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2006年02月10日 (金)
「一度、ご挨拶したほうがいいんなら、俺はそうするけど?」
何でもない顔でユーキさんはそう言う。そう言ってくれる。すごく嬉しいけど、でもそのまま受け取っていいのか甘えていいのかちょっとわからなくて、だからはぐらかすようにあたしは笑いかけてみた。
「この人があたしのご主人さまです、って紹介するの?」
そんなこと、言えるわけない。ママにとても言えない。あたしこの人に飼われてるんです、この人の奴隷なんです、なんて。ママが卒倒しちゃう。
でも、ちょっとだけ試したい。彼があたしをどう思ってるのか知りたい。あたしがユーキさんにとってどんな存在なのか、教えて欲しい。
一瞬だけすごく真面目な目であたしを見て、そしてユーキさんは吹き出した。
「バカ」
言いながら、あたしの額を指先でぴんと弾いた。おかしそうに声を上げて笑う。こんなとき、ユーキさんはちょっと子どもっぽく見える。ううん、子どもだったときのユーキさんってこんな感じだったんだろうな、って、そう見える。
「そんなつまんないこと言ってどうすんの。普通に、千紗ちゃんとお付き合いさせてもらってます、って言えばいいだけだろ」
当たり前のような顔で彼はそう言った。その横顔を二秒だけ見つめてから、あたしは視線をそらすようにココアに口をつけた。
「……そっか」
「そりゃそうだろ。違うの?」
「あ、うん。ううん、違わない」
あたし、ユーキさんとお付き合いしてるんだ。ユーキさんはそう思ってくれてるんだ。あたし、えっちするためだけの奴隷じゃないんだ。彼女扱いなんだ。
-つづく-
何でもない顔でユーキさんはそう言う。そう言ってくれる。すごく嬉しいけど、でもそのまま受け取っていいのか甘えていいのかちょっとわからなくて、だからはぐらかすようにあたしは笑いかけてみた。
「この人があたしのご主人さまです、って紹介するの?」
そんなこと、言えるわけない。ママにとても言えない。あたしこの人に飼われてるんです、この人の奴隷なんです、なんて。ママが卒倒しちゃう。
でも、ちょっとだけ試したい。彼があたしをどう思ってるのか知りたい。あたしがユーキさんにとってどんな存在なのか、教えて欲しい。
一瞬だけすごく真面目な目であたしを見て、そしてユーキさんは吹き出した。
「バカ」
言いながら、あたしの額を指先でぴんと弾いた。おかしそうに声を上げて笑う。こんなとき、ユーキさんはちょっと子どもっぽく見える。ううん、子どもだったときのユーキさんってこんな感じだったんだろうな、って、そう見える。
「そんなつまんないこと言ってどうすんの。普通に、千紗ちゃんとお付き合いさせてもらってます、って言えばいいだけだろ」
当たり前のような顔で彼はそう言った。その横顔を二秒だけ見つめてから、あたしは視線をそらすようにココアに口をつけた。
「……そっか」
「そりゃそうだろ。違うの?」
「あ、うん。ううん、違わない」
あたし、ユーキさんとお付き合いしてるんだ。ユーキさんはそう思ってくれてるんだ。あたし、えっちするためだけの奴隷じゃないんだ。彼女扱いなんだ。
-つづく-
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