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2007年05月25日 (金)
無邪気にもぐもぐと頬を膨らませながら、口の端についたマヨネーズを舌先でちろりと舐め取る仕草のあでやかさ。そのギャップに目を奪われてしまう。
「美味しい?」
「うん」
どことなく困ったような表情のまま、それでも彼女は微笑んでくれる。
この笑顔だけで充分だ。これ以上、彼女に何を求めるつもりもない。敢えて言えば、これからも俺と一緒にいたいと思ってくれればベストだけれど。
「俺は、美雪さんのためになんでもしてあげたい。実際に俺ができることなんて限られてくるから、なんでもってわけにはいかないけど」
できることならば、すべてを叶えてあげたいけれど。
「だからさ、もうそんなこと気にしないで」
なのに、この単純な願いはなかなか伝わってくれない。
「でも……」
口ごもり目を伏せるその表情は、とても納得してくれたようには見えない。これはどうやら、俺が思っていたよりも根が深いようだ。仕方ないなと肩をすくめる。
「だったらさ、今度作ってよ」
「う、うん」
俺の提案に彼女は安堵と不安の色を同時に見せた。自らを料理ベタだと言いながらも作ってあげたいのだと主張する。その不安定なバランスの上でゆらゆら揺れる様がおかしくて、けれど愛しくて。
「メニュは、そうだな、パンと目玉焼きとサラダ。それにコーヒー」
二人のための朝食を。
「そんな簡単なもの……」
唇を尖らせるようにそう言いかけて、けれど彼女は上目遣いに俺を見た。
「そんなのでいいの?」
「充分」
一緒に眠って一緒に朝を迎えて、そして彼女が作ってくれた朝食を一緒に食べる。これ以上の食事があるだろうか。普段はブラックで飲むコーヒーも彼女とお揃いに砂糖とミルクを入れる。甘ったるいコーヒーのほうがこんな朝に似合うだろう。
-つづく-
「美味しい?」
「うん」
どことなく困ったような表情のまま、それでも彼女は微笑んでくれる。
この笑顔だけで充分だ。これ以上、彼女に何を求めるつもりもない。敢えて言えば、これからも俺と一緒にいたいと思ってくれればベストだけれど。
「俺は、美雪さんのためになんでもしてあげたい。実際に俺ができることなんて限られてくるから、なんでもってわけにはいかないけど」
できることならば、すべてを叶えてあげたいけれど。
「だからさ、もうそんなこと気にしないで」
なのに、この単純な願いはなかなか伝わってくれない。
「でも……」
口ごもり目を伏せるその表情は、とても納得してくれたようには見えない。これはどうやら、俺が思っていたよりも根が深いようだ。仕方ないなと肩をすくめる。
「だったらさ、今度作ってよ」
「う、うん」
俺の提案に彼女は安堵と不安の色を同時に見せた。自らを料理ベタだと言いながらも作ってあげたいのだと主張する。その不安定なバランスの上でゆらゆら揺れる様がおかしくて、けれど愛しくて。
「メニュは、そうだな、パンと目玉焼きとサラダ。それにコーヒー」
二人のための朝食を。
「そんな簡単なもの……」
唇を尖らせるようにそう言いかけて、けれど彼女は上目遣いに俺を見た。
「そんなのでいいの?」
「充分」
一緒に眠って一緒に朝を迎えて、そして彼女が作ってくれた朝食を一緒に食べる。これ以上の食事があるだろうか。普段はブラックで飲むコーヒーも彼女とお揃いに砂糖とミルクを入れる。甘ったるいコーヒーのほうがこんな朝に似合うだろう。
-つづく-
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