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2006年09月06日 (水)
「お湯の量減らすから、薄目開けてみて」
言われるがままにちょっとずつ目を開けているうちに、なんとなく痛みが減ってきた。ゆっくりと両目を開けて、パチパチとまばたきをする。どこかでまだヒリヒリと痛みの感覚が残っているような気もするけれど、我慢ができないほどでもない。
「もう大丈夫」
顔をそむけるようにお湯を避けてそう告げると、彼は軽い溜息をついた。
「よかった。びっくりした」
「ん、ごめんね」
ふうっと大きく息を吐いて手のひらで顔をぬぐって、そして目を上げる。すぐ前にある裸の胸に慌てて視線をそらした。
「な、なんで裸なのよっ」
「風呂に服着て入るほうが変でしょ?」
「そういうこと言ってんじゃないの! だいたい、いつのまに入ってきたのよっ」
「いや、さっき。そしたらいきなり『きらい』とか言われてさ。傷ついたよ」
悪びれもせず言いながら、彼はわたしを引き寄せた。思っていたよりも広い胸に抱きこまれて身動きが取れなくなる。直接触れる肌に動悸が高まる。
「だ、だって……」
「うん、わかってる。ごめん」
彼の身体は、その細身な外見に似合わず、意外なほどたくましかった。肩から胸への、薄く浮いた鎖骨の影が驚くほどに男っぽい。多分、男の人の色気ってこういうのを言うんだと思う。
「わたしのことより、その誰かのところへ行かないといけないんじゃないの? 急がなくていいの?」
わざと意地悪にそう言うと、彼は軽い溜息をついた。
-つづく-
言われるがままにちょっとずつ目を開けているうちに、なんとなく痛みが減ってきた。ゆっくりと両目を開けて、パチパチとまばたきをする。どこかでまだヒリヒリと痛みの感覚が残っているような気もするけれど、我慢ができないほどでもない。
「もう大丈夫」
顔をそむけるようにお湯を避けてそう告げると、彼は軽い溜息をついた。
「よかった。びっくりした」
「ん、ごめんね」
ふうっと大きく息を吐いて手のひらで顔をぬぐって、そして目を上げる。すぐ前にある裸の胸に慌てて視線をそらした。
「な、なんで裸なのよっ」
「風呂に服着て入るほうが変でしょ?」
「そういうこと言ってんじゃないの! だいたい、いつのまに入ってきたのよっ」
「いや、さっき。そしたらいきなり『きらい』とか言われてさ。傷ついたよ」
悪びれもせず言いながら、彼はわたしを引き寄せた。思っていたよりも広い胸に抱きこまれて身動きが取れなくなる。直接触れる肌に動悸が高まる。
「だ、だって……」
「うん、わかってる。ごめん」
彼の身体は、その細身な外見に似合わず、意外なほどたくましかった。肩から胸への、薄く浮いた鎖骨の影が驚くほどに男っぽい。多分、男の人の色気ってこういうのを言うんだと思う。
「わたしのことより、その誰かのところへ行かないといけないんじゃないの? 急がなくていいの?」
わざと意地悪にそう言うと、彼は軽い溜息をついた。
-つづく-
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