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2006年04月02日 (日)
五秒ほどじっとあたしを見つめてから、彼はちょっとだけ笑った。
「いいだろう、挿れてやる」
かすれた声でそれだけを言うと、左腕であたしの右足をひじに引っ掛けるように持ち上げた。バランスが取れなくなって後ろへ倒れそうになったけれど、彼が腕でかばってくれたから頭を壁に打ち付けずに済んだ。ほっとしたのもつかの間、腰を突き出すように引っ張られて、そして彼のがそこに触れた。
「挿れるぞ、千紗」
あたしを真正面からじっと見て、そして彼は短くそう言った。
「はい、ご主人さま」
彼のそのまなざしを、あたしは一生忘れないと思う。泣きそうにも優しく笑っているようにも思えた、その目。
大好きな人。あたしの大好きな人。
あたしの、ご主人さま。
「ああ、く、あくっ」
「く、う……」
ゆっくりと彼があたしの中へ入ってくる。何ヶ月ぶりかの彼のものは、気持ちいいと言うには程遠かったけど、でも。
「痛いか?」
ちょっとだけど、彼の息が乱れているのがわかる。これだけで彼が何か反応してくれるって言うのはすごく珍しくて、だからそれは嬉しかったけど。
「だいじょうぶ、です。大丈夫……。く、ううっ」
じりじりと入り込んでくる引き裂かれそうな痛みに、逃げるつもりなんかないのに、勝手に身体が逃げようとする。
「千紗、我慢できるか。ムリならそれでもいいぞ」
「いやっ。やめないで、お願いっ!」
腰を引きそうになった彼を制するように、あたしは声を上げる。縛られたままの手首がもどかしい。自由なら、彼を思いっきり抱きしめるのに。
-つづく-
「いいだろう、挿れてやる」
かすれた声でそれだけを言うと、左腕であたしの右足をひじに引っ掛けるように持ち上げた。バランスが取れなくなって後ろへ倒れそうになったけれど、彼が腕でかばってくれたから頭を壁に打ち付けずに済んだ。ほっとしたのもつかの間、腰を突き出すように引っ張られて、そして彼のがそこに触れた。
「挿れるぞ、千紗」
あたしを真正面からじっと見て、そして彼は短くそう言った。
「はい、ご主人さま」
彼のそのまなざしを、あたしは一生忘れないと思う。泣きそうにも優しく笑っているようにも思えた、その目。
大好きな人。あたしの大好きな人。
あたしの、ご主人さま。
「ああ、く、あくっ」
「く、う……」
ゆっくりと彼があたしの中へ入ってくる。何ヶ月ぶりかの彼のものは、気持ちいいと言うには程遠かったけど、でも。
「痛いか?」
ちょっとだけど、彼の息が乱れているのがわかる。これだけで彼が何か反応してくれるって言うのはすごく珍しくて、だからそれは嬉しかったけど。
「だいじょうぶ、です。大丈夫……。く、ううっ」
じりじりと入り込んでくる引き裂かれそうな痛みに、逃げるつもりなんかないのに、勝手に身体が逃げようとする。
「千紗、我慢できるか。ムリならそれでもいいぞ」
「いやっ。やめないで、お願いっ!」
腰を引きそうになった彼を制するように、あたしは声を上げる。縛られたままの手首がもどかしい。自由なら、彼を思いっきり抱きしめるのに。
-つづく-
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