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2010年03月04日 (木)
「だったらいーじゃない。別にここでも、どこでも」
あたしは逃げてる。逃げようとしている。現実から。自分から。あたしを拒絶できない先生を脅して、構ってもらって、そして今だけ満足して。どんなにもがいても、独りの夜は絶対に来るのに。
「ね、えっちしよ」
でも、逃げたっていいじゃん。ちょっとくらい先生に迷惑かけたって、先生を巻き込んだって、いいじゃん。
先生は甘えさせてくれる。嘘だけど、嘘でも優しくしてくれる。それは責任とか義理とか罪悪感とか、そんなことかもしれないけど。あたしのこと好きじゃないんだろうとは思うけど。それでもいいから、あたしを見て。優しくして。可愛がって。抱きしめて。
「ね、せんせ」
「あぁ」
あたしの目から逃げるようにうつむいたまま、先生は小さく頷いた。先生はあたしを無視しない。拒否しない。できないって勝手に思い込んじゃってるから、しない。
「そうだな……。じゃあ、するか!」
肩を揺らして大きく息を吐き出してから顔を上げて、先生は唇の端をゆがめるように笑った。その瞬間、クラス担の藤元先生の中の『藤元武志』って男の人の顔が覗くのが見えた……ような、気がした。
「ホントに、誰も帰ってこねーよな?」
「ん。それは大丈夫」
今朝帰ったばっかりのママが帰ってくるわけはないし、パパが帰ってくるのはいつも日付が変わってから。でもそれを言うと、先生は音がしそうなほどぎゅっと眉をひそめた。それは『先生』の顔だった。さっきあたしがついた嘘に気付いちゃったのかもって一瞬ヒヤッとしたけど、でもそれならそれでいいや。別に先生にバレちゃってもいいや。傷つくのはあたしじゃないし。
「ね、しよぉ?」
「よしよし」
さっきまではなんだったのって思うくらい軽く頷くと、先生は肩に腕を回してきた。ぎゅっと抱きしめてちゅっと軽くキスをして、そして一気に立ち上がった。肩とひざに手を回して抱き上げられたこの体勢は、女の子あこがれの、お姫さまだっこ。
-つづく-
あたしは逃げてる。逃げようとしている。現実から。自分から。あたしを拒絶できない先生を脅して、構ってもらって、そして今だけ満足して。どんなにもがいても、独りの夜は絶対に来るのに。
「ね、えっちしよ」
でも、逃げたっていいじゃん。ちょっとくらい先生に迷惑かけたって、先生を巻き込んだって、いいじゃん。
先生は甘えさせてくれる。嘘だけど、嘘でも優しくしてくれる。それは責任とか義理とか罪悪感とか、そんなことかもしれないけど。あたしのこと好きじゃないんだろうとは思うけど。それでもいいから、あたしを見て。優しくして。可愛がって。抱きしめて。
「ね、せんせ」
「あぁ」
あたしの目から逃げるようにうつむいたまま、先生は小さく頷いた。先生はあたしを無視しない。拒否しない。できないって勝手に思い込んじゃってるから、しない。
「そうだな……。じゃあ、するか!」
肩を揺らして大きく息を吐き出してから顔を上げて、先生は唇の端をゆがめるように笑った。その瞬間、クラス担の藤元先生の中の『藤元武志』って男の人の顔が覗くのが見えた……ような、気がした。
「ホントに、誰も帰ってこねーよな?」
「ん。それは大丈夫」
今朝帰ったばっかりのママが帰ってくるわけはないし、パパが帰ってくるのはいつも日付が変わってから。でもそれを言うと、先生は音がしそうなほどぎゅっと眉をひそめた。それは『先生』の顔だった。さっきあたしがついた嘘に気付いちゃったのかもって一瞬ヒヤッとしたけど、でもそれならそれでいいや。別に先生にバレちゃってもいいや。傷つくのはあたしじゃないし。
「ね、しよぉ?」
「よしよし」
さっきまではなんだったのって思うくらい軽く頷くと、先生は肩に腕を回してきた。ぎゅっと抱きしめてちゅっと軽くキスをして、そして一気に立ち上がった。肩とひざに手を回して抱き上げられたこの体勢は、女の子あこがれの、お姫さまだっこ。
-つづく-
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