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R18 らぶえっち小説Blog
えっちな表現が盛りだくさんにつき、18歳未満&清純派さん回れ右!
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マスカレイド2-115
2010年10月27日 (水)
「ここに捨ててあったぞ」
「捨ててなんかないよっ、返して!」
 毛布から右手だけ伸ばして端っこをつかもうとしたけれど、見事な反応速度で急上昇したバスタオルは、指のあいだをすり抜けた。届かない位置でひらひらする、今のところ唯一のあたしの服が戻ってきてくれる気配は、全然ない。
「なぁ、春奈。遺失物法って知ってるか?」
 そう言ってニコニコ笑う楽しそうな顔は、子どもっぽくてかわいいって一瞬ちょっと思ってしまいそうだけど、でもそこに掛かってるのがあたしのバスタオルとなると、話は変わってくる。
「知らないよっ、とにかく返してっ!」
 右手をぐっと突き出したあたしに、先生は溜息つきでわざとらしく首を振った。
「だろうなぁ」
 一般常識の範囲内だと思うけどな、なんてつぶやく言葉がイヤミったらしい。物を知らなくて悪かったわね、だからそれがなんなのよって思いっきり睨みつけても、超余裕顔は全然変わらない。さっき、先生に悪いことしたかもって悩んでたのがバカバカしい。ごめんなさいってお風呂で思ってたのも、全部取り消しなんだから!
「遺失物法によるとだな、落とし主は拾い主に五から二十パーセント相当の報労金を払わなければならない」
「二十パーセント、って……バスタオルだよ?」
 それを言うなら、そもそもあたしは落としたつもりもないんだけど。
「うむ、不可能だな。だから、だな。持ち物じゃなくって持ち主から払わせればいいと俺は気づいたわけだ。と、言うわけで」
「きゃあぁっ」
 バスタオルをぽいと背後に投げ捨てた先生がダイブしてくる。それでなくても力が強い先生に体重をかけて毛布越しにぎゅうっと抱きしめられると、文字通りあたしは手も足も出ない。まぁ手足を出したところでつねったり引っかいたりが限界だし、無事逃げ出せたとしても実は裸だし、それを言うならそもそもホテルから逃げようもないんだけど。
「やっ、ちょ、ちょっと! せんせっ、ホントに苦しいっ」
「おまえの二十パーセント分をもらおうか」
「それちょっと意味わかんないし!」
 あたしのまっとうな抗議なんてどこ吹く風、理不尽な担当教師は聞く耳も持たず、がぷっと生徒の耳に歯を立てた。
「やぁっ、たすけてーっ!」
 思わず悲鳴を上げたあたしをおもしろがるように、先生は首すじにふぅっと息を吹きかける。まだ濡れた髪に当たった冷たい息に鳥肌が浮く。反射的に、あたしは唯一動かせる頭をぶんぶん振った。

 -つづく-
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コメント
この記事へのコメント
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2010/10/29(Fri) 23:43 |   |  #[ 編集]
 
はじめまして、もずくさん。
コメントありがとうございます!
毎日こられてもきっと更新できてないですし、気が向いたとき時間のあるときだけで充分ですよー。

そして1000個めエントリーにお褒めのお言葉ありがとうございます!
来月で丸5年、細々とですが続けてこられたのも、そっと見守ってくれてるみなさんのお陰ですっ
これからもどうぞよろしくお願いしますっ☆
2010/11/01(Mon) 18:37 | URL  | にゃお #-[ 編集]
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