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R18 らぶえっち小説Blog
えっちな表現が盛りだくさんにつき、18歳未満&清純派さん回れ右!
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あたしの彼はご主人さま(3)-20
2006年05月20日 (土)
「えっと、えーっと……」
 あたしのことを思ってくれてるんだから、ちゃんと考えなくっちゃ、ちゃんと答えなくっちゃと思うのに、頭の中は妙にふわふわして思考がまとまらない。
「和真はわかってないの。あの子は全部を欲しがってる。なんとしても全部を手に入れたいと思っている。だから、しなくちゃいけないことが多すぎて、なかなか先へ進めないのね」
 物事には順番があるのに、どうしてそれがわからないのかしら。
 上品に溜息をつくと、葵さんはふと目を上げた。あたしをじっと見つめてくる、きれいにカールしたまつげ越しの視線を見返すことも目をそらすこともできなくて、あたしは忙しくまばたきを繰り返した。
「さあ、どうするの、千紗ちゃん」
「きゃあっ」
 いきなり葵さんはちゅっと音を立てて首すじにキスをしてきた。慌てて暴れようとして、そしてそれができないことに気付く。
「あ、あれ?」
 手足に力が入らない。
 あたし、酔ってるのかな? 確かに、お酒飲んだのなんて久し振りだけど、でも一杯くらいで酔うほど弱かったっけ?
「あらら。思ったより強く効くのね、あのカクテル」
 葵さんの手に押されて、あたしは長椅子の上に仰向けに寝転ろんだ。きれいな爪に彩られた細い指が制服のブラウスのボタンを外して行くのが見えてるけど。
「カクテル?」
 さっき飲んだあのカクテルのこと? あれがどうしたの?
「そう。美味しかったでしょ?」
「はいー」
 葵さんの言ってることも、なんであたしがこんな状況になってるのかも全然理解できないけど、でも不安とかじゃなくて、むしろ意味なく幸せな気分で。なんだかわからないけど顔が勝手ににやけてくる。


  -つづく-
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あたしの彼はご主人さま(3)-21
2006年05月22日 (月)
「やっぱり、若いコは違うわね。お肌すべすべ」
「きゃあっ」
 ぺろりと胸元を舐められて悲鳴を上げた。ゆっくりと唾液の跡が胸の中心まで伸びて行く。舌先で弄ぶようにつんつん突付かれて、硬く乳首が勃っていくのがわかる。
「あ、やだっ」
「千紗ちゃんって敏感ね」
 にっこり笑うと葵さんはちゅっと強く吸った。痛みに近い一瞬の快感に、反射的に身体がぴくんと震える。
 でも身をよじってその紅い唇から逃げようとしたのは、本当は逃げるためなんかじゃないのは自分でもわかっていた。ほとんど力の入らない腕で押し返そうとしても、そんなことできるわけなんかなくって、だから。
「やだっ。やめて、葵さんっ」
 口だけの抵抗なんて、そんなの誘ってるのと一緒なのに。
 それを肯定するように、葵さんの舌がゆっくりと下がってきた。スカートの中にもぐりこんだ手がそっとふとももを撫で上げる。男の人とは違う繊細な手つきに、ダメだってわかってるのに勝手に身体が反応してしまう。
「あ、やだ。やだあっ」
 あたし、どうしたの? どうして葵さんはこんなことするの?
 お酒に酔ったみたいなふわふわする頭で考えようとしても、バラバラになったジグゾーパズルのピースみたいに、何がどうなってるのかは全然わからない。
 それに何より……からだが、熱い。
 その熱を思った瞬間に、身体の奥がびくっと震えたのがわかった。


  -つづく-
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あたしの彼はご主人さま(3)-22
2006年05月23日 (火)
 どうしよう。あたし、すごく……。
「うふふ。触っちゃおう」
 絶対に口に出せない密かなあたしの望みを読み取ったように、スカートの中の手がゆっくりとショーツにかかる。指先で軽く押さえられただけで、にゅっと埋もれる。多分、ショーツに染みができちゃってると思う。それくらいになっちゃってると思う。今だってひくひくしちゃってるんだもの。本当は、もっと欲しいんだもの。
 なんであたし、こんなことになってるの? さっきのお酒のせい? それとも……。
 でもそんな疑問も、葵さんの指の動きに流されて行ってしまう。見えないところでどうされているのか、意識だけで辿りながらあたしはびくっと身体を震わせた。
「千紗ちゃんのここ、びちょびちょよ。こんなに効くのね」
 葵さんの言葉通り、あたしは下着が張り付いてしまうくらい濡れていた。彼女の指がショーツの上からゆっくり割れ目へ沈み込んで行く。そして別の指が震えるようにこすりはじめた。そこはあたしだけじゃなくって、女の子なら誰もが一番感じてしまう……。
「あ、や、やだ」
 くいくいとクリトリスを押さえられて、あたしはのどをそらして喘いでしまう。ショーツの、ちょっとざらざらした肌触りとこすれる感じが気持ちいい。ひくひくしながら、奥のほうから流れてくるのがわかる。
「やめ……やめて、葵さんっ」
「うふ、かわいい」
 隙間から入り込んできた指が、入り口の辺りをぬるぬるとなぞった。
 ぬるりとした感触とちゅくっと卑猥に鳴った音に、一気に羞恥心がこみ上げてくる。イヤだって言いながらこんなに濡らしちゃってるなんて。女の人に、ユーキさんのお姉さんにされてるのに、こんなに感じちゃうなんて。
 どうしよう。あたし、どうしようっ!

  -つづく-
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あたしの彼はご主人さま(3)-23
2006年05月24日 (水)
「ん、あ、ああっ」
 ぐいと強く押し上げられて腰が浮く。その瞬間を待っていたように、ショーツを脱がされてしまう。剥き出しになってしまった下半身を、同性の身体を知り尽くしたような葵さんの指が自由に這い回る。その繊細な指と舌の攻撃に、あたしは喘ぐことしかできなかった。
「えっちな顔ね、千紗ちゃん」
「や、いや……う、んんっ」
 指の数が増えたのと同時に、べっとりと唇を塞がれた。あいだからぬるりと入り込んできた舌が丁寧に歯の裏側を辿る。甘い唾液を流し込まれて、抵抗もできないまま飲み下してしまう。
「ふふ、本当にかわいい。こんなに効くなんて嬉しいわ」
「あ、あううっ」
 葵さんの指は止まらない。だから、いやらしい音も止まらない。あたしの中からどんどん溢れてくるのがわかる。自分が一歩ずつ進んで行くのもわかる。
「あ、んっ! あ、あっ」
「あら、ピクピクしてきたわね。イきそう?」
「や、やだ! もう、やだぁっ」
 言葉では否定しながら、あたしは葵さんの指を締め付けていた。もっと奥へと誘い込んでいるように、腰が揺れる。ひざが開いてしまう。葵さんの激しく指の動きに、あたしは背をそらして喘いだ。
「やめて! もう許して! いや、いやっ!」
「イっていいのよ。さあ、イっちゃいなさい。気持ちよくなっちゃいなさい」
 クリトリスを舐め上げられて二本の指にぐいぐい突き込まれて、身体があそこが、震える。あたしを置いて、勝手にその瞬間を求めようとする。
「ああっ! ユーキさん、ごめんなさいっ。あたし、イく、イくっ!」
 意識に入ったヒビが、ぴしっと割れて砕ける。世界が白く弾ける。息ができないような絶頂に全ての感覚が遠くなりかけても、葵さんは手を止めてくれなかった。
「もう、ダメっ! またイく! やだ、イくよおっ!」
 久し振りの、誰かの手に与えられる快感に耐えられずに泣き叫ぶ。浮き上がった感覚から降りることもできないまま、あたしはガクガクと痙攣し続けた。


  -つづく-
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お言葉いただきましたv
2006年05月24日 (水)
 おはようございます、にゃおです☆
 いい天気で嬉しくって今日はお布団干しました。でもなんかもうすぐ梅雨が来ちゃうみたいで、いやだなあって思ってます。でも雨がちゃんと降らないとお米ができないんですよね。そうおもうと雨が降ってうっとうしい日も大切なんだなー。

 お言葉いただきました! ありがとうございますv
『ぇろぃですね^^;でも、つい見てしまうょぅな小説ですw』
 えろいですか! ありがとうございます♪ やっぱりえっちだあって言われると嬉しいかな~。えへへ、そうですか? うふふ。ってカンジ。ムリにエッチにする必要はないですよ、って言われるのも嬉しいですけど。

 でもにゃおはやっぱりらぶらぶなえっちが好きなので、こういうムリえっちはちょっと書いてると心が痛みます(+_+)
 いつもひどいことされちゃってごめんね、千紗ちゃんっ!


 そしていつも「よかったよ♪」やブログランキングへの一票ありがとうございますv 第三部も中盤。しっかり書いていきたいなあって思ってます☆
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あたしの彼はご主人さま(3)-24
2006年05月25日 (木)
「さあてと、じゃあもう一度、可愛く鳴いて」
 いつのまにかあたしは、左右それぞれの手首と足首を黒革ベルトで拘束されていた。ブラウスの前は全開で、スカートはお腹までめくり上げられた下半身剥き出しの姿で、ひざが開くように固定されていた。恥ずかしい格好に身悶えしても、葵さんの楽しそうな笑い声が聞こえるだけ。
「やだ、やだあ、やめ……あ、あううっ!」
 指よりも大きなものがぐいと奥まで入り込んできた感覚に思わず叫んでしまう。さっきまでとは違う、久し振りに感じる圧倒的な異物感に、本気で狂いそうになる。身体の中をぐるぐる掻き回すような動きと、低くて強い振動に全身が波打つ。その感覚に脳までが痺れてくる。
「や、やだっ。もうイヤっ!」
 黒革ベルトについた細い鎖が細かな手足の動きに併せて、チリンチリンとリズミカルに鳴る。その奇妙なまでに涼やかな音がひどく耳障りだった。
「あ、ああっ! もう、許して!」
「だーめ。もっといやらしくなってくれないと」
 葵さんの息も少し上がっているのがわかる。低い笑みを含んだ声と同時にぐちゅぐちゅとすごい音を立てて出し入れされて、そのこすれる感触に耐え切れず、あたしは拘束された手足を突っ張った。
「や、ああっ! あああっ!」
 いつになったら許してもらえるんだろう。何回イったら放してもらえるんだろう。
 身体が内側へきゅうっと縮むような激しい快感の合間にそんなことを思う。
 こういうのはユーキさんも嫌いじゃないみたいで、だから何回かされたことはあったけど。でも、この人はユーキさんじゃない。あたしのご主人さまじゃない。
「さあ、千紗ちゃん。イっちゃいなさい」
 優しい声で命令すると葵さんは右の乳首をぺろりと舐めて、そして軽く歯を立てた。


  -つづく-
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あたしの彼はご主人さま(3)-25
2006年05月26日 (金)
 一瞬の痛みで途切れた快感が戻るときに、今まで感じていたよりも強い波として帰ってくるのは、経験で知っていた。それでイってしまったことも何回もあった。
 痛くてもイくのかなんて冷たい声に嘲笑われながら、あたしはなんでも受け入れた。誰にも言えないような辱めを受けても平気だった。大好きなユーキさんだから、何をされても平気だった。それをあたしの身体は覚えてしまった。
 だから今、ユーキさんじゃない人なのに、感じてしまうのかな。それともあたしは、相手なんて誰だっていいのかな。奴隷だから仕方ないのかな。あたしはもう、そんな女になっちゃってるのかな。気持ちよくしてくれるんなら、ユーキさんじゃなくっても? 司さんでも? 葵さんでも? 他の誰でも?
 いやだ。こんなの、いや。
 助けて、ご主人さま。助けにきて。
「いやぁっ!」
 こんなにイヤなのに、身体は気持ちいいなんて。
 ユーキさんならいいのに。今あたしを弄ぶ手が、酷い言葉を吐く声が、無様なあたしの姿を見つめる目が全部ユーキさんのものなら、なんだって我慢できるのに。
 こんなのいやだ。こんなの、こんなの……。
「なにやってんですか、姉さんっ!」
 目じりを涙が流れた瞬間、何かが叩き壊されるような音と一緒に、聞き覚えのある怒鳴り声が聞こえた。葵さんが驚いたように一瞬びくっと震えたのがわかった。少し笑った気配と一緒に、身体から振動が抜き取られる。
「あら、乱暴ねえ。ドア壊しちゃって」
「乱暴はどっちですか!」
 その声はユーキさんみたいに聞こえたけど、でも都合よくユーキさんが現れるはずなんてないから、それはわかっていたから、あたしは期待なんてしなかった。言い争う二人の声を遠くに聞きながら目を閉じて手足の力を抜く。大きく深呼吸して、身体に溜まった快感の名残を吐き出す。
「――とにかく。その子は連れて帰ります。いいですね?」
 強く言い切るユーキさんにそっくりの声に、葵さんが溜息混じりで応える。
「わかったわ。司ちゃんには負けたわね」
 ほらね。思った通り、ユーキさんじゃない。


  -つづく-
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お言葉いただきました♪
2006年05月26日 (金)
 おはようございます、にゃおです☆
 昨日、バイトから帰ってきて、お風呂も入らずそのまま寝てしまいましたv
あんなふうに疲れたのって久し振りだなーっ。あ、勿論、さっきお風呂入ってきたのでもうキレイですよっ!これからいつものように[AD-IMG]プエラリア・ハーバルジェルで全身ぬりぬりマッサージします☆


 お言葉いただきました! わーい!
『ステキなエロ小説(ヮラ)ですね♪』
 ありがとうございますv これからもまた気が向いたら読んでみてくださいねv

 そしていつも「よかったよ♪」とブログランキングへの一票ありがとうございますv にゃおも頑張りますので、また気が向いたらぽちっと押してやってくださいなv
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あたしの彼はご主人さま(3)-26
2006年05月27日 (土)
「大丈夫、千紗ちゃん」
 カチャカチャと手枷を外してくれる長い指も抱き起こしてくれる手も、似てるけど。すごく似てるけど。
「遅くなってごめん。すぐに戻ってくるつもりだったんだけど、急用が入っちゃって」
 あたしを気遣ってくれているようなその眼も。
「危ないのわかってたのに、本当にごめん」
 優しい声は、言葉の選び方まで似てる。
「起きられる? ムリしなくていいから。急に動くとスジを痛めるよ」
 なのになんで、タバコのにおいがするの?
「とりあえず、服着ようね」
 まるで風邪で寝込んでいた子どもを相手にするように、司さんはあたしの全身を、特に汚れたところをおしぼりみたいな布で丁寧に拭って、そして服を着せてくれた。
 それは前にユーキさんがしてくれたことにあまりにも似ていたから、あたしは新しく溢れてきた涙をごしごしと子どものようにこぶしでこすった。それに気付いた司さんが新しいおしぼりをくれた。汗も涙も鼻水も全部ごっちゃに拭き取って、ドロドロに汚れたおしぼりを平気な顔で受け取った司さんだけど、でもあのときあたしにひどいことをしたのってこの人だったのよね、なんてちょっと思い出したりして。今日だって、ここに連れてきたのは司さんだし。葵さんがこう言う人だってわかってて、それでもあたしと二人っきりにしたみたいだったし。
 それでももう、恨めないけど。嫌いになれないけど。怖いとさえ、思わなくなってしまったんだけど。
「大丈夫? 立てる?」
 困ったなあ。
 ちょっと眉をひそめてあたしを見るその顔に頷くと、あたしが反応を示したことにほっとしたように軽く溜息をついて、そして曖昧な笑みを浮かべた。肩を抱くように、あたしが立ち上がるのを手伝ってくれる。

  -つづく-
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あたしの彼はご主人さま(3)-27
2006年05月29日 (月)
 ホントに、困ったなあ。
 この人の顔も声も体型も優しいところも、なんてユーキさんに似てるんだろう。
 似てなかったら、よかったのに。
「どうしたの、どっか痛い? 大丈夫? 大丈夫なワケないか。そりゃそうだよな」
 あたしの肩をさすりながら早口で言うと、司さんは溜息をついた。
「姉さん。彼女に謝ってください」
 司さんだってこないだ似たようなことしたくせに、でも謝ったりしなかったくせに、ともちょっと思ったけど、口を開くのも面倒だったから黙っていた。葵さんがじっとあたしを見ていたのはわかったけど、目を上げることもしなかった。
 二秒ほどの沈黙のあと、葵さんの上品でどこか色っぽい溜息が聞こえてきた。
「確かに、今回はあたくしが悪かったわ。この子があんまり可愛いから、つい魔が差したの。クスリを使ったのはひどかったわね」
 やっぱり、あのカクテルだったんだ。変なクスリが入ってたんだ。でも葵さんもおんなじものを飲んだんだけど。あたしのと葵さんのとは中身が違ったのかな? あたしのにだけクスリが入ってたのかな?
「お詫びに、あなたの味方になって差し上げるわ。和真のことでもそれ以外のことでも、なんでも。と言っても、最初からそのつもりだったのよ、あたくし。お話する暇がなかっただけで」
 言葉と一緒に、目の前に白いちいさな紙が差し出された。お洒落な金の縁取りをされた真ん中に、結城葵と書かれた文字と、ポールペンで書かれた手書きの細かな数字が並んでいた。ゆっくり顔を上げると、優しい目があたしを見ていた。穏やかであたたかいまなざしは、どことなくユーキさんに似た印象で。
「いつでも電話してきて。困ったことがあったら頼って欲しいの」
 悪びれた風もなく軽くウィンクしてくる。悪戯っぽい目の可愛い攻撃を無視することもできずに、あたしはその紙片を受け取った。ゼロから始まるその数字は、おそらくは彼女の携帯電話の番号で、その下のアルファベットはメールアドレス。


  -つづく-
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あたしの彼はご主人さま(3)-28
2006年05月30日 (火)
「もうあんなことはしないから、また会ってね」
 マイウェイに微笑むと、ドレスのすそを返して葵さんは部屋から出て行った。さっきのことが嘘みたいな優雅な足取りで、本当に嘘だったんじゃないかと思うくらいの堂々とした後ろ姿で。
 ユーキさんのお姉さんもお兄さんも、どこかユーキさんに似ていて、困る。
 ――恨めないじゃない。
 心の中でちいさく呟いて、そしてあたしはほっと息を吐いた。
「もう送るよ。遅くなってしまうから」
 どこか遠慮がちなその声に振り向くと、司さんは部屋の隅に置きっぱなしだったあたしの鞄を左手に、車の鍵を右手に、少し困ったような目で立っていた。すらっとしたスーツ姿で学生鞄を持っている様子は、ちょっと違和感で可愛い。
「お母さんが先に帰っちゃってたらまずいでしょ」
「え、あ……うん」
 ママは今日は多分徹夜になると思うって言ってたから、帰ってこないだろうけど。でもあたしはそれは言わずに、ただ頷いた。


「あー、疲れたぁ」
 助手席の背もたれを倒して、手足を伸ばして寝そべる。全体重をソファに近いような座席に預けて眼を閉じる。かすかに聞こえるエンジンの音がなぜか心地よくて、すぐにも眠れそうなくらいで、あたしは慌ててまぶたを引き上げた。
 司さんは多分そういうことはしてこないだろうとは思うけど、それでもこんな状況で寝ちゃうなんて、あまりにも無防備すぎる。葵さんにあんなに簡単にクスリを飲まされちゃったのだって、あたしに警戒心がないからだろうと思うし。これからはもうちょっと用心深く行動しなきゃ。
 ぷっと強く息を吐いて顔を上げると、運転中だから真正面を見ているはずの司さんとなぜか目が合った。
「なぁに?」
「ん、ああ……。いや、なんでもない。タバコ吸っていい?」
「どーぞ」
 軽く頷くと、司さんは頷き返してきた。
 咥えたタバコに火を点ける横顔、白い煙を吐き出す唇、前髪を掻き上げる指先、遠くを見ている目。

  -つづく-
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あたしの彼はご主人さま(3)-29
2006年05月31日 (水)
「千紗ちゃんさあ」
「司さんって」
 二人同時に声を出して、そして同時に黙った。目が合うと笑ってしまう。
 千紗ちゃんからどうぞ。ううん、司さんから。いや俺はあとでいいから。あたしこそ。そんな感じで二、三回譲り合って、そして結局あたしから話し始めた。
 ホントは、司さんが言いかけたことのほうがずっと気になるんだけど。あたしの疑問なんて、たいしたことない……かもしれないし。訊くまでもないのかもしれないし。
「前から気になってたんだけど。司さんとユーキさんって、そんなに仲悪いの?」
「なんで?」
 タバコを咥え込んだ唇が、司さんがしゃべるたびにピョコピョコ動くのがちょっとおかしい。軽く頭を傾けると、やわらかそうな前髪がさらりと流れる。
「え、なんでって。だって」
 結城の跡目争いで、昔から仲が悪かった兄弟がまるで社内で戦争でも起こしそうなほど険悪になっていると雑誌に書かれていたからと言うと、司さんは眉をひそめた。
「まあ……そう見えても、ムリはないけどね」
 長くなったタバコの灰を指先で弾いて落としながら、困ったように司さんは笑った。
「本当は仲悪くないの? そう見えてるだけ?」
「いや、うーん……。どうだろう?」
 どうだろうって、わかんないから訊いてんじゃない。
 そう思ったけど、司さんの歯切れの悪い言葉とちょっと暗い目に、あたしは口を出せなかった。何度か頬を歪めるように唇を噛んで眉をひそめて、そして彼は溜息をついた。
「仲良くは、ないかな。残念だけど」
 そう言いながら、司さんはまだ長いタバコを、ムリヤリ灰皿にねじこんだ。どこかイラついたような仕草に、言いたくないことを訊いてるんだろうなとそのときちょっと思ったけど、それでもあたしは黙っていた。
「昔の話なんだけどね」
「うん」
 呟くような言葉に小さく頷くと、司さんは一瞬だけあたしを見た。


  -つづく-
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お言葉いただきましたv
2006年05月31日 (水)
 おはようございます、にゃおです☆
 最近は『春眠暁を覚えず』を越える勢いで超眠いのです。一日12時間とか寝てるんですよー。すごいでしょー☆
 当然「あたしの彼は」を書く時間が少なくなってきて、毎日ひーひー言ってます。眠くならない方法ってないのかなー? やっぱりコーヒーかなあ?

 さてさて、お言葉いただきました☆
『昨日からまたいで、今までの作品を<ずわわ~~ッ>と一気に読んでしまいましたァ♪』
 ありがとうございます、有紀さんっ!(お名前出すのNGだったら言ってくださいね、すぐに消しますから)一気に読むのなんて大変だったと思うんですよ。三時間ですか、うわー、感激ですっ☆ 
 千紗ちゃんとユーキさんへのエールありがとうございます! いろんな人に翻弄されちゃって先行き不透明な二人ですけど、でもでも、愛があればきっと大丈夫なのですっ☆
 これからもにゃおはえっちにもストーリィにも頑張りますので、またお時間空いたときにでも覗きにきてやってくださいね♪

 そしていつも「よかったよ♪」やブログランキングへの一票ありがとうございますv
 にゃお頑張りますので、どうぞよろしくお願いしますm(_ _)m
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