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R18 らぶえっち小説Blog
えっちな表現が盛りだくさんにつき、18歳未満&清純派さん回れ右!
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花を召しませ-13
2006年08月17日 (木)
「お待たせー」
 待ち合わせ時間の午後六時半ギリギリに、駅前ロータリーに滑り込んできた車高の低い黒い影から顔を出した人はそう言って笑った。目の前の、いかにもなスポーツカーと薄い緑色のサングラスと白っぽい迷彩柄のTシャツの男性。それが誰なのか、一瞬わからなかったけれど。
「シズくんっ?」
「はぁい」
 サングラスを外しながら、彼は明るい笑顔をわたしに向けた。その表情は多分いつもと同じだと思うけど、いつもは暗いバーカウンタ内で白いシャツを着ていた彼がカジュアルな服装で明るいところにいるのって、なんとなく不思議な感じがする。
 わたしも、そういう服着てくればよかったかな。
 思わず自分の格好を見下ろしてしまう。仕事帰り丸出しなスーツで彼と一緒にいると、いかにも年上ですって感じで、なんかちょっと。
「まあ、乗ってよ、とりあえず」
 その言葉とほぼ同時に助手席のドアが大きく開いた。言われるがままに低い座席に少し苦労をして乗り込み、ドアを閉める。シートベルトを掛けるのを待って、思っていたよりもゆっくりと車は進み始めた。ちらりと運転席に目を向けると彼がくすりと笑うのがわかった。
「シズくん、何時に起きたの?」
「ん、一時間くらい前かな。店終わってからオーナーと朝まで飲んでて、そのあとサウナ行って、寝たの九時過ぎでさ。しかも、なかなか眠れなかったし」
 彼は明るくカラカラと笑いながらサングラスを掛け直した。ハンドルを握る横顔は、濃い眉とシャープなあごのラインが目立つ。
「これから、どこか行きたいところ、ある?」
「えっ? う、ううん。別に」
「そっか。じゃあさ」
 ちらりとサングラス越しのまなざしがわたしに向けられる。唇に浮かんでいる薄い笑みにどきっとした。
「変なところ、連れて行ってもいい?」
「へんなところ?」
 どういう意味?
 訊き返してはみるけれど身体は正直で、だから心臓がドキドキと勝手にその動きを早めて行く。彼も本当はわたしがわかってるって気付いてるんだと思う。それ以上の説明はしなかった。
「――いい?」
 再度尋ねられて、わたしは黙って頷いた。

  -つづく-
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