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R18 らぶえっち小説Blog
えっちな表現が盛りだくさんにつき、18歳未満&清純派さん回れ右!
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あたしの彼はご主人さま(2) -17
2006年02月27日 (月)
 視界が滲んで揺れたと思ったときには、もう遅かった。あっという間に膨らんだ涙が落ちる。スカートのポケットから慌てて出したハンドタオルで目元を拭いて、でも止まらない。
 三日間泣いて涙なんてもう枯れたと思ったのに。そう思ったからやっと会うことにしたのに。会う決心がついたのに。どうしよう、このまま涙が止まらなかったら。彼の前で泣いちゃったら。優しくされたら流されちゃいそう。
 視線を伏せて目を鼻を乱暴にぬぐって、あたしは声を押し殺した。
 泣かない。泣かないでちゃんとお別れして、これで終わりにして。でないと……。
「――千紗ちゃん?」
 後ろから降ってきた声に、心臓が止まりそうになった。反射的に優しい笑顔を思い出して振り返ろうとして、でもあたしは動かなかった。振り向かなかった。
「千紗ちゃん……」
 頭にそっと触れる、大きな手。ゆっくりと髪を撫ぜられる。手を振り払って怒ってもいいのにそうしたほうがいいと思うのに、でも嬉しい。彼があたしにさわってくれるのが嬉しい。
 どうしよう。
 好きなんだ。やっぱりあたし、ユーキさんのこと好きなんだ。
 ユーキさんの誰にも言えないような性癖を知ったときも、あたしは揺らがなかった。そんなこと関係なかった。好きだった。どんなひどいことされてもひどい言葉を投げ付けられても、何をされても平気だった。
 大好きだった。大好き。今も大好き。
 ――だけど。だから。
「千紗ちゃん、話って……」
「ユーキさんなんて、大っ嫌いっ!」


  -つづく-
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