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2006年06月17日 (土)
「確かに、姉さんの名刺だな」
室内灯に透かすように眺めると、ユーキさんは納得したように頷いた。後部座席で彼の肩にもたれてその体温に口元を緩めながら、でもあたしはわざと不機嫌な声を出す。
「あたしの言うこと、信じてなかったんだ?」
「あ、うん。い、いや、そうじゃなくって。でもちょっと……。しかもこれ、プライベート用の名刺だしさ」
慌てたように早口でしゃべりながら、彼はあたしを強く抱き寄せる。どう考えてもごまかそうとしてるなあって感じだけど。
「プライベート用?」
「うん、そう。ほら、メールアドレスが携帯電話のだろ? 仕事の相手にはパソコンのアドレスを出すから、あの人は」
「ふぅん?」
そういうもんなのかな。
「千紗ちゃん、大丈夫だった?」
疑問っぽい言葉を投げ掛けられて目の前にあった名刺から顔を上げた。あたしを見下ろしていた優しい微笑みと目が合って、ドキっとする。ボタンが外れてくしゃくしゃに乱れたシャツのユーキさんは、なんかいつもとちょっと違う感じにカッコいい。男の人がセクシーって、こういう雰囲気を言うのかも。
「大丈夫って、何が?」
「いや、初対面でプライベート用の名刺をもらうって、なかなかあることじゃないから。それに……あの人は、その……」
もしかしてというか、もしかしなくても多分、あのことを訊こうとしてるんだろう。
知ってるのかな、葵さんのこと。そりゃ知ってるかな。司さんだって知ってたみたいだったし。葵さんのあの態度からも、隠すつもりとかあんまりなさそうだったし。
どうしよう。黙っておいたほうがいいかな。というか、あんまり言いたくないなあ。襲われたに限りなく近かったけど、でもあたし、その……何回もイっちゃったし。葵さんってすごくキレイだから、嫌悪感とかあんまり沸かなかったし。でも、もうあんな目には遭いたくないけど。
-つづく-
室内灯に透かすように眺めると、ユーキさんは納得したように頷いた。後部座席で彼の肩にもたれてその体温に口元を緩めながら、でもあたしはわざと不機嫌な声を出す。
「あたしの言うこと、信じてなかったんだ?」
「あ、うん。い、いや、そうじゃなくって。でもちょっと……。しかもこれ、プライベート用の名刺だしさ」
慌てたように早口でしゃべりながら、彼はあたしを強く抱き寄せる。どう考えてもごまかそうとしてるなあって感じだけど。
「プライベート用?」
「うん、そう。ほら、メールアドレスが携帯電話のだろ? 仕事の相手にはパソコンのアドレスを出すから、あの人は」
「ふぅん?」
そういうもんなのかな。
「千紗ちゃん、大丈夫だった?」
疑問っぽい言葉を投げ掛けられて目の前にあった名刺から顔を上げた。あたしを見下ろしていた優しい微笑みと目が合って、ドキっとする。ボタンが外れてくしゃくしゃに乱れたシャツのユーキさんは、なんかいつもとちょっと違う感じにカッコいい。男の人がセクシーって、こういう雰囲気を言うのかも。
「大丈夫って、何が?」
「いや、初対面でプライベート用の名刺をもらうって、なかなかあることじゃないから。それに……あの人は、その……」
もしかしてというか、もしかしなくても多分、あのことを訊こうとしてるんだろう。
知ってるのかな、葵さんのこと。そりゃ知ってるかな。司さんだって知ってたみたいだったし。葵さんのあの態度からも、隠すつもりとかあんまりなさそうだったし。
どうしよう。黙っておいたほうがいいかな。というか、あんまり言いたくないなあ。襲われたに限りなく近かったけど、でもあたし、その……何回もイっちゃったし。葵さんってすごくキレイだから、嫌悪感とかあんまり沸かなかったし。でも、もうあんな目には遭いたくないけど。
-つづく-
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