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2006年05月20日 (土)
「えっと、えーっと……」
あたしのことを思ってくれてるんだから、ちゃんと考えなくっちゃ、ちゃんと答えなくっちゃと思うのに、頭の中は妙にふわふわして思考がまとまらない。
「和真はわかってないの。あの子は全部を欲しがってる。なんとしても全部を手に入れたいと思っている。だから、しなくちゃいけないことが多すぎて、なかなか先へ進めないのね」
物事には順番があるのに、どうしてそれがわからないのかしら。
上品に溜息をつくと、葵さんはふと目を上げた。あたしをじっと見つめてくる、きれいにカールしたまつげ越しの視線を見返すことも目をそらすこともできなくて、あたしは忙しくまばたきを繰り返した。
「さあ、どうするの、千紗ちゃん」
「きゃあっ」
いきなり葵さんはちゅっと音を立てて首すじにキスをしてきた。慌てて暴れようとして、そしてそれができないことに気付く。
「あ、あれ?」
手足に力が入らない。
あたし、酔ってるのかな? 確かに、お酒飲んだのなんて久し振りだけど、でも一杯くらいで酔うほど弱かったっけ?
「あらら。思ったより強く効くのね、あのカクテル」
葵さんの手に押されて、あたしは長椅子の上に仰向けに寝転ろんだ。きれいな爪に彩られた細い指が制服のブラウスのボタンを外して行くのが見えてるけど。
「カクテル?」
さっき飲んだあのカクテルのこと? あれがどうしたの?
「そう。美味しかったでしょ?」
「はいー」
葵さんの言ってることも、なんであたしがこんな状況になってるのかも全然理解できないけど、でも不安とかじゃなくて、むしろ意味なく幸せな気分で。なんだかわからないけど顔が勝手ににやけてくる。
-つづく-
あたしのことを思ってくれてるんだから、ちゃんと考えなくっちゃ、ちゃんと答えなくっちゃと思うのに、頭の中は妙にふわふわして思考がまとまらない。
「和真はわかってないの。あの子は全部を欲しがってる。なんとしても全部を手に入れたいと思っている。だから、しなくちゃいけないことが多すぎて、なかなか先へ進めないのね」
物事には順番があるのに、どうしてそれがわからないのかしら。
上品に溜息をつくと、葵さんはふと目を上げた。あたしをじっと見つめてくる、きれいにカールしたまつげ越しの視線を見返すことも目をそらすこともできなくて、あたしは忙しくまばたきを繰り返した。
「さあ、どうするの、千紗ちゃん」
「きゃあっ」
いきなり葵さんはちゅっと音を立てて首すじにキスをしてきた。慌てて暴れようとして、そしてそれができないことに気付く。
「あ、あれ?」
手足に力が入らない。
あたし、酔ってるのかな? 確かに、お酒飲んだのなんて久し振りだけど、でも一杯くらいで酔うほど弱かったっけ?
「あらら。思ったより強く効くのね、あのカクテル」
葵さんの手に押されて、あたしは長椅子の上に仰向けに寝転ろんだ。きれいな爪に彩られた細い指が制服のブラウスのボタンを外して行くのが見えてるけど。
「カクテル?」
さっき飲んだあのカクテルのこと? あれがどうしたの?
「そう。美味しかったでしょ?」
「はいー」
葵さんの言ってることも、なんであたしがこんな状況になってるのかも全然理解できないけど、でも不安とかじゃなくて、むしろ意味なく幸せな気分で。なんだかわからないけど顔が勝手ににやけてくる。
-つづく-
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