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2006年04月12日 (水)
いろいろと考えているうちに、あたしはいつのまにか眠ったらしい。髪を撫でられる感覚で目が覚める。ゆっくり目を上げると、そこにユーキさんがいた。
「おはよう」
「おはよ……」
ぼんやりと頷き返すと、ユーキさんはにっこり笑って、そしていきなりぎゅっと抱きしめてきた。顔を裸の胸にぎゅっと苦しいくらいに押し付けられて、思わず暴れる。
「や、やめっ! 鼻がつぶれる~!」
「ああ、ごめん」
「なんなのよー、もうー」
ユーキさんの力が緩んだ隙に強く胸を押し返して離れた。ぶつぶつ文句を言いながら、本当に潰れたんじゃないかと思ったくらいの鼻をつまんでこする。
「夢だったんだ。千紗ちゃんに、おはようって言うのが」
突然の言葉に驚いてあたしは顔を上げた。あたしをじっと見ているユーキさんのその眼に何も言えなくなる。息が詰まるような数秒のあと、ユーキさんは眼を伏せるようにあたしから視線をそらした。
「あれから、ずっと考えてたんだ」
言いながら、ユーキさんはゆっくりとベッドの上に身を起こした。つられるようにあたしも起き上がる。胸まで毛布を引き上げて身体に巻きつけてそしてユーキさんを見たけど、ユーキさんはあたしを見てなかった。お腹の前で手を握り締めるように組み合わせて、そしてその指をじっと見つめていた。
「俺が悪いのはわかってたし、千紗ちゃんが俺を嫌いになるのも無理はないと思った。騙してたって、嘘ついてたって言われても仕方ない。いろいろと黙ってたのは事実だし」
ぐしゃぐしゃと乱暴に髪を掻き上げて、そしてユーキさんは深い溜息をついた。
-つづく-
「おはよう」
「おはよ……」
ぼんやりと頷き返すと、ユーキさんはにっこり笑って、そしていきなりぎゅっと抱きしめてきた。顔を裸の胸にぎゅっと苦しいくらいに押し付けられて、思わず暴れる。
「や、やめっ! 鼻がつぶれる~!」
「ああ、ごめん」
「なんなのよー、もうー」
ユーキさんの力が緩んだ隙に強く胸を押し返して離れた。ぶつぶつ文句を言いながら、本当に潰れたんじゃないかと思ったくらいの鼻をつまんでこする。
「夢だったんだ。千紗ちゃんに、おはようって言うのが」
突然の言葉に驚いてあたしは顔を上げた。あたしをじっと見ているユーキさんのその眼に何も言えなくなる。息が詰まるような数秒のあと、ユーキさんは眼を伏せるようにあたしから視線をそらした。
「あれから、ずっと考えてたんだ」
言いながら、ユーキさんはゆっくりとベッドの上に身を起こした。つられるようにあたしも起き上がる。胸まで毛布を引き上げて身体に巻きつけてそしてユーキさんを見たけど、ユーキさんはあたしを見てなかった。お腹の前で手を握り締めるように組み合わせて、そしてその指をじっと見つめていた。
「俺が悪いのはわかってたし、千紗ちゃんが俺を嫌いになるのも無理はないと思った。騙してたって、嘘ついてたって言われても仕方ない。いろいろと黙ってたのは事実だし」
ぐしゃぐしゃと乱暴に髪を掻き上げて、そしてユーキさんは深い溜息をついた。
-つづく-
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