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2007年01月17日 (水)
「なに、これってやっぱ罰なワケ?」
困ったように曖昧に笑いながら、彼は頭をカリカリと掻いた。
「うーん、まあ、そうかな?」
爆発的な笑いはなんとか収まったけれど、口元にはどうしても残る。笑いすぎて固まったあごから頬を右手でマッサージしながら、もう片方の手で首に巻きついたニットのマフラーを解き始めると、彼が手を伸ばしてきた。マフラーを引き抜くのを手伝ってくれる、優しい仕草。
「あー、やっぱりねー。そうじゃないかなって思った」
「ん、大丈夫。シズくん似合ってるよ。可愛い。――あ、ありがとう」
ボタンを外したコートを両肩からぽふっと抜き取ってもらいながら振り返ると、唇を尖らせた彼の表情とぶつかる。
「嘘だ、こんなの男が似合うわけないじゃん。んっとに、もうー」
「そんなことないって。すごく似合ってるって」
コートをハンガーに掛けてくれる彼のキュートな後ろ姿に不適切な返答を返しながら、買ってきたナイロン袋の中身を冷蔵庫にしまった。次いで、トートバッグからケータイと三センチほど残ったお茶のペットボトルを取り出す。テーブルにペットボトルを置いたその瞬間、大きな手のひらがわたしの手を包み込むように握った。驚いて顔を上げると、すぐ間近に彼の悪戯っぽいまなざしがあった。
「ホント、ひどいよな、美雪さんって。俺をからかって、そんなに楽しい?」
妙にキラキラした目を楽しそうに細めながら彼は低く笑った。その見覚えのある笑みに思わず身構える。けれど身体を引くよりも早く、腕の中に抱き寄せられた。
「俺は、こんなに愛してるのに」
囁くような声と同時に耳に押し当てられた唇に、どくんとこめかみが疼いた。なまめかしい記憶に繋がるような状況に、心臓が勝手にその動きを早めて行く。
-つづく-
困ったように曖昧に笑いながら、彼は頭をカリカリと掻いた。
「うーん、まあ、そうかな?」
爆発的な笑いはなんとか収まったけれど、口元にはどうしても残る。笑いすぎて固まったあごから頬を右手でマッサージしながら、もう片方の手で首に巻きついたニットのマフラーを解き始めると、彼が手を伸ばしてきた。マフラーを引き抜くのを手伝ってくれる、優しい仕草。
「あー、やっぱりねー。そうじゃないかなって思った」
「ん、大丈夫。シズくん似合ってるよ。可愛い。――あ、ありがとう」
ボタンを外したコートを両肩からぽふっと抜き取ってもらいながら振り返ると、唇を尖らせた彼の表情とぶつかる。
「嘘だ、こんなの男が似合うわけないじゃん。んっとに、もうー」
「そんなことないって。すごく似合ってるって」
コートをハンガーに掛けてくれる彼のキュートな後ろ姿に不適切な返答を返しながら、買ってきたナイロン袋の中身を冷蔵庫にしまった。次いで、トートバッグからケータイと三センチほど残ったお茶のペットボトルを取り出す。テーブルにペットボトルを置いたその瞬間、大きな手のひらがわたしの手を包み込むように握った。驚いて顔を上げると、すぐ間近に彼の悪戯っぽいまなざしがあった。
「ホント、ひどいよな、美雪さんって。俺をからかって、そんなに楽しい?」
妙にキラキラした目を楽しそうに細めながら彼は低く笑った。その見覚えのある笑みに思わず身構える。けれど身体を引くよりも早く、腕の中に抱き寄せられた。
「俺は、こんなに愛してるのに」
囁くような声と同時に耳に押し当てられた唇に、どくんとこめかみが疼いた。なまめかしい記憶に繋がるような状況に、心臓が勝手にその動きを早めて行く。
-つづく-
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