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R18 らぶえっち小説Blog
えっちな表現が盛りだくさんにつき、18歳未満&清純派さん回れ右!
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花を召しませ-25
2006年09月05日 (火)
 さっきの電話、誰からだったのかな。
 考えないようにいくら努力しても思考はそこへ行ってしまう。
 独り暮らしのアパートは勿論、実家のお風呂場よりも随分と広い洗い場で、洗面器に溜めたお湯を手のひらのメイク落としと混ぜて必要以上に丁寧に泡立てながら、思わず溜息をついた。
 この状況のわたしよりも、急に掛かってきた電話相手を彼は選んだ。そっちへ行こうとしている。相手は女の人だろうか。どういう関係だろう。考えていると際限なく落ち込みそうだった。
「わたし、バカみたい……?」
 壁に張り付いた鏡に問い掛ける。
 ひとりで浮かれて喜んで、誘われるままに簡単に許してしまうなんて、こんなところへ来ちゃうなんて、バカみたい?
 今にも泣きそうな顔がじっと見返してくるのに嫌気が差して、できあがった泡に顔に突っ込んだ。いつものように目元から馴染ませていると、じわりと浮いた涙がまだ洗っている途中なのに、勝手に泡を落とそうとする。乱暴に顔全体を洗い、手探りで洗面器を探して引き寄せた。お湯を叩きつけるように顔をじゃぶじゃぶと洗って、眼を閉じたまま顔を上げる。
「シズくんのばかーっ! きらいーっ!」
「――ごめん」
「えっ? わ、わわーっ」
 思いっきり叫んだ言葉に声が返ってきたという事実に驚いて振り向こうとして、椅子からずり落ちてしりもちをついた。その瞬間、急激な痛みが襲った。
「痛っ!」
 まだ流されずに残っていた泡が目に入ったらしい。沁みるような痛みに顔が歪む。目が開けられない。
「だ、大丈夫?」
「違う、そっちじゃなくって目が痛いのっ。シャワー出して!」
「あ、はい。――美雪さん、こっち向いて、顔上げて」
 お尻から手が離れて一呼吸、ぬるめのお湯が顔を流れた。酸素が足りなくなった魚のようにぱくぱくと口を開けて息をする。

  -つづく-
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