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R18 らぶえっち小説Blog
えっちな表現が盛りだくさんにつき、18歳未満&清純派さん回れ右!
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マスカレイド2-125
2010年11月29日 (月)
「あ、まぁそれなら、許容範囲内だよね」
 一応もっともらしい顔で頷いてはみたけど、でもあたしと会う前にラペルピンを付けたんだぁって、そっちのほうが気になっちゃう。前から持ってたのかな、最近買ったのかな。男の人のアクセサリーなんて全然詳しくないけど、でもネクタイピンとかに比べると実用性ゼロな分だけかなりおしゃれだよね。ガッコじゃ普段ジャージかTシャツなくせに、今日だけこんなカッコなんて、ちょっと反則。ドキドキしちゃうじゃない。
「んだよ、厳しーなー」
 あたしがなにを考えてるか知らない先生は平和な顔で肩をすくめると、読みかけだった新書サイズの文庫本をパタンと閉じた。表紙には太い文字で大きく『不完全性定理』とか書いてあって、よくわかんないけどいかにも難しそう。派手な見た目はともかく、やっぱりこの人は学校の先生なんだなぁって思う。
「そう言えば、せんせは次はどうなったの? また担任持つの?」
「いや、一年の教科担。三年の担任は翌年はフリーって決まってんだ。一年休憩っつーか、まぁ、そういうの」
 あたしに視線を向けたまま、先生は足元に置いていた薄いビジネスマンが持ちそうな平べったいバッグを取り上げた。口の開いたジッパーの隙間に本を滑り込ませる。
「それよりか、そろそろ『先生』はやめろよ。もう俺はおまえの担任じゃねーし」
 よいしょ、とか言いながら腰を上げた先生があたしの顔を覗き込むように背を丸めて、軽く握ったこぶしでおでこをこつんと叩く。目を細めて笑う顔はかわいいしスーツ姿はカッコいいし、今日はなんかすごく照れちゃう。
「え、だって、他になんて呼んでいいかわかんないし」
「名前、知ってンだろ?」
 藤元武志。
 それはもちろん、知ってるけど。
「だって。なんかこう……は、はずかしい、じゃん」
「そっかぁ?」
 よくわかんないヤツだなって言いたげな顔で肩をすくめながら、先生はあたしの手から紙袋を取った。
「うわ、重っ。なんだこの本。教科書か?」
 指に食い込む細い紙ひもに顔をしかめながら、先生は軽々と紙袋を持ち上げた。いつもさりげなくあたしの荷物を持ってくれる。手馴れた仕草がホントにこの人は紳士なんだってわかる。エスコートとかも全然頑張ってるふうじゃなくって自然でスマート。やっぱり遊び慣れてるのかな、彼女がいないとかもウソなのかもって、ちょっと思っちゃったりもするときもあるんだけど。

 -つづく-
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