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R18 らぶえっち小説Blog
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メメント・アモル-6
2011年01月18日 (火)
 あぁ、そう言えば、お兄ちゃんは一人暮らしするって言ってたっけって頷くあたしの目の前に、薄いピンクの液体で満たされたマグカップがコトンと置かれた。
「はい、こっちがまゆの」
 もわりと湯気を放つ白い円筒形の上には、お花の上でミツバチが二匹並んで休憩してる絵がクレヨンみたいなやわらかな線で描かれていた。
「あ、ありがと」
「どうしたしまして」
 軽く肩をすくめながらトレイに残ったマグカップを取り上げると、ヒロ兄ちゃんはあたしのすぐ隣に腰を下ろした。体温が伝わりそうなくらいの距離に顔が鼓動が早くなってしまう。ちらっと手元を見ると、ヒロ兄ちゃんのマグはお花じゃなくってクローバーの上を飛んでるデザインで、確かにあたしだったら今使ってるのがいいって主張しそう。部屋に置いてある家具とかもそうだけど、あたしの好みが今とそれほど変わってないみたいで、そういうのはちょっと安心する。
 両手でくるみこむようにマグを持ち上げて一口だけこくりと飲んだ。ふわっと上がる甘酸っぱい香りは確かに好きだけど、でもお砂糖を入れて甘くしたほうが好きとか言うと、子ども扱いされちゃいそう。『あたし』はこの味がおいしいって思ってたのかな?
「ん、なに?」
 マグに口をつけたままそぉっと横目で見ていたのがバレたのか、ヒロ兄ちゃんは笑うのをガマンしてるような顔でこっちを見た。
「ううん、なんでもない」
「ウソつけ」
 あたしの返事を短い言葉で否定すると、ヒロ兄ちゃんは口元の笑みを消した。ふっと小さく息を吐いてマグカップをテーブルに戻して、ゆっくりとあたしを見た。
「そんな顔してないで、言ってごらん。答えられるだけ答えてあげるから」
 あたしをじっと見つめながらカウチに背を預けて、長い足を組む。こんなにすぐそばにヒロ兄ちゃんがいてあたしを見てるなんて、もうそれだけでドキドキして落ち着かない。レンズ越しに見つめられると、お茶してるさいちゅうのはずなのにのどがカラカラに乾いてくる。
「まゆが覚えてるかどうかは関係ない、とまでは言わないけど、でも俺たちは夫婦なんだ。そりゃ、突然のことで受け入れにくいかもしれないけど、それでも俺はこれからも夫婦であり続けたいし、そうできるように努力するつもりだよ」
「う、うん……」
 組んだ指をひざの上に置いて、怖いくらいまじめな顔で見つめてくる。記憶にある限り、今まで真剣な顔したヒロ兄ちゃんと真正面から向き合うなんて状況は全然なかったから、どうしていいかわかんない。

 -つづく-
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