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2006年04月11日 (火)
「まだ時間あるから、もうちょっと寝させて」
呟くように言いながら、彼はあたしを強く抱きしめて眼を閉じた。
「ね、ねえ、ユーキさんっ……」
「あとで送って行くから。お願いだから、もうちょっとだけ……」
聞き取り難いくぐもった声でそれだけを言うと、ユーキさんは穏やかな寝息を立て始めた。でもあたしは、ユーキさんの胸に頬を当てた体勢で抱きしめられて、お腹の辺りにユーキさんのが当たってたりして、ドキドキで眠るどころじゃない。
――そっか。
ユーキさん、学校とお仕事の両立で眠る暇もなかったんだっけ。そんなに忙しかったのに疲れてただろうに、帰ってきてくれて身体洗ってくれてえっちしてくれて、そしてあたしをここまで運んでくれたんだ。
あたしのため?
ねえ、それって、あたしのためだって思ってもいい?
じわっと涙が沸いてくる。眼を閉じて胸に頬をすり寄せた。
彼の心音を聞きながら、あたしは随分前のあのインタビュー記事のことを思い出していた。一日の睡眠時間は移動時間次第だとか笑って答えていて、あたしは全然笑いごとじゃないとか思ってちょっと腹を立てたり心配したりしてたけど。でも当たり前だけど、しんどかったのはユーキさん自身だったんだから。あたしが思っていたよりずっと大変だったんだと思う。
眠る暇もないような一日が日常って、どんな感じなんだろう?
「ごめんね。あのとき、嘘ついて」
大好きなのにひどいこと言って、ごめんね。
あたしはユーキさんのためだと思ったけど、でもあたしの取った行動が彼にとってよかったかどうかはわからない。あたしが彼にとってどんな存在なのかもわからない。ユーキさんが本当はあたしをどう思ってるのかもわからない、けど。
でも、あたしのことを『俺の女』って言ってくれたから。怒ってくれたから。キスしてくれたから。抱きしめてくれたから。えっちしてくれたから。今も、ここに、あたしの隣にいてくれるから。
「だいすきだよ」
呟くようにそれだけ言って目の前の広い胸に軽くキスした。彼の匂いと体温と肌と寝息がとても心地よくて、このままが永遠に続いたらいいのにって思った瞬間、涙がこぼれた。
-つづく-
呟くように言いながら、彼はあたしを強く抱きしめて眼を閉じた。
「ね、ねえ、ユーキさんっ……」
「あとで送って行くから。お願いだから、もうちょっとだけ……」
聞き取り難いくぐもった声でそれだけを言うと、ユーキさんは穏やかな寝息を立て始めた。でもあたしは、ユーキさんの胸に頬を当てた体勢で抱きしめられて、お腹の辺りにユーキさんのが当たってたりして、ドキドキで眠るどころじゃない。
――そっか。
ユーキさん、学校とお仕事の両立で眠る暇もなかったんだっけ。そんなに忙しかったのに疲れてただろうに、帰ってきてくれて身体洗ってくれてえっちしてくれて、そしてあたしをここまで運んでくれたんだ。
あたしのため?
ねえ、それって、あたしのためだって思ってもいい?
じわっと涙が沸いてくる。眼を閉じて胸に頬をすり寄せた。
彼の心音を聞きながら、あたしは随分前のあのインタビュー記事のことを思い出していた。一日の睡眠時間は移動時間次第だとか笑って答えていて、あたしは全然笑いごとじゃないとか思ってちょっと腹を立てたり心配したりしてたけど。でも当たり前だけど、しんどかったのはユーキさん自身だったんだから。あたしが思っていたよりずっと大変だったんだと思う。
眠る暇もないような一日が日常って、どんな感じなんだろう?
「ごめんね。あのとき、嘘ついて」
大好きなのにひどいこと言って、ごめんね。
あたしはユーキさんのためだと思ったけど、でもあたしの取った行動が彼にとってよかったかどうかはわからない。あたしが彼にとってどんな存在なのかもわからない。ユーキさんが本当はあたしをどう思ってるのかもわからない、けど。
でも、あたしのことを『俺の女』って言ってくれたから。怒ってくれたから。キスしてくれたから。抱きしめてくれたから。えっちしてくれたから。今も、ここに、あたしの隣にいてくれるから。
「だいすきだよ」
呟くようにそれだけ言って目の前の広い胸に軽くキスした。彼の匂いと体温と肌と寝息がとても心地よくて、このままが永遠に続いたらいいのにって思った瞬間、涙がこぼれた。
-つづく-
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