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2009年12月27日 (日)
「こ、こんにち、わ」
シャワー浴びてからバスタオル一枚でダラダラしてたそのままの格好で出るわけにはさすがにいかないし、先生がエントランスから玄関に辿り着くであろう時間のあいだに慌てて部屋着のキャミソールワンピを着た。急いだせいかムダに汗をかきながら玄関ドアを開けたあたしに、藤元先生はむすっとした顔のまま頷いた。聞こえるか聞こえないかギリギリくらいの小さな声でほらって言って、右手のコンビニの袋を差し出してくる。ずしっと腕にくる大きなサイズを受け取って上から覗き込むと、いくつか重なったお弁当のあいだからにょきっと頭を突き出しているソーダが見えた。あたしの大好きな、チョコのかかったミルククッキーの袋もあった。
「えと、どうぞ。その……散らかってますけど」
なんとなく居心地悪い気分でそう言って、袋を下げてリビングへ戻る。短い廊下をペタペタ歩く。あれ、ついてこないなって振り返ると、まだ先生はそこに立ちつくしてた。
「どしたの、せんせ」
「あ、う、いや……」
勝手にきて開けろって言った割には困ったような顔で頷くと、先生はもそもそとサンダルを脱いだ。リビングをぐるりと見回す態度がおかしくて笑ってしまう。
「せんせ、こっち」
言いながらテーブルに寄って、広告の束をよけて袋の中身を出して行く。
唐揚げ弁当、ツナとトマトのサンドウィッチ、ハムチーズカツサンド、冷やし中華のサラダ風、シャケといくらのおにぎり、ハーフパックの牛乳とレモンのソーダ。そしてニューヨークチーズケーキとプリンサンデー。あとはミルククッキーとポテチ。一個ずつテーブルに並べながら、これって誰が食べるの何人で食べるのって量だなぁってあきれてしまう。いつも同じ店で買ってるのかな。だったらきっと顔覚えられてるんだろうな。先生のお給料がどれくらいか知らないけど、でもこれだけ毎日食べれば食費だってバカにならないだろうなー。
「お弁当あっためる?」
「えっ? ああ、そうだな。頼む」
きょろきょろと言うほどではないけど、落ちつかなげな視線をあっちこっちに向けていた先生は、ぐぎっと音がしそうな勢いで首を九十度振って戻して、そしてあたしを見て頷いた。
「はーい、ちょっと待ってね」
頷き返してお弁当だけを持ってカウンターで仕切られた台所へ。レンジで一分。あっためるだけだったらあたしにだってできる。
-つづく-
シャワー浴びてからバスタオル一枚でダラダラしてたそのままの格好で出るわけにはさすがにいかないし、先生がエントランスから玄関に辿り着くであろう時間のあいだに慌てて部屋着のキャミソールワンピを着た。急いだせいかムダに汗をかきながら玄関ドアを開けたあたしに、藤元先生はむすっとした顔のまま頷いた。聞こえるか聞こえないかギリギリくらいの小さな声でほらって言って、右手のコンビニの袋を差し出してくる。ずしっと腕にくる大きなサイズを受け取って上から覗き込むと、いくつか重なったお弁当のあいだからにょきっと頭を突き出しているソーダが見えた。あたしの大好きな、チョコのかかったミルククッキーの袋もあった。
「えと、どうぞ。その……散らかってますけど」
なんとなく居心地悪い気分でそう言って、袋を下げてリビングへ戻る。短い廊下をペタペタ歩く。あれ、ついてこないなって振り返ると、まだ先生はそこに立ちつくしてた。
「どしたの、せんせ」
「あ、う、いや……」
勝手にきて開けろって言った割には困ったような顔で頷くと、先生はもそもそとサンダルを脱いだ。リビングをぐるりと見回す態度がおかしくて笑ってしまう。
「せんせ、こっち」
言いながらテーブルに寄って、広告の束をよけて袋の中身を出して行く。
唐揚げ弁当、ツナとトマトのサンドウィッチ、ハムチーズカツサンド、冷やし中華のサラダ風、シャケといくらのおにぎり、ハーフパックの牛乳とレモンのソーダ。そしてニューヨークチーズケーキとプリンサンデー。あとはミルククッキーとポテチ。一個ずつテーブルに並べながら、これって誰が食べるの何人で食べるのって量だなぁってあきれてしまう。いつも同じ店で買ってるのかな。だったらきっと顔覚えられてるんだろうな。先生のお給料がどれくらいか知らないけど、でもこれだけ毎日食べれば食費だってバカにならないだろうなー。
「お弁当あっためる?」
「えっ? ああ、そうだな。頼む」
きょろきょろと言うほどではないけど、落ちつかなげな視線をあっちこっちに向けていた先生は、ぐぎっと音がしそうな勢いで首を九十度振って戻して、そしてあたしを見て頷いた。
「はーい、ちょっと待ってね」
頷き返してお弁当だけを持ってカウンターで仕切られた台所へ。レンジで一分。あっためるだけだったらあたしにだってできる。
-つづく-
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