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R18 らぶえっち小説Blog
えっちな表現が盛りだくさんにつき、18歳未満&清純派さん回れ右!
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この指を伸ばす先-52
2007年06月20日 (水)
「ふん」
 達也が立ち去ってたっぷり十分以上も経ってから、亮治は手にしていたボールペンを放り出した。パソコンの画面に向けていた視線を天井へと放ち、一人掛けのソファとも見間違えるような大きな椅子に全体重をかけるように沈み込んで脚を組む。床からわずかに浮いた右のつま先をイライラと揺らしながら唇を尖らせた。
「あと一歩踏み込みにくい、か。――確かに、なかなか警戒心も強い」
 達也の残して行った言葉を反芻し、そして二時間ほど前の状況を思い出し、亮治は口の中で小さく呟いた。
『あたしはもう二度と先輩には騙されませんっ!』
 快楽の余韻が残った細い身体が拒絶のまなざしを向けてくるとは、亮治には思いも寄らないことだった。しなだれるように腕の中に収まってくれるものだと信じていた。陵辱の跡を拭い身支度をする硬い背中に再度手を延べることは、さすがの亮治にもできなかった。何事もなかったように「今日はもう帰っていいぞ」と告げるのが精一杯だった。
「完璧に落としたと思ったんだがな」
 がしがしと乱暴に髪を掻きあげる。
 これから何度愛の言葉を囁いてもあの頑なさは崩れないのだろうかと、亮治は深く嘆息した。
「五年の壁、か」
 出合った頃から変わらないのんびりした性格には、なぜか奇妙なほど気の強い一部分が潜んでいた。ごく普通の一年生が生徒会長に楯突く姿に、学校中の話題と視線が集中していたものだった。優等生として良家の次男坊として我がまま放題に育ってきた亮治は、始めこそ反抗する後輩に苛立ってはいたものの、次第に理香の態度がひどく新鮮で面白いことに気付いた。その後、生徒会長の地位を利用しては生徒会に理香を呼び寄せ、ことあるごとにくだらない言い争いを吹っかけてはその反応を楽しんでいた。
 気の置けないケンカ友だちからいつしか男女の関係となり、そして――。
 酒の勢いとは言え、バカな賭けをするんじゃなかった。
 再び溜息をつくと亮治は上着のポケットから携帯電話を取り出した。小さなボタンを数度押し、シークレットフォルダに仕舞い込んだ画像を呼び出す。薄い液晶画面に映し出されたのは、心ここにあらずと言った虚ろな上目遣いの理香のバストショットだった。口元からあらわになった胸までを白濁液で汚された卑猥な画像に亮治は一瞬頬を緩め、けれどまたもや溜息をついた。
 何が何でも理香を手に入れなければならない。達也が何を考えているのかその本音はわからないが、ぼやぼやしていては自分の身が危うくなることだけは確かだった。この際、手段を選んでいる場合ではない。そんなつもりで撮った写真ではないが、必要ならばこれも利用する。焦燥感に駆られながら亮治は画面を閉じた。
 ただ、問題もある。それもひどく切実な問題だった。
「本気で嫌われるな……」
 四度目の溜息はこれ以上はないほど重かった。

 -つづく-
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