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R18 らぶえっち小説Blog
えっちな表現が盛りだくさんにつき、18歳未満&清純派さん回れ右!
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マスカレイド2-56
2010年02月27日 (土)
「せんせ……」
「あぁ、どうした?」
 先生につかまれた右手はそのままに、左手でごしごしと顔を拭いてから顔を上げる。目が合うと、真っ黒い眉をひそめて、でも笑ってくれた。笑いかけてくれる。あたしのこと、気にしてくれる。
 ――あたしなんかに優しくしても、なんもいいことないけど。だけど。
「ね、せんせ。キス、して?」
「んー」
 唸るように頷くと、先生は困った顔のままテーブルにひじをついた。背中を丸めてかがみこんだ先生の目が近づいてくる。目を閉じてふっと息を止めて待ったキスは、でもほんの一瞬当たっただけだった。ざらっとした舌の感触も苦いタバコの味もなんにもない、軽い軽いキス。多分先生はあたしに気を使って、そういうキスをしてくれたんだと思うけど、でも。
「ね、もっと」
 離れそうになったおっきな手を両手でつかんで、そして胸元まで引き寄せた。指の間に入り込んでくる、先生のごつごつした太い指。それをぎゅうっと握りしめる。
「春奈……?」
 優しい声が降ってくる。疑問符を浮かべた目があたしを見る。言わないとわかってくれないのかな。言わなくてもわかって欲しいのに。それくらい、わかってくれてもいいと思うのに。
「せんせ、おねがい……」
 こんなのイヤ。こんなキスじゃイヤ。もっと、もっと。
「いや、その。だっておまえ、ここ、おまえンちだろ」
 びっくりしたのか、ちょっとひっくり返った声でそんなこと言いながら先生はあたしの手を外そうとしたけど、でも慌てているせいか力も入らないみたいで、あたしの指のあいだから逃げ出せない。まぁ放してあげるつもりなんか、最初っから全然ないけど。
「だから何よ? 今まであたしに、いっぱいいろんなことしたくせにっ」
「い、いやっ、それはその……」
 口をもごもごさせて反論しようとして、でも言葉は続かないみたい。確かにな、なんてつぶやいてうつむくのを見ると、ちょっと可哀想な気がしてくる。あたしとこういう関係になっちゃったこと、ホントに後悔してるんだろうな。手を出さなきゃよかったって思ってるんだろうな。そう考えると、胸がちくちく痛むけど。

 -つづく-
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