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R18 らぶえっち小説Blog
えっちな表現が盛りだくさんにつき、18歳未満&清純派さん回れ右!
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マスカレイド2-66
2010年04月13日 (火)
「せんせ、受かったぁっ!」
 職員室に向かって廊下をのしのし歩くおっきな背中に声をかけると、その足はぴたりと止まった。振り返ろうとする肩の横を駆け抜けて、鼻先に届いたばかりの合格通知のメール画面に突きつける。
「おおっ、芝口! よしよし! ってか、まぁ、予想通りだな。おまえは大丈夫だって言ったろ」
 ケータイ画面とあたしを交互に見ながら、藤元先生は満足げに頷いた。手に持っていた教科書を小脇に挟みながら右手を伸ばしてくる。
「俺があれだけ面倒見てやったんだぞ。あれで落ちたら、そのほうがびっくりだぜ」
 からかうような口調で、でもにこにこ笑いながら頭を撫でてくれる。頭を撫でられるのは別にいいんだけど、でもおっきな手の本当の目的は髪の毛をぐしゃぐしゃにすることみたい。
「ちょっと、もうっ! やめてよー」
 女の子の朝の努力をなんだと思ってんのかな。確かに、男の人の目にはただまっすぐ流してるだけにしか見えないと思うけど、それでも結構苦労して気を使ってるんだから。今朝なんか寝癖直すの大変だったんだから。
 頭の上で両手をパタパタしながら手をよけて逃げると、先生は笑いながら腕を戻した。手櫛で髪を整えながら睨みつけても全然気づいてないみたい。それはそれでちょっとむっとするけど、でもあたしの合格をこんなに喜んでくれるのは先生だけなんだろうな。
「とにかく、よかったよかった。合格おめでとう、芝口」
「うん、ありがと」
 あの日の次の日から、バレたのをいいことにあたしは理科準備室に逃げ込んだ。佐上先生も藤元先生もそれに対して特に何も言わなかった。佐上先生は興味なかっただけみたいだったけど、藤元先生はやっぱり家のこととかイロイロわかっちゃってたみたいで、あたしが準備室に一日中に居座っても追い出したりしなかった。それどころか、空いた時間には勉強を見てくれた。体育会系な外見から考えれば意外すぎるほど意外だったけど、藤元先生は化学だけじゃなくって数学の教え方も上手だった。専攻は数理生物学だったからな、とか言われても、何のことか全然わかんないけど。
「せんせのおかげだよ」
 苦手な数学をずーっと勉強するのは脳が溶けそうにしんどかったけど、でも一つずつ丁寧に何度も教えてもらえたから続いたんだと思う。一歩ずつでも一枚ずつでも先に進もうとする努力を認めてくれたから続けられたんだと思う。

 -つづく-
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