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R18 らぶえっち小説Blog
えっちな表現が盛りだくさんにつき、18歳未満&清純派さん回れ右!
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花を召しませ・番外編~セクシャルオムレット~ 10
2007年01月15日 (月)
 通勤途中の駅の売店で朝まとめて買った物の中から、残っていた梅のおにぎりとクリームパンと言う簡素な昼食を摂りながらかけた電話の声で、彼が快方に向かっている気配はあったけれど、それでもさすがに残業をする気にはなれなかった。少し体調が悪いからと嘘をついて定時に会社を出る。駅からの帰り道にある、普段はあまり寄らないスーパーで、卵と牛乳とドリンク剤を仕入れて足早に部屋へと帰った。
 こういうとき、料理上手な人が羨ましくなる。風邪で弱った彼に、お腹に優しくそれでいて美味しい料理を作ることができれば、『意外にも家庭的なところがあって』と言う、女としてはオイシイ評価がもらえる。けれどそれは、全く料理ができないわけではないけれど自慢するほどの腕では決してないわたしには、ハードルの高い課題だ。
「本を見ながらなら、なんとか作れなくもないんだけど」
 けれどそれではまるで、調理実習中の学生だ。家庭的という印象からは遠くかけ離れている。
「得意料理はカレーライスです、なんて、小学生のキャンプじゃないんだから」
 自分が情けない。
 それでもお粥くらいは作ることができる。溶き卵を流し入れれば、少なくとも見た目だけは美味しそうになる。味付けは、ごく少量の塩を入れておくだけでいいし、足りなければ彼に自分で醤油なりと入れてもらえばいいのだ。そう思い、一つ頷いた。
 うん、いいアイデア。
 ただ、その程度でも家庭的だとアピールできるかとか、こういう事態に備えて今年こそ料理学校へ通おうかなどと埒もなく考えながら、家への道のりを辿った。
「ただいまー」
「あ、お帰り。お疲れさま」
 鍵を回してドアを開けるのとほぼ同時に、玄関の脇の小さな台所から彼がひょいと顔を覗かせる。手には三センチほど水の残ったカットグラスを持っていて、どうやら薬を飲み終えたところのようだった。
「ちょっとは元気になった、みたい?」
「うん。もうすっかり」
 グラスを置きながら彼は笑った。

 -つづく-
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