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R18 らぶえっち小説Blog
えっちな表現が盛りだくさんにつき、18歳未満&清純派さん回れ右!
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マスカレイド2-68
2010年04月19日 (月)
「え……っ」
 昼間には滅多に聞くことのない合図の言葉に、一瞬どうしようかなって考えかけて、でもそんなに深刻に考えることもないかと、目の前の本を受け取った。
「はぁい、わっかりましたー」
 一瞬返事が遅れたのがわかったのか、息を詰めるように先生はあたしをじっと見た。でもなんにも言わずに唇の端をゆるめてふっと笑う。周囲にちらっと視線を走らせてその辺に誰もいないのを確認してから、先生はなんでもない顔を続けながらレポートの上にペンケースを重ねて置いた。
「あと、実験室のボードも確認しておいてくれな」
「はーい。残ってたら消しときますー」
 左頬に小さなえくぼを浮かべながら笑う表情は、教室で見るときとそんなに変わらないけど、でも声と目の色に微妙な変化があるのが見える。目の底からふわぁっと揺らぐように違う色が挙がってきてるのがわかる。
「そいじゃーな」
 頬をゆがめるように笑うと急ぎ足で去って行くおっきな背中を二秒だけ見送った。バレーシューズのかかとをくるりと百八十度回した。
「いきなりって、びっくりするなー」
 廊下を逆戻りして階段上がって、渡り廊下をまっすぐ行くと特別教室棟がある。その突き当たりが実験室で、ちょっと手前の目立たないドアの中が準備室。一年のときはあたしたちも簡単な実験くらいはあったけど、二年からクラスが分かれてこういうことになるまで数えるくらいしかきたことないし、そんなに神経質になる必要もないかなぁとは思うけど。でもまだお昼休みで誰がいるかわからないから、目立たないように気をつけて早足で準備室に向かう。
「でも、珍しいなー」
 先生どうしたのかな。なんかあったのかな。佐上先生ならともかく、藤元先生が放課後まで待てないって、変なのー。
「別に、ここしばらくしてなかった、ってわけでもないのに、ねぇ」
 なるべく足音を立てないように三階まで上がる。準備室の前で周囲を見回して誰もいないのを確認してから、藤元先生から預かったやわらかい布地のペンケースを開けた。鮮やかな三色のボーダー柄が可愛い。ボールペンと鉛筆それとラインマーカーに隠れて底のほうに沈んでいたカギを取り出す。見たことないロゴの入った外国製ミニチュアバスのキーホルダーは、鮮やかすぎるほど鮮やかなカナリアンイエロー。前からちょっと思ってたけど、藤元先生って可愛いもの持ってるのよね。ゴツい見た目でこれって意外すぎ。彼女とかの趣味なのかな?

 -つづく-
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