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2010年02月01日 (月)
リスみたいって言ったらリス好きのコに怒られそうだけど。でももぐもぐ一所懸命に食べてて、ホントそんな感じ。見た目ゴツいし全然可愛くないんだけど、うっかり可愛いかもって思っちゃう。
「食うか?」
あたしがじーっと見てたを勘違いしたのか、先生は口元へ持っていこうとしていた唐揚げをひょいと差し出してきた。どうしようかなって思うよりも先に、なぜかあたしは唐揚げにかじりついてしまっていた。しっとりとカリカリが混じった衣と、口の中に広がる甘いお醤油と、ニンニクとショウガの香り。
「ん、おいしい」
「そうかそうか」
まだもうちょっとぎこちなさの残った顔で、でも嬉しそうに笑いながら、先生はお箸の先を大きな口でぱくっとくわえた。
「あー……っ」
「ん?」
あたしの食べかけ食べちゃったって、思わず上げた声には、不思議そうな視線が帰ってくる。あたしから目を離さないまま、先生はかたまりになったご飯をがばっとすくって、それも一口で食べた。
「なんだ? もっと食いたかったか?」
おっきなほっぺたでちょっとしゃべりにくそうにもぐもぐしながら、ほれ、なんて次の唐揚げを差し出してくる。あたしが一口かじると、その残りは先生が食べる。これって間接キス? もう何回もキスしてるしえっちだってしてるし、いまさら気にするほうがおかしいのかもしれないけど、でも、ちょっと。
「せんせって、こういうの、平気な人?」
「あ? なにが?」
一応は訊き返してくれるけど、でもあたしの言う『こういうの』の意味には興味ないみたい。それより冷やし中華食うか、なんて言葉が続く。
「うん、食べる、けど」
あたしが頷くと、鼻歌でも歌いそうな顔で先生はパッケージに張り付いたラップをはがした。ぱりっと音を立てて外したフタをあたしの目の前に置きながら、やっぱ取り皿ないと困るよなって言って、あぁでも普通の皿があるかって、軽く肩をすくめながら手元に引き寄せた。
「準備室じゃねーもんな、家だもんな」
先生は笑うけど。そりゃ普通に考えればそうだと思うけど。でもどうしよう、あたし全然笑えない。だって、ウチ、お皿なんて数えるほどしかないんだもん。
-つづく-
「食うか?」
あたしがじーっと見てたを勘違いしたのか、先生は口元へ持っていこうとしていた唐揚げをひょいと差し出してきた。どうしようかなって思うよりも先に、なぜかあたしは唐揚げにかじりついてしまっていた。しっとりとカリカリが混じった衣と、口の中に広がる甘いお醤油と、ニンニクとショウガの香り。
「ん、おいしい」
「そうかそうか」
まだもうちょっとぎこちなさの残った顔で、でも嬉しそうに笑いながら、先生はお箸の先を大きな口でぱくっとくわえた。
「あー……っ」
「ん?」
あたしの食べかけ食べちゃったって、思わず上げた声には、不思議そうな視線が帰ってくる。あたしから目を離さないまま、先生はかたまりになったご飯をがばっとすくって、それも一口で食べた。
「なんだ? もっと食いたかったか?」
おっきなほっぺたでちょっとしゃべりにくそうにもぐもぐしながら、ほれ、なんて次の唐揚げを差し出してくる。あたしが一口かじると、その残りは先生が食べる。これって間接キス? もう何回もキスしてるしえっちだってしてるし、いまさら気にするほうがおかしいのかもしれないけど、でも、ちょっと。
「せんせって、こういうの、平気な人?」
「あ? なにが?」
一応は訊き返してくれるけど、でもあたしの言う『こういうの』の意味には興味ないみたい。それより冷やし中華食うか、なんて言葉が続く。
「うん、食べる、けど」
あたしが頷くと、鼻歌でも歌いそうな顔で先生はパッケージに張り付いたラップをはがした。ぱりっと音を立てて外したフタをあたしの目の前に置きながら、やっぱ取り皿ないと困るよなって言って、あぁでも普通の皿があるかって、軽く肩をすくめながら手元に引き寄せた。
「準備室じゃねーもんな、家だもんな」
先生は笑うけど。そりゃ普通に考えればそうだと思うけど。でもどうしよう、あたし全然笑えない。だって、ウチ、お皿なんて数えるほどしかないんだもん。
-つづく-
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