似合うわけないじゃん。んっとに、もうー」
「そんなことないって。すごく似合ってるって」
コートをハンガーに掛けてくれる彼のキュートな後ろ姿に不適切な返答を返しながら、買ってきたナイロン袋の中身を冷蔵庫にしまった。次いで、トートバッグからケータイと三センチほど残ったお茶のペットボトルを取り出す。テーブルにペットボトルを置いたその瞬間、大きな手のひらがわたしの手を包み込むように握った。驚いて顔を上げると、すぐ間近に彼の悪戯っぽいまなざしがあった。
「ホント、ひどいよな、美雪さんって。俺をからかって、そんなに楽しい?」
妙にキラキラした目を楽しそうに細めながら彼は低く笑った。その見覚えのある笑みに思わず身構える。けれど身体を引くよりも早く、腕の中に抱き寄せられた。
「俺は、こんなに愛してるのに」
囁くような声と同時に耳に押し当てられた唇に、どくんとこめかみが疼いた。なまめかしい記憶に繋がるような状況に、心臓が勝手にその動きを早めて行く。
-つづく-
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2007年01月18日 (木)
おはようございます、にゃおです☆
昨日人参の皮を剥いていて親指ざっくり切りましたあっ☆って嬉しそうに言うようなことじゃないんですけれど(≧v≦)
結構深く切っちゃったみたいで、貼ったばんそうこうの隙間からだーらだら血が出てきて、ちょっとびっくりしました。あんまりにもすごくて面白いんでダーリンに写メ送ったとかねv
……怒られましたけど。
さてさて、お言葉頂きましたー……って、でもこれ今日届いたんですけれど、日付けを見ると16日なんですよね!ちょっとこういうの困りますよーって思いました。メールフォームは無料でお借りしているものなので、多少のことは仕方ないのですけれど。
お返事遅くなってごめんなさいです。ぺこり。
『私もベリーラブリーキッス最高に好きです♪ 』
わぁい、ありがとうございます、リンさん☆
ですよね、[AD-IMG]ベリーラブリーキッス って最高だとにゃおは思うわけなのですよv抹茶くず湯みたいに定番化してくれないかなー。絶対に人気あると思うんですけど。
体験談も載ってたんですね、すごいーっ。そういうのって素敵ですよねーっ。
「花を召しませ」は、えっちいシーンまであともうちょっとかかっちゃうのです。ごめんなさい。
早くエッチできるようにっていろいろ削ったりとかしたのですけれど、ここはやっぱり女の子として気にしないわけはないよね、ってカンジで。
早くーって思ってらっしゃる読者さんにはごめんなさい。もうちょっとだけ待ってくださいねv
そしていつも「よかったよ♪」押してくださってありがとうございます。頑張ります!
昨日人参の皮を剥いていて親指ざっくり切りましたあっ☆って嬉しそうに言うようなことじゃないんですけれど(≧v≦)
結構深く切っちゃったみたいで、貼ったばんそうこうの隙間からだーらだら血が出てきて、ちょっとびっくりしました。あんまりにもすごくて面白いんでダーリンに写メ送ったとかねv
……怒られましたけど。
さてさて、お言葉頂きましたー……って、でもこれ今日届いたんですけれど、日付けを見ると16日なんですよね!ちょっとこういうの困りますよーって思いました。メールフォームは無料でお借りしているものなので、多少のことは仕方ないのですけれど。
お返事遅くなってごめんなさいです。ぺこり。
『私もベリーラブリーキッス最高に好きです♪ 』
わぁい、ありがとうございます、リンさん☆
ですよね、[AD-IMG]
体験談も載ってたんですね、すごいーっ。そういうのって素敵ですよねーっ。
「花を召しませ」は、えっちいシーンまであともうちょっとかかっちゃうのです。ごめんなさい。
早くエッチできるようにっていろいろ削ったりとかしたのですけれど、ここはやっぱり女の子として気にしないわけはないよね、ってカンジで。
早くーって思ってらっしゃる読者さんにはごめんなさい。もうちょっとだけ待ってくださいねv
そしていつも「よかったよ♪」押してくださってありがとうございます。頑張ります!
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2007年01月18日 (木)
「意地悪な美雪さんには、仕返ししちゃおうかなあ?」
「あ、ちょっ、ちょっと、ダメだって! シズくん風邪……」
「だから、治ったって。もう元気。すごく元気」
いったい、どっちが意地悪だと言うのか。ざらりと音を流し込みながら、彼は卑猥な仕草で腰を擦り付けた。その言葉どおり、存在を強く主張する彼のものが布越しに押し当てられるのがわかる。
「や、でもダメ! ダメだってっ」
「なんで?」
素直な声音で応えながらも彼の手は器用に素早く動く。簡単にカーディガンが落とされて、その次にとブラウスのボタンを外す指に慌てた。女として、色気ゼロのモコモコ下着を着ていると彼氏に見られるなんて、恥以外のなにものでもない。
「やだ、ダメ! イヤってばイヤっ!」
思わず暴れると、彼は眉をひそめた。
「どしたの美雪さん。もしか、ダメな日?」
「そうじゃ……ないけど」
曖昧な声で答えると、彼は顔をしかめた。わずかな苛立ちが混じったその表情に慌ててしまう。
「えっとね。その、今この下に、その……シャツ、着てて。それでその……」
「シャツ?」
「う、うん」
それ以上は言えなかった。火を噴いたように、あっという間に頬が燃え上がる。けれど真剣なわたしの言葉には、きょとんとした表情だけが返ってくる。たっぷり十秒以上も黙りこくったあと、彼は首を捻りながら眉をひそめて下唇を突き出すように尖らせて――つまりは、変な顔をした。
「それだけ?」
「うん」
深く頷き返すと、彼は何度かパチパチと不自然なまばたきを繰り返した。そのまま遠くへ視線を移してどこかをじっと見つめて、そして彼は盛大に吹き出した。
「なーんだ、そんなことかあ!」
「そんなことって! 重要なのよ、女の子にとっては!」
「や、いや、そうかもしれないんだけどさ」
腹を抱えてまで笑うのは、どうかと思う。
「あー、びっくりした。とうとう嫌われたのかと思った」
びっくりした、ドキドキしたと繰り返しながら、彼はぎゅっとわたしを抱きしめる。その強さに、肺に溜まっていた空気が押し出される。思わず『ぐえっ』とうめくと、彼はそれにも笑った。
「やだ、そんなに笑わないでよっ。すごく恥ずかしいんだからね!」
けれどわたしの必死の訴えにも彼は笑い続けるだけだった。
-つづく-
「あ、ちょっ、ちょっと、ダメだって! シズくん風邪……」
「だから、治ったって。もう元気。すごく元気」
いったい、どっちが意地悪だと言うのか。ざらりと音を流し込みながら、彼は卑猥な仕草で腰を擦り付けた。その言葉どおり、存在を強く主張する彼のものが布越しに押し当てられるのがわかる。
「や、でもダメ! ダメだってっ」
「なんで?」
素直な声音で応えながらも彼の手は器用に素早く動く。簡単にカーディガンが落とされて、その次にとブラウスのボタンを外す指に慌てた。女として、色気ゼロのモコモコ下着を着ていると彼氏に見られるなんて、恥以外のなにものでもない。
「やだ、ダメ! イヤってばイヤっ!」
思わず暴れると、彼は眉をひそめた。
「どしたの美雪さん。もしか、ダメな日?」
「そうじゃ……ないけど」
曖昧な声で答えると、彼は顔をしかめた。わずかな苛立ちが混じったその表情に慌ててしまう。
「えっとね。その、今この下に、その……シャツ、着てて。それでその……」
「シャツ?」
「う、うん」
それ以上は言えなかった。火を噴いたように、あっという間に頬が燃え上がる。けれど真剣なわたしの言葉には、きょとんとした表情だけが返ってくる。たっぷり十秒以上も黙りこくったあと、彼は首を捻りながら眉をひそめて下唇を突き出すように尖らせて――つまりは、変な顔をした。
「それだけ?」
「うん」
深く頷き返すと、彼は何度かパチパチと不自然なまばたきを繰り返した。そのまま遠くへ視線を移してどこかをじっと見つめて、そして彼は盛大に吹き出した。
「なーんだ、そんなことかあ!」
「そんなことって! 重要なのよ、女の子にとっては!」
「や、いや、そうかもしれないんだけどさ」
腹を抱えてまで笑うのは、どうかと思う。
「あー、びっくりした。とうとう嫌われたのかと思った」
びっくりした、ドキドキしたと繰り返しながら、彼はぎゅっとわたしを抱きしめる。その強さに、肺に溜まっていた空気が押し出される。思わず『ぐえっ』とうめくと、彼はそれにも笑った。
「やだ、そんなに笑わないでよっ。すごく恥ずかしいんだからね!」
けれどわたしの必死の訴えにも彼は笑い続けるだけだった。
-つづく-
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