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2007年04月29日 (日)
赤黒い鶏の上に緑の貝割れ大根、そしてざっくりとかかったアイボリーのマヨネーズの対比が鮮やかだった。残り物にしては上出来だろう。そう納得してカウンタに置き隣にグラスビールを並べ、そして割り箸を手渡す。
「お待たせです、リョウさん。どうぞ」
「お、うまそうじゃん。さんきゅー」
ぱちりと箸を割る音を聞きながら取り出したタバコに火を点けた。できあがった丼をぱくつく横顔を眺めながらゆっくりと煙を吹き上げる。
「うん、うまい」
「ありがとうございます」
些細なことではあるけれど、それでも自分が作ったものを美味しそうに食べてくれると気分がいいものだ。どこかくすぐったいような不思議な達成感がある。
これは、自分で作っておいてなんだけど結構いい感じだ。美味しそうに見えて意外に簡単で、材料もすぐに揃うものばかりだ。今度、美雪さんに作ってあげよう。いつもコンビニのお弁当食べてるみたいだし……。
ふとそう思った瞬間、自然と口元が緩んだ。
「やらしいよシズ、ニヤニヤ笑っちゃって。このあとなんかイイコトの予定でもあんの?」
「違いますよー。帰って寝るだけです」
逢えればいいなとは思うけれど、美雪さんは今頃は気持ちよく夢の中だろう。
彼女はいわゆる普通の時間帯で仕事をしているのだから、深夜型の俺につき合わせるのは気が引ける。それなら早く寝て早く起きて、俺が彼女の生活サイクルに併せるほうがいい。健康的だし、何より彼女に負担を掛けずに済む。
「えー、ホントに?」
「本当ですよ」
それでも、彼女のことを思うだけでその名前を思うだけで、嬉しい。
-つづく-
「お待たせです、リョウさん。どうぞ」
「お、うまそうじゃん。さんきゅー」
ぱちりと箸を割る音を聞きながら取り出したタバコに火を点けた。できあがった丼をぱくつく横顔を眺めながらゆっくりと煙を吹き上げる。
「うん、うまい」
「ありがとうございます」
些細なことではあるけれど、それでも自分が作ったものを美味しそうに食べてくれると気分がいいものだ。どこかくすぐったいような不思議な達成感がある。
これは、自分で作っておいてなんだけど結構いい感じだ。美味しそうに見えて意外に簡単で、材料もすぐに揃うものばかりだ。今度、美雪さんに作ってあげよう。いつもコンビニのお弁当食べてるみたいだし……。
ふとそう思った瞬間、自然と口元が緩んだ。
「やらしいよシズ、ニヤニヤ笑っちゃって。このあとなんかイイコトの予定でもあんの?」
「違いますよー。帰って寝るだけです」
逢えればいいなとは思うけれど、美雪さんは今頃は気持ちよく夢の中だろう。
彼女はいわゆる普通の時間帯で仕事をしているのだから、深夜型の俺につき合わせるのは気が引ける。それなら早く寝て早く起きて、俺が彼女の生活サイクルに併せるほうがいい。健康的だし、何より彼女に負担を掛けずに済む。
「えー、ホントに?」
「本当ですよ」
それでも、彼女のことを思うだけでその名前を思うだけで、嬉しい。
-つづく-
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