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2007年08月31日 (金)
なんか、カチャって言った……?
遠く響くドアの開く音を認識しながらも、理香は理性に絡みつく睡魔の触手を振り払うことができずにいた。後ろ手に拘束されたスーツ姿のまま、眼を閉じカウチソファに全身を預けてすーすーと寝息を立て続ける。ややうつ伏せ気味にくたりと横たわる身体を仰向けに転がしても、口の中で小さくうーと唸っただけでそれ以上の反応のない姿は、熟睡しているとしか見えない。
「呆れたヤツだな」
唇の端をゆがめながら、亮治は細い身体をまたぐようにカウチソファに片足を上げた。タイトスカートの奥へと手を差し込み、薄いストッキング越しにふとももを撫で上げ、ひざの裏をくすぐる。
「ん、んん……」
夢の中に漂いながらもこそばゆいのか、理香がふくらはぎを擦り合わせ肩を揺らせて身をよじる。悪戯から逃げようとする理香に亮治は低く笑った。
「ここまで寝こけろとは言ってないぞ」
呟くように言いながら、亮治は頼りなく脱力した腰に腕を廻して抱き上げた。タイトスカートのすそから忍び込ませた右手でウェスト周りのなぞり、器用にパンストを引き剥がす。
「やぁ、んー……」
艶を含んだ甘い声にやっと目覚めたのかと亮治は顔を上げたが、理香のまぶたは閉じたままだった。
「おまえは……無防備にも程があるぞ」
男の前でこのような姿を晒すのはさすがに問題があると、亮治は顔をしかめた。
下唇を突き出した理香の寝顔は、拗ねる子どものようにも快感に熱い息を吐いているようにも見える、奇妙な色気を振りまいていた。腕を縛られスカートをめくり上げられた姿と相まって、その表情はひどく悩ましい。これでは男に襲われても仕方がないと、亮治は自分のしたことを棚に上げ、勝手な理論で眉をひそめた。
昨日、一年前から誰とも寝ていないと理香は言っていたが、亮治と別れたのは五年前なのだから、四年間は他の男との付き合いもあっただろう。それなりの年齢の男女が好き合えば抱き合うのは自明の理だ。けれど、理香が他の男に抱かれていたと考えると、どんなことをしたのかどんなことをされたのかと、どす黒い感情が亮治の中にこみ上げてくる。歪んだ情欲が内側から突き上げる。留学先での自分の過去から視線をそらし、亮治は内心で暗く笑った。首を巡らせるように周囲をぐるりと眺め、執務机の横に立てかけられていた細い棒に目を留めた。
-つづく-
遠く響くドアの開く音を認識しながらも、理香は理性に絡みつく睡魔の触手を振り払うことができずにいた。後ろ手に拘束されたスーツ姿のまま、眼を閉じカウチソファに全身を預けてすーすーと寝息を立て続ける。ややうつ伏せ気味にくたりと横たわる身体を仰向けに転がしても、口の中で小さくうーと唸っただけでそれ以上の反応のない姿は、熟睡しているとしか見えない。
「呆れたヤツだな」
唇の端をゆがめながら、亮治は細い身体をまたぐようにカウチソファに片足を上げた。タイトスカートの奥へと手を差し込み、薄いストッキング越しにふとももを撫で上げ、ひざの裏をくすぐる。
「ん、んん……」
夢の中に漂いながらもこそばゆいのか、理香がふくらはぎを擦り合わせ肩を揺らせて身をよじる。悪戯から逃げようとする理香に亮治は低く笑った。
「ここまで寝こけろとは言ってないぞ」
呟くように言いながら、亮治は頼りなく脱力した腰に腕を廻して抱き上げた。タイトスカートのすそから忍び込ませた右手でウェスト周りのなぞり、器用にパンストを引き剥がす。
「やぁ、んー……」
艶を含んだ甘い声にやっと目覚めたのかと亮治は顔を上げたが、理香のまぶたは閉じたままだった。
「おまえは……無防備にも程があるぞ」
男の前でこのような姿を晒すのはさすがに問題があると、亮治は顔をしかめた。
下唇を突き出した理香の寝顔は、拗ねる子どものようにも快感に熱い息を吐いているようにも見える、奇妙な色気を振りまいていた。腕を縛られスカートをめくり上げられた姿と相まって、その表情はひどく悩ましい。これでは男に襲われても仕方がないと、亮治は自分のしたことを棚に上げ、勝手な理論で眉をひそめた。
昨日、一年前から誰とも寝ていないと理香は言っていたが、亮治と別れたのは五年前なのだから、四年間は他の男との付き合いもあっただろう。それなりの年齢の男女が好き合えば抱き合うのは自明の理だ。けれど、理香が他の男に抱かれていたと考えると、どんなことをしたのかどんなことをされたのかと、どす黒い感情が亮治の中にこみ上げてくる。歪んだ情欲が内側から突き上げる。留学先での自分の過去から視線をそらし、亮治は内心で暗く笑った。首を巡らせるように周囲をぐるりと眺め、執務机の横に立てかけられていた細い棒に目を留めた。
-つづく-
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