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2010年10月11日 (月)
別に、ここまで必死で拒否するほどイヤってワケでもないんだけど、でもお風呂ってホントに全部見られちゃいそうで、まぁ今までも散々いろいろされて見られてってしてるわけだけど、でもそう言うのとはちょっと違って、なんとなく、その……。
――でもやっぱり、背中流すだけくらいなら、いいかな。
怖い結果が待ってませんようにって心の中でつぶやきながら、そっとカギに手を伸ばした瞬間、くくっと低い笑い声が向こうから聞こえた。
「わーったわーった、あきらめる。ゆっくり入ンな、春奈チャン」
言葉と同時に、ガラスに映ってた影がすうっと遠くなった。
「え……」
ドアノブを握ったまま固まったあたしのことなんか知らんふりで、洗面所のドアが閉まる音がする。さっきまで感じていた先生の気配がなくなる。結果だけを見れば、あたしの言い分が通ったって喜んでいいはずなのに、なんか寂しいなんて思ってしまったのはなんでだろう。
「へんなのーっ」
ふぅっと大きく息を吐いて、見たこともないパッケージのシャンプーに手を伸ばした。いつものワンプッシュのはずなのに、ガシャガシャと頭を掻いてると、とんでもないくらい大盛りの泡になる。ソフトクリームみたいに頭の上に泡を盛って撫でつけながら、これだって先生と一緒に入ってたら大笑いできたのにって思ってしまう。
――あたしって、ホント要領悪い……。
それでもなんとかなってきたのは藤元先生のお陰だった。勉強も佐上先生とのことも、ママとパパのことだって、藤元先生が面倒見てくれた。愚痴だって聞いてくれた。
今日だって、多分偶然あそこに通りがかったとかじゃないって、ずっと探してくれてたんだろうって思う。佐上先生が出て行ったあの日も、あたしがガッコ休んだ日も、そして今日も、先生はあたしのためにっていろいろとしてくれる。考えてくれてる。でもあたしに恩着せがましく言ったりしないから、あたしはなかなか気づかない。ホントに心配してくれてる先生に、でもあたしは自分のことばっかり主張して。先生のことなんて考えてなくって。うわ、どうしよう。落ち込んできた。
「あたしって、サイテー……」
でも、落ち込んでても仕方ない。頭洗って顔洗って身体も流して、そして先生に謝ろう。ちゃんとお礼も言おう。
「よしっ!」
大丈夫。頑張れ、あたし!
-つづく-
――でもやっぱり、背中流すだけくらいなら、いいかな。
怖い結果が待ってませんようにって心の中でつぶやきながら、そっとカギに手を伸ばした瞬間、くくっと低い笑い声が向こうから聞こえた。
「わーったわーった、あきらめる。ゆっくり入ンな、春奈チャン」
言葉と同時に、ガラスに映ってた影がすうっと遠くなった。
「え……」
ドアノブを握ったまま固まったあたしのことなんか知らんふりで、洗面所のドアが閉まる音がする。さっきまで感じていた先生の気配がなくなる。結果だけを見れば、あたしの言い分が通ったって喜んでいいはずなのに、なんか寂しいなんて思ってしまったのはなんでだろう。
「へんなのーっ」
ふぅっと大きく息を吐いて、見たこともないパッケージのシャンプーに手を伸ばした。いつものワンプッシュのはずなのに、ガシャガシャと頭を掻いてると、とんでもないくらい大盛りの泡になる。ソフトクリームみたいに頭の上に泡を盛って撫でつけながら、これだって先生と一緒に入ってたら大笑いできたのにって思ってしまう。
――あたしって、ホント要領悪い……。
それでもなんとかなってきたのは藤元先生のお陰だった。勉強も佐上先生とのことも、ママとパパのことだって、藤元先生が面倒見てくれた。愚痴だって聞いてくれた。
今日だって、多分偶然あそこに通りがかったとかじゃないって、ずっと探してくれてたんだろうって思う。佐上先生が出て行ったあの日も、あたしがガッコ休んだ日も、そして今日も、先生はあたしのためにっていろいろとしてくれる。考えてくれてる。でもあたしに恩着せがましく言ったりしないから、あたしはなかなか気づかない。ホントに心配してくれてる先生に、でもあたしは自分のことばっかり主張して。先生のことなんて考えてなくって。うわ、どうしよう。落ち込んできた。
「あたしって、サイテー……」
でも、落ち込んでても仕方ない。頭洗って顔洗って身体も流して、そして先生に謝ろう。ちゃんとお礼も言おう。
「よしっ!」
大丈夫。頑張れ、あたし!
-つづく-
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