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2006年10月16日 (月)
痛みに眼を閉じて声を殺して耐えていると、不意に彼はその動きを止めた。まぶたを引き上げて、閉じていた視界を開ける。眉をひそめて少し開いた唇のあいだから荒い息を吐き出す、彼の切なそうな表情がすぐそばにあった。
「シズくん……?」
「行く、よ。美雪……さん」
吐息交じりのその言葉の意味はわからなかった。目元に唇を押し付けるようにキスをすると、大きく息を吐いてわずかに腰を引いて、そして彼は体重を掛けるように一気に打ち込んできた。
「っ、んあああ……っ!!」
今まで経験したことのない、身体の中が裂けるような、内臓を直接殴られたような衝撃に耐え切れず悲鳴を上げた。初めて知ったそれは、痛みよりも吐き気に近い。胸をそらすように彼から逃げるように背をそらし、口をぱくぱくと開けてただ必死で息を吸う。
「ごめん。ゆっくりすると余計痛いから……大丈夫?」
気遣わしげな彼の声も耳に入らない。目じりから涙が流れる。
「美雪さん」
そのまま動かずに肌を合わせて抱きしめてくれる強い力に応えるように、わたしも彼の身体に腕を回した。指先に力を入れてぎゅっと抱きつく。彼の胸に抱きこまれてのどをそらして喘ぐ。声を出すこともできないまま、その代わりのようにぽろぽろと涙だけが落ちて行く。それは痛みのせいだけではないけれど。
「みゆ、き……さん」
彼の舌がまぶたの上下をてろりと舐めた。ちゅっと音を立てて吸い上げてくれる。少しくすぐったいその感触に、苦しい息の下から笑みがこぼれた。そっと視線を向けると彼と目が合う。戸惑ったように一瞬眉をひそめて、そして彼は曖昧な笑みを見せた。
「大丈夫?」
「ん。少し……ましになった」
ほっとしたように小さな息をつくと、彼の大きな手のひらが頬を撫ぜた。目じりの涙を指先で拭うようにしながら何度も軽いキスをくれる。
-つづく-
「シズくん……?」
「行く、よ。美雪……さん」
吐息交じりのその言葉の意味はわからなかった。目元に唇を押し付けるようにキスをすると、大きく息を吐いてわずかに腰を引いて、そして彼は体重を掛けるように一気に打ち込んできた。
「っ、んあああ……っ!!」
今まで経験したことのない、身体の中が裂けるような、内臓を直接殴られたような衝撃に耐え切れず悲鳴を上げた。初めて知ったそれは、痛みよりも吐き気に近い。胸をそらすように彼から逃げるように背をそらし、口をぱくぱくと開けてただ必死で息を吸う。
「ごめん。ゆっくりすると余計痛いから……大丈夫?」
気遣わしげな彼の声も耳に入らない。目じりから涙が流れる。
「美雪さん」
そのまま動かずに肌を合わせて抱きしめてくれる強い力に応えるように、わたしも彼の身体に腕を回した。指先に力を入れてぎゅっと抱きつく。彼の胸に抱きこまれてのどをそらして喘ぐ。声を出すこともできないまま、その代わりのようにぽろぽろと涙だけが落ちて行く。それは痛みのせいだけではないけれど。
「みゆ、き……さん」
彼の舌がまぶたの上下をてろりと舐めた。ちゅっと音を立てて吸い上げてくれる。少しくすぐったいその感触に、苦しい息の下から笑みがこぼれた。そっと視線を向けると彼と目が合う。戸惑ったように一瞬眉をひそめて、そして彼は曖昧な笑みを見せた。
「大丈夫?」
「ん。少し……ましになった」
ほっとしたように小さな息をつくと、彼の大きな手のひらが頬を撫ぜた。目じりの涙を指先で拭うようにしながら何度も軽いキスをくれる。
-つづく-
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