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R18 らぶえっち小説Blog
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花を召しませ・番外編~セクシャルオムレット~ 8
2007年01月12日 (金)
「全く、何考えてんのよっ!」
 この朝の忙しいときに、とはさすがに言えなかった。
「こんなことして、本当に、もうっ!」
 怒りとも心配ともつかない感情に声を荒げてしまう。
 玄関ドアの向こうで、携帯電話を握りしめたまま蒼白でドアにもたれていた彼を発見したときには口から飛び出るかと思った心臓の動きは、その名残を引きずりながらも、なんとか普段通りに話すことができる程度には収まった。冷え切った大きな身体を抱き起こすと、上品なスーツからはきついタバコとかすかな香水のにおいがした。
「ごめんなさい」
 よろりという擬態語が一番相応しい様子で、彼は額を押さえながらゆっくりと起き上がった。わたしに手を引かれるまま、ふらふらと部屋へと入ってくる。
「大丈夫? 気をつけてね」
 言いながら、コンクリートで作られた狭い玄関で靴を脱ぐ彼の肩を支えた。彼は飛び抜けて身長が高いわけでもなく、しかもどちらかと言えば細身だけれど、それでも女の力では心許ない。ゆらりと揺れるたびに肩が壁にぶつかって、ごつりと重い音を立てる。
「で、いつからあそこにいたの。もしかして、あれからずっと?」
「いや、ちょっとは車の中で寝たんだけど」
 弱々しく笑う彼に、昨晩とは違う種類の怒りが込み上げてくる。
「バッカじゃないの!」
「はい。すみません」
 申し訳なさそうに頭を垂れる彼の姿に唇を噛んだ。
 そこにいたのならそうと、電話をするなりなんなり、方法はあるだろう。いくら怒っていたと言っても、わたしもそこまで鬼ではないのだ。コートもなしに十一月の寒空にあんな風通しのいいところで夜明かしをするなんて、寝込みたいですと天に訴えているのと同じだ。子どもでも気がつきそうなものだ。それさえ考えないなんて、本気でバカなんじゃないだろうか。そう腹立たしく思うと同時に、自分がそこまで彼を追い詰めたのかもしれないとの反省も浮かぶ。

 -つづく-
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