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2007年01月06日 (土)
起きていても寂しいだけだからと、普段よりも随分早くお風呂に入って、一時間以上も早くベッドにもぐりこんではみたものの、そう簡単に眠れるものでもない。
彼は今頃どこで何をしているのだろうと、そんなことをふと思っては寝返りを打つ。彼女の部屋なのだろうか、それともレストランで食事……?
あー。もう、やだー。
掛け布団を頭まで引き上げて、誰もいないのに誰にも聞かれないようにそっと溜息をついた。
手を伸ばして、枕の横に転がっていた携帯電話を取る。サブディスプレイの数字が、いつのまにか日付けが変わろうとしていることを教えてくれた。眠れないままに時間ばかりが過ぎて行ってしまう。なんてムダな時間を過ごしてしまっているのだろう。そう思って思わず溜息をつく。
彼に逢えなかった。それだけでこんなに苦しいなんて。
手の中で何かが急に震えたことに驚いて目を開けて、それでいつのまにか眠っていたことに気付く。そのことになぜか慌てて、相手を確認しないままに携帯電話を開いた。寝ぼけまなこで通話ボタンを押して送話口を耳に押し当てる。
「はい、もしもし?」
語尾がかすかにぶれるようなノイズ混じりの自分の声を聞きながら、返ってくる言葉を待つ一瞬に、淡い期待を浮かべてしまう自分に苦笑した。彼は今は別の人と一緒にいるのだから電話を掛けてくるはずがない。そんなことはわかっていたけれど。
「あ、もしもし、美雪さん?」
低くひそめた声はひどく聞き取り難かった。それでも誰なのかがわからないほどでもなかった。二十四年の人生の中で、一番長電話をした相手の声を聞き間違えることはない。それが彼であったのならば、なおさら。
「えっと、こんばんは。シズです」
話し辛そうなその響きにぱちんと音を立てて意識が覚醒した。
-つづく-
彼は今頃どこで何をしているのだろうと、そんなことをふと思っては寝返りを打つ。彼女の部屋なのだろうか、それともレストランで食事……?
あー。もう、やだー。
掛け布団を頭まで引き上げて、誰もいないのに誰にも聞かれないようにそっと溜息をついた。
手を伸ばして、枕の横に転がっていた携帯電話を取る。サブディスプレイの数字が、いつのまにか日付けが変わろうとしていることを教えてくれた。眠れないままに時間ばかりが過ぎて行ってしまう。なんてムダな時間を過ごしてしまっているのだろう。そう思って思わず溜息をつく。
彼に逢えなかった。それだけでこんなに苦しいなんて。
手の中で何かが急に震えたことに驚いて目を開けて、それでいつのまにか眠っていたことに気付く。そのことになぜか慌てて、相手を確認しないままに携帯電話を開いた。寝ぼけまなこで通話ボタンを押して送話口を耳に押し当てる。
「はい、もしもし?」
語尾がかすかにぶれるようなノイズ混じりの自分の声を聞きながら、返ってくる言葉を待つ一瞬に、淡い期待を浮かべてしまう自分に苦笑した。彼は今は別の人と一緒にいるのだから電話を掛けてくるはずがない。そんなことはわかっていたけれど。
「あ、もしもし、美雪さん?」
低くひそめた声はひどく聞き取り難かった。それでも誰なのかがわからないほどでもなかった。二十四年の人生の中で、一番長電話をした相手の声を聞き間違えることはない。それが彼であったのならば、なおさら。
「えっと、こんばんは。シズです」
話し辛そうなその響きにぱちんと音を立てて意識が覚醒した。
-つづく-
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