--年--月--日 (--)
上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。
新しい記事を書く事で広告が消せます。
+++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++
2006年05月01日 (月)
「そりゃ、多少の知識は必要だけどさ。でも大丈夫だよ。俺だって最初はなんにも知らなかったし」
千紗ちゃんなら大丈夫だって。
その声があまりにも真面目すぎたから、あたしは思わず眉をひそめた。
「本気で言ってるの?」
「うん、結構。よそにバイトに行くくらいなら、俺のところへ来てよ」
ユーキさんがそう言ってくれるのはとても嬉しいけど、あたしだってできることならそうしたいくらいだけど、でも。
「でも、本当は違うんだよね」
意地悪かなとも思ったけど、でもあたしはそれを言った。案の定、ユーキさんは黙り込んでしまったけど。
「ユーキさんは、ホントはあたしと一緒に仕事がしたいんじゃないよね」
ユーキさんは、ホントはあたしの能力を認めてくれてるわけじゃない。
高校生相手に仕事の話をして、学校のレベルがどうとかって問題じゃないくらい、あたしにだってわかる。そうじゃなかったら会社で新人研修なんてする必要ない。千紗ちゃんなら大丈夫って俺の仕事手伝ってってユーキさんの言葉は、そう言う意味じゃなくって。
もっと単純な望みがそこに隠れてるだけ。
「逢いたいね」
言っちゃいけないと思うよりも先に口から滑り出てしまった言葉は、心からの願い。
「――うん。逢いたいね」
ぽつりと呟くようなユーキさんの声にあたしは息を止める。
「ごめん。もうちょっとだから」
言いにくそうな苦しそうな響きに、本当は泣きそうになったけど。
「うん。待ってるから」
信じてるから。
信じてるから、平気じゃないけど大丈夫。あたしはまだ我慢できる。
-つづく-
千紗ちゃんなら大丈夫だって。
その声があまりにも真面目すぎたから、あたしは思わず眉をひそめた。
「本気で言ってるの?」
「うん、結構。よそにバイトに行くくらいなら、俺のところへ来てよ」
ユーキさんがそう言ってくれるのはとても嬉しいけど、あたしだってできることならそうしたいくらいだけど、でも。
「でも、本当は違うんだよね」
意地悪かなとも思ったけど、でもあたしはそれを言った。案の定、ユーキさんは黙り込んでしまったけど。
「ユーキさんは、ホントはあたしと一緒に仕事がしたいんじゃないよね」
ユーキさんは、ホントはあたしの能力を認めてくれてるわけじゃない。
高校生相手に仕事の話をして、学校のレベルがどうとかって問題じゃないくらい、あたしにだってわかる。そうじゃなかったら会社で新人研修なんてする必要ない。千紗ちゃんなら大丈夫って俺の仕事手伝ってってユーキさんの言葉は、そう言う意味じゃなくって。
もっと単純な望みがそこに隠れてるだけ。
「逢いたいね」
言っちゃいけないと思うよりも先に口から滑り出てしまった言葉は、心からの願い。
「――うん。逢いたいね」
ぽつりと呟くようなユーキさんの声にあたしは息を止める。
「ごめん。もうちょっとだから」
言いにくそうな苦しそうな響きに、本当は泣きそうになったけど。
「うん。待ってるから」
信じてるから。
信じてるから、平気じゃないけど大丈夫。あたしはまだ我慢できる。
-つづく-
+++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++