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2006年02月07日 (火)
「さっきの話だけど、別に、それならそれでいいんじゃない?」
腰に巻いたバスタオル一枚の姿でキッチンから出てくると、ユーキさんはそう言った。
あのあと、お風呂場でもう一回えっちして、半分意識を失ったあたしを大きなバスタオルでくるむと、ユーキさんは軽々と抱き上げていつものソファに連れてきてくれた。まだ濡れたまま、あたしはひざを抱くようにソファに座って彼を見上げる。優しい眼と明るい笑い声は、ユーキさんがもう『ご主人さま』じゃなくなった証拠だから、あたしも言葉遣いを変える。
「でもお……」
「お母さんは千紗ちゃんが可愛いから、心配なんだろ。ヘンな虫がついてないかって。残念ながら俺は変態だけどさ。はい、ココア」
「あ、ありがと」
差し出された白いマグカップを受け取る。ユーキさんはあたしの隣に座ると、脚を伸ばしてどさりとカウチに背を預けた。その様子を見ながらあたしは湯気を立てるココアに口をつける。いつのまにかあたし専用になっていたマグカップは、白地にちょっとデフォルメされたピンクのバラが散らばったデザインで、さりげなく可愛い。普通に買うと何千円もするというのは、嘘みたいだけど本当のこと。イタリアのブランド物らしいけど、名前も一応は聞いたけど、忘れちゃった。
うちなんか、食器のほとんどは百円均一の店とかスーパーの処分市とか、そんなところで買っているから、最初は触るのも怖かったけど、でもユーキさんはそういうことを全然気にしない人で、もしあたしが割っちゃっても何も言わないと思う。お金持ちってみんなそうなのかなあ。
「それで、千紗ちゃんはどうしたいの?」
湯気越しの優しい眼。
「どう、って……」
別に、どうして欲しいとかじゃなかったんだけど。
-つづく-
腰に巻いたバスタオル一枚の姿でキッチンから出てくると、ユーキさんはそう言った。
あのあと、お風呂場でもう一回えっちして、半分意識を失ったあたしを大きなバスタオルでくるむと、ユーキさんは軽々と抱き上げていつものソファに連れてきてくれた。まだ濡れたまま、あたしはひざを抱くようにソファに座って彼を見上げる。優しい眼と明るい笑い声は、ユーキさんがもう『ご主人さま』じゃなくなった証拠だから、あたしも言葉遣いを変える。
「でもお……」
「お母さんは千紗ちゃんが可愛いから、心配なんだろ。ヘンな虫がついてないかって。残念ながら俺は変態だけどさ。はい、ココア」
「あ、ありがと」
差し出された白いマグカップを受け取る。ユーキさんはあたしの隣に座ると、脚を伸ばしてどさりとカウチに背を預けた。その様子を見ながらあたしは湯気を立てるココアに口をつける。いつのまにかあたし専用になっていたマグカップは、白地にちょっとデフォルメされたピンクのバラが散らばったデザインで、さりげなく可愛い。普通に買うと何千円もするというのは、嘘みたいだけど本当のこと。イタリアのブランド物らしいけど、名前も一応は聞いたけど、忘れちゃった。
うちなんか、食器のほとんどは百円均一の店とかスーパーの処分市とか、そんなところで買っているから、最初は触るのも怖かったけど、でもユーキさんはそういうことを全然気にしない人で、もしあたしが割っちゃっても何も言わないと思う。お金持ちってみんなそうなのかなあ。
「それで、千紗ちゃんはどうしたいの?」
湯気越しの優しい眼。
「どう、って……」
別に、どうして欲しいとかじゃなかったんだけど。
-つづく-
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