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R18 らぶえっち小説Blog
えっちな表現が盛りだくさんにつき、18歳未満&清純派さん回れ右!
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マスカレイド2-43
2009年10月31日 (土)
 ママが会社を始めて半年くらい経った頃、友だちの友だちの知り合い、くらいのツテで、ママの会社で駅前商店街の小さな喫茶店の改装をした。新装開店の日、たまたまローカル局の取材が来ることになった。テレビが来るなんてものすごいチャンスだって、ママは朝から張り切っていた。勿論、あたしもパパも応援していた。
 運よくママはリポーターに声を掛けられて、お店と会社の宣伝ができた。帰ってきたママは涙ぐむくらい喜んでいて、応援してくれたあなたたちのお陰よありがとうって、あたしたちに言ってくれた。仕事が増えるといいねって、前祝いにまた焼肉へ行った。前と同じ店だったけど、ちょっとゴージャスに上カルビを頼んでみたりして、みんなはしゃいでいた。楽しかった。とっても楽しかった。
 でもそれが、仲良し家族の終わりの日だった。




 あとから聞いた話では、おしゃれで斬新なママのデザインも勿論悪くはなかったけど、それよりも年齢よりずっと若く見えて可愛いママの見た目が、プロデューサーの心をつかんだらしい。プロデューサーの後押しのおかげもあって、一から十までお店の宣伝のような十五分の生放送が終わった直後から、『味は悪くないけれど古くて暗い、一日のお客はせいぜい十人程度』のお店に、野次馬のような客がどどっと押し寄せた。その日を境に古い喫茶店は、昔懐かしいメニューが話題のカフェになった。気のいいオバちゃんが一人でやっていたのが嘘だったように、あっというまにアルバイトが五人も入った。
 噂から話題になって、ニュース番組の地方再生みたいなコーナーで、ママの会社の仕事が取り上げられた。コーナー自体は五分程度の短いものだったんだけど、見てた人は見てたらしくて、次の日ママがいつも通り出社すると、会社の留守電に二十件だか五十件だか入ってたんだって。お店のデザインが変わったからってなんでお客さんが増えるのかはよくわからないけど、それよりもメニューとかサービスとか、あと安くするとかのほうが重要だとあたしは思うんだけど、でもママの会社はあれから三年以上経った今も相変わらず忙しい。それが多分、世間がママの仕事を認めてるって証拠なんだと思う。勿論そのこと自体はあたしもパパもとっても喜んでる。
 でも、そんな仕事の忙しさもあって、じきにママは家に帰ってこなくなった。
 始めは一箇月に一度か二度、ごめんねと電話をしてきてから仕事場に泊まっていたのが、二週間に一度、週に何度か。そんなこんな言ってるうちに、帰ってくる日とこない日の比率が逆転して、外泊を知らせる電話さえなくなった。
 ママが帰ってこないようになると、パパも帰ってこなくなった。あたしはひとりになった。

 -つづく-
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