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2009年08月11日 (火)
もしかしたら、なんて淡い期待はおもしろいくらいあっさり裏切られた。二年住んでさすがに見慣れた小さなマンションのベランダには、一度乾きかけてまた濡れた洗濯物が雨混じりの強い風に煽られていた。ところどころ不自然にあいだの空いたタコ足に、あぁ、ちゃんと自分の分は持って帰ったんだなぁって溜息が出る。
ま、いっか。今さら気にしても何も変わらないし。
いつも無人の管理カウンターを横目に小さなエレベータに乗り込む。三階で降りて等間隔に同じドアが並んだ廊下をいつも通り歩いて、かばんの内側からキーチェーンを引っ張り出して、三つ付いたうちの一つの黒いカギでドアを開けた。
「ただいまーって、誰もいないけどー」
細い廊下を抜けてリビングへ続くドアを開けると、ちょっと怖いような気がするほど声が響く。
思ってた通り、ここ数日リビングで目立っていた有名ブランドのトラベルバッグが消えていた。そう言えば、玄関の片隅に並んでいたヒールも無くなっていた。そりゃあそうよね。まだ湿ってるかもしれない服まで物干しから外して持って行くくらいだもん、全部持って行くわよね。
カーテンの向こうで、歯が抜けたまま風に揺れる洗濯物を横目に、エアコンのスイッチを入れた。カバンをソファに置いて、リボンを取ってブラウスを脱いで、スカートもソファに落とした。立ったまま片方ずつ靴下を引き抜いて、ショーツもブラも取った。カーテンの隙間に素っ裸のあたしが見える。
「やっぱちょっと……、足りないよね……」
手のひらにすっぽり隠れきってしまう胸は、ちゃんとした鏡ならともかく、ガラス窓に映った程度のぼんやりした姿じゃ膨らんでるのか膨らんでないのかわからない。すとんとした幼児体型のせいで、髪を短く切ったら男の子に見えちゃうんじゃないかと自分でも思ってしまうほど。
「でも、オンナだもん、あたしだって」
さっきまでセンセがさわってくれてた。指先でいやらしく撫でてから、捻るように胸をつまんで軽く引っ張って、そして舌を延ばすようにして舐める。あたしが声を上げると薄く笑う。おもしろがるように嘲笑うように唇の端を緩める。ちらちらとあたしを見る涼しげな目の底がひどく冷淡に、それでいてヤケドしそうに熱い波が揺れているのがわかる。感じるあたしを弄んでいじめて、そして好き勝手に食い散らして行く。
-つづく-
ま、いっか。今さら気にしても何も変わらないし。
いつも無人の管理カウンターを横目に小さなエレベータに乗り込む。三階で降りて等間隔に同じドアが並んだ廊下をいつも通り歩いて、かばんの内側からキーチェーンを引っ張り出して、三つ付いたうちの一つの黒いカギでドアを開けた。
「ただいまーって、誰もいないけどー」
細い廊下を抜けてリビングへ続くドアを開けると、ちょっと怖いような気がするほど声が響く。
思ってた通り、ここ数日リビングで目立っていた有名ブランドのトラベルバッグが消えていた。そう言えば、玄関の片隅に並んでいたヒールも無くなっていた。そりゃあそうよね。まだ湿ってるかもしれない服まで物干しから外して持って行くくらいだもん、全部持って行くわよね。
カーテンの向こうで、歯が抜けたまま風に揺れる洗濯物を横目に、エアコンのスイッチを入れた。カバンをソファに置いて、リボンを取ってブラウスを脱いで、スカートもソファに落とした。立ったまま片方ずつ靴下を引き抜いて、ショーツもブラも取った。カーテンの隙間に素っ裸のあたしが見える。
「やっぱちょっと……、足りないよね……」
手のひらにすっぽり隠れきってしまう胸は、ちゃんとした鏡ならともかく、ガラス窓に映った程度のぼんやりした姿じゃ膨らんでるのか膨らんでないのかわからない。すとんとした幼児体型のせいで、髪を短く切ったら男の子に見えちゃうんじゃないかと自分でも思ってしまうほど。
「でも、オンナだもん、あたしだって」
さっきまでセンセがさわってくれてた。指先でいやらしく撫でてから、捻るように胸をつまんで軽く引っ張って、そして舌を延ばすようにして舐める。あたしが声を上げると薄く笑う。おもしろがるように嘲笑うように唇の端を緩める。ちらちらとあたしを見る涼しげな目の底がひどく冷淡に、それでいてヤケドしそうに熱い波が揺れているのがわかる。感じるあたしを弄んでいじめて、そして好き勝手に食い散らして行く。
-つづく-
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