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R18 らぶえっち小説Blog
えっちな表現が盛りだくさんにつき、18歳未満&清純派さん回れ右!
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あたしの彼はご主人さま(2) -16
2006年02月26日 (日)
 ふうっと大きく息を吐いて、あたしは壁の丸い時計を見上げた。
 いつだってあたしのほうが遅く着くから、というか、あたしが遅れたってわけじゃなくって、いや、そういうことも結構あったかな。でもそのことで何か言われたことなんか一回もなくって、だからなんにも思わなかったけど。あたし、今までずっと待たせてたんだなあ。悪いことしてたんだなあ。そんなことを考えながら、砂糖の入れすぎで甘ったるくて、しかもぬるくなったカフェラテにちょっとだけ口をつける。
 天井近くのスピーカから、重なるハーモニーが特徴的な男性二人ユニットの優しい歌声が、控えめな音量で流れていた。高校を舞台にした、あたしたちとあまり変わらない年頃の男女が主人公のドラマ。その一番盛り上がるシーンで流される、とてもストレートな恋の言葉の歌。見るともなく何度か見て、聴くともなく聴いて、なんとなく覚えている。

 何度抱きしめても何度キスしても、それでも不安になる。
 本当にきみに伝わってるだろうか。
 こんなに愛してると、ちゃんと伝わっているだろうか。

「あたしが悪いんじゃないもん」
 あたしを騙したユーキさんが、婚約者がいることをあたしに黙ってたユーキさんが悪いんだ。大っ嫌い。顔も見たくない。
「婚約者だって。バッカみたい。いつの時代よ」
 ――心からそう思えたら、どんなに楽だろう。


  -つづく-
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