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R18 らぶえっち小説Blog
えっちな表現が盛りだくさんにつき、18歳未満&清純派さん回れ右!
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マスカレイド2-44
2009年11月03日 (火)
 パパの急な転勤で引っ越したこのマンションにママの荷物は最初から入らなかった。荷造りから荷解きまで全部やってくれる引っ越し屋さんを手配して、わたしは仕事が一番だから一緒に行く気はないって言って、自分の身の回りのものだけを持って仕事場近くに借りたマンションにママはひとりで移った。元から気の弱いパパは、ママに一言の文句も言えずにその背中を見送った。
 確かに、キャリアウーマンでバリバリ頑張ってるママはすごいと思うけど、ブランドスーツにハイヒールでびしっと決めたママはカッコいいと思うけど、でも古いジーンズにエプロンしてサンダル履いてた優しいママも、あたしは好きだった。学校から帰ってきたらレーズンの入った蒸しケーキの甘いにおいで迎えてくれる家が好きだった。お日さまのにおいのするふかふかのお布団が好きだった。スーパーで半額になってた一皿のお刺身を、家族三人でやいやい言いながら取り合うのも、実は結構好きだった。
 それがあたしたちを放り出すみたいにマンションを借りて帰ってこなくなって、たまにパパと顔を合わせたと思ったら、アンタみたいに頼りない男なんかと吐き捨てるママは見たくない。そんなママに対して防戦一方のパパは、かわいそうとは思うけど、それ以上に情けない。だからパパの味方にはなれない。でもママのことも嫌いにはなれない。ただ、ほんのちょっとのきっかけで家庭ってこんなになっちゃうんだなって、そう思うとかなしい。
「おやすみ、パパ」
 パパのベッドから夏肌掛けの毛布を取ってきて、ガーガーといびきをかく肩からそっと掛けた。むにゃむにゃ言いながら、薄くひげの浮いてきたあごの辺りをガリガリと掻くパパの寝顔に、溜息が出そう。
 ママはどうしてパパを置いて出て行けたんだろう。自分でご飯も炊けないような人なのに、心配じゃないのかなぁ。もう好きじゃないのかなぁ。ママとパパが愛し合ったからあたしが産まれたのに、パパとママがそんなのって、あたしってどう言う存在になっちゃうんだろう?
 でもそんなあたしは結婚してる先生とえっちしちゃってる。センセイの奥さんがもしもあたしのことを知ったら……ううん、もう実は感づいてるかも。先生からしてきたことだからあたしには責任はない? そんなワケない。最初はそうでも、望んで抱かれているのはあたし。
 夫婦にとって浮気ってどれくらい危険なことなんだろう。バレたら離婚とかになっちゃうかもしれない。なってもおかしくないって思う。もしもそんなことになったら、あたしはどうしたらいい?
 答えはわかってる。わかってる、けど。
「――もう、寝よ……」
 目が冴えてしまって、眠れないような気はするけど。

 -つづく-
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