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R18 らぶえっち小説Blog
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花を召しませ・番外編~セクシャルオムレット~ 2
2007年01月03日 (水)
「う~~っ」
 意味もなく低くうなりながらエアコンのスイッチを入れる。去年に引き続き暖冬だとテレビのニュースで言っていたけれど、それでも十一月に入って少し経てばそれなりに寒くなる。昼間はコートが要らなくても、日が落ちてから数時間もすれば暖房なしで部屋に居るのはつらくなる。それが一人の部屋ならばなおさらだった。
 本当なら今日はシズくんと――。
「やめやめっ!」
 ネガティヴに向いかけた思考を声に出して軌道修正すると、左手に下げていたナイロン袋をテーブルに置いた。脱いだコートをいつものハンガーにかけて、寝間着兼部屋着のスウェットスーツに着替えて、カーディガンを羽織りながらテレビをつけた。賑やかな音楽を背にテーブルに戻り、袋の中身を取り出す。十五センチ四方のプラスティック容器に入ったサラダと生成り色のやわらかな紙に包まれたベーグルは、最近流行りの駅地下ショップの、いつもはあまり行かない高級指向デリカショップのテイクアウト品だった。
「いただきます」
 お店でつけてくれた、使い捨てだと思えないくらいにお洒落な木のデザインのフォークを指にはさんで、いつもよりも丁寧に手を合わせてからサラダのパッケージを開けた。
 お店で一番人気というシーフードのコブサラダは、たっぷりのエビとホタテと、無農薬有機肥料にこだわった水菜とレタスがウリだった。しゃきしゃきと口の中で大きな音を立てる野菜は新鮮そのものだ。パプリカとゆで卵の色合いがとても鮮やかなのは、見た目だけでも美味しそうだけれど、実際に食べるともっと美味しい。マヨネーズベースのスパイスの効いたソースがいい感じに濃厚で、少し辛みの残ったたまねぎのスライスによく合う。さすがはテイクアウトサラダのくせに一人前七百円というところだろう。一個二百五十円のクリームチーズのベーグルも、爽やかな酸味とまったり具合が……。
「あー、ダメだー」
 なんで、こんな上等なものを買ったんだろう。
 フォークを手にしたまま頭を抱えて、溜息をついた。
 こんなときだから贅沢しようと奮発したつもりだったけれど、それに反って落ち込みそうだった。いつも食べている、コンビニの二百三十円のコーンサラダと百三十円のおにぎりにすればよかったと心から思う。美味しければ美味しいほど逆に虚しさがつのる。そう言う意味では、今までで最悪の食事だ。
 もう一度大きく溜息をついてから、大口を開けてがぶりとベーグルに噛み付いた。
 さっさと食べてお風呂に入って、もう寝よう。

 -つづく-
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