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R18 らぶえっち小説Blog
えっちな表現が盛りだくさんにつき、18歳未満&清純派さん回れ右!
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マスカレイド2-49
2009年12月18日 (金)
 だからチカちゃんはみんなに慕われてる。チカちゃんの周囲にはたくさんの友だちがいる。それはチカちゃんがお金を持っているからってことだけじゃなくって、チカちゃん自身がみんなを好きで、みんなもチカちゃんを好きだから。
「そんなことわかってるけど」
 でもチカちゃんは、あたしみたいにチラシ見たり半額シールに惹かれたりなんかしないんだろうな。外でご飯頼むときに『今だけ五十円引き』とかって言葉に釣られて特に好きでもないメニュを選んだりしないんだろうな。そんなことをつい考えてしまう。
 ママがくれるお小遣いを使ったら、あたしにだってちょっとくらいは贅沢できるけど。でも多分というかきっと、あたしはチカちゃんみたいにはなれない。お金がどうとかって問題じゃない。
「もう、なんだかなーっ」
 人のこと羨ましがってばっかりでひがんでばっかりで、あたしってホントに……。
「さいてー」
 立てひざのまま腕を組んで顔を伏せて目を閉じて、息を詰める。そうやってどれくらい落ち込んでたのかわからなくなってきた頃、ぴんぽーんと天井に音が響いた。のろくさと顔を上げて冷蔵庫脇の壁に引っ付いたインターホンに目を向けると、通話ボタンが赤く光っていた。ここからじゃ遠くて見えないけど、五センチ角の小さな液晶画面には誰かが映ってるはず。
「んもぅ、だれぇ?」
 めんどくさいなーと思いながら大きく息を吐いたのがわかったように、間抜けな音はぴんぽーんともう一度大きく鳴った。居留守は通じないかな。宅配便かなんかかな。顔合わせずに帰ったし、ママがなんか送ってきてくれたのかも。
「よっこいしょ、っと」
 それでもめんどくさい気持ちは消えないまま立ち上がった。じっとしてた時間が長かったのか、足首がちょっとビリビリする。足の裏もザラザラだし、そう言えばしばらく掃除してないかも。あとでしよう。
「はーい。どなたですかー、って、えええっ?」
 映りの悪い小さな画面からこっちを見てたのは、見覚えのある人。とってもよく知ってる人。
「あ、せ、せんせっ?」
「おう」
 ぶすっとした表情で、それでもちょっと落ちつかなげに周囲にちらちらと目を向けながら、藤元先生は低く唸るように言った。
「春奈、ここ開けろ」
 え、あ……、でも……。
「腹が減った。メシ食うぞ」

 -つづく-
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