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R18 らぶえっち小説Blog
えっちな表現が盛りだくさんにつき、18歳未満&清純派さん回れ右!
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マスカレイド2-42
2009年10月23日 (金)
「パパ」
「んー?」
 めんどくさそうな顔で、それでも首を回すようにパパはあたしを見た。普段のパパは、実際のトシよりも若く見えるおしゃれでちょっと可愛いオジサンなのに、今は完全なただのよっぱらい。おでこまで赤黒くテカって酒くさくて、服も頭もグシャグシャ。靴下は親指んとこ穴開いてるし、サイアク。
「あのさ。あの、ママ、もう帰っちゃったよ」
「んー――」
 言いためらったあたしの気持ちをわかっているのかいないのか、唸り声だか返事だか区別がつかないような声を返すと、そのままパパは目を閉じた。待つほどもなく、ぐごーっと豪快ないびきが聞こえてくる。まったく、もう。
「ホントに、わかってんのかなー」
 パパのお尻の下でかわいそうなことになってしまった雑誌を拾い上げながら呟いた。平和な顔でガーガー寝こける姿に溜息が出る。ママが出てったのは、パパのこういうところがイヤだったのかなって、だったら仕方ないのかなって思うこともある。
「――パパだけが悪いんじゃないけど」
 気が弱くて優しくて、好きなこと言えるのはお酒を飲んだときだけという、ちょっと男らしいとは言いがたいパパは、毎日のように会社帰りにお酒を飲みに行く。だからと言ってキャバクラとかで女の子と遊んでるわけじゃなくって、お小遣いが少ない男同士で安い居酒屋ばっかりなんだって。パパのよく行く立ち飲みは焼き鳥が一串八十円なんだぞ、とか嬉しそうな顔で言われても。仕事や接待で高級店に出入りするママのゴージャスな話とは大違いで、聞いてるほうがかなしい。
「まぁ、まさか、こんなことになるとは思わなかったもんなー」
 普通の主婦だったママが学生時代の友だちと会社を作ると言い出したのは、あたしが中学生になった頃だったと思う。突然の話にあたしはびっくりしたけど、パパはもっとびっくりしたみたい。普通の家のお父さんでも言うように、働きたいならパートとかでもいいだろうと、パパは渋い顔をしていた。でも、どうしてもやりたいのわたしの夢なのと両手を合わせてお願いするママに、優しいパパは譲ってあげた。資金としていくらかお金が必要で、それもパパのボーナスから出したらしい。
 だから最初の頃はママの帰りも早かったし、ご飯もちゃんと作ってくれてた。その頃はパパの帰りも早かった。たまにパパがよっぱらって帰ってきてもママはニコニコ笑って許してくれてた。ママの初めてのお給料で近所の焼肉屋へ食べに行った。お肉はちょっと硬かったけど、家族での外食が楽しくて、あたしはずっと笑ってたような気がする。

 -つづく-
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