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R18 らぶえっち小説Blog
えっちな表現が盛りだくさんにつき、18歳未満&清純派さん回れ右!
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あたしの彼はご主人さま-16
2005年12月21日 (水)
「高見ー」
 放課後の教室で鞄に教科書を入れていると、名前を呼ばれた。振り返るとドアの向こうに見慣れた人影が立っていた。周囲を素早く見回して先生がいないことを確認してから、彼は教室に入ってきた。
 さらさらの前髪を綺麗に揃えてて、ちょっと細めであまり背は高くない。それほど目が大きいわけじゃないけど、どこか男になりきれてない感じの中性的な綺麗さがあって、美少年という表現が一番相応しい。あんな可愛い弟が欲しいと学園祭でアイドルに祭り上げられたこともある。もっとも、本人はかっこいい男に憧れているらしくて、自分の容姿について不満を漏らしていた。プロテインを飲もうかと悩んでいるらしい。前に一度、そんな話を聞いたことがあった。
「なに、安川くん」
 学校では互いに苗字で呼び合うこと。これが生徒間での暗黙のルールだった。
 あたしの通ってる高校はいわゆる進学校で、このご時世にも男女交際禁止を先生たちが堂々と言うようなお堅い学校だった。勿論、みんなそんなことを真面目に守っているわけはなくて、バレないように付き合ってるけど、でも公には誰も彼氏彼女はいないことになっていた。
「高見さ、今日このあと、予定ある?」
 訊かれてあたしは頷いた。
「図書館に行こうかと思ってたんだけど、なあに?」
 うちは片親でそんなに裕福な家じゃないから、塾とかは行ってない。貧乏なあたしが私立の高校に入れたのは、奨学生推薦枠のテストに運良く受かったから。奨学生はある一定の成績を維持することが義務付けられてたから、勉強は教科書と通信学習の教材でやってた。参考書はさすがに買うけど、それ以外は図書館で借りて済ませてる。雑誌なんかもできるだけ買わないようにしてる。ママはあたしが困らないよう気を使ってくれてて、お小遣いはそれなりにくれたけど、でも細々したものを買ってると、いつのまにかなくなっちゃう。
「あ、ああ、そうなんだ」
 彼氏はぱちぱちとまばたきをしながら頷いて、そしてちょっと意味深な眼をした。
「俺も、一緒に行くよ。ちょうど借りたい本があるから」
 言いながら、あたしの顔を覗き込むように笑った。
「そのあと、ちょっと付き合って欲しいんだけど」
 ああ、そういうことか。

  -つづく-
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