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R18 らぶえっち小説Blog
えっちな表現が盛りだくさんにつき、18歳未満&清純派さん回れ右!
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花を召しませ 番外編~White HESH -4
2008年04月23日 (水)
「シズくん、どこ行くの?」
「んー? もうホテル入っちゃおうかなって思ってるんだけど。食事は部屋でもできるしさ、結構おいしいとこだよ」
 ゆっくり車を発進させて駅前ロータリーから国道に入ると、彼はだるそうに首を回しながら抜き出したタバコをくわえて火を点けた。
「あー」
 無意識なのだろうか、力のない声と一緒に白い煙を吐き出すと、彼はめんどくさそうな仕草でダッシュボードを引っ張り出した。強く指先で弾いてさして長くもなっていない灰を叩き落し、やわらかな流線を描いて唇の端に咥える。
 やっぱり、疲れてるのかな。
 肩をすくめるようにして助手席に座ったまま視線だけを動かして、その横顔を見た。いつも明るい笑顔を絶やさない彼の少しすさんだ雰囲気に気圧されてしまう。とは言え、彼だって二十四時間常に笑っているわけでは決してないだろう。それに、彼がこんな態度を見せるのはわたしと一緒にいるときだけなのかもしれない。そう考えれば、それほどイヤだとも思わない。わたしに気を遣ってかえって彼が疲れてしまうくらいなら、不機嫌な横顔を見ているほうがずっといい。
 それでも、今の彼にどんな言葉をかければいいのか、それともおとなしく黙っていたほうがいいのかのの検討がつかずに困ってしまうのも事実だった。窓の外を流れるイルミネーションに見とれているふりをして、苦い雰囲気に気付かない顔を続けるのが、ささやかながらわたしにとっての最良の選択だと思った。
 けれど、毎日パソコンに向かって数字を打ち込んでいるOLと違って、絶え間なく人と間近で接するような日常を送る彼にとって、わたしの演技など児戯に等しかった。
「居心地悪そうだね、美雪さん」
 ハンドルを握って真正面を見つめたまま、彼は呟くようにぼそりと言った。どんな嘘もごまかしも彼には簡単に見破られてしまう。今までにも何度かそう思ったことがあったのに、すっかり忘れていた。
「え……っ」
 ぼんやりとゆるみかけていた心の中心に鋭く針を打ち込む言葉に、息を飲んでしまう。そんな自分の反応が彼の問いを肯定してしまうのだと気付き、慌てて口を開きかけたわたしには、皮肉げな視線が向けられていた。
「俺と一緒って、つまんない?」
「な……っ」

 -つづく-
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