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R18 らぶえっち小説Blog
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花を召しませ 番外編~White HESH -31
2008年10月21日 (火)
「そうね、もう怒ってないわ」
 母親の言っていた『いいことをしたら神さまが見ているのだから』の言葉に照らし合わせると、今回のできごとは少し理不尽だと思わなくもないけれど、隠されていた彼の一面を見ることができたと考えれば、これも一種の『いいこと』かもしれない。彼がわたしの浮気を疑って取り乱すということは、つまりわたしを愛してくれている証拠と考えてもいいのだろう。そう思えば勝手に頬が緩むほどに歌い出したいほどに嬉しい。これ以上に幸せなことなんてないと思う。
 それに、問題を多分に含んでいたとは言え、今夜の狂気的な行為が今まで知らなかったことを教えてくれたのも事実だった。好きな男性に人格を無視するように乱暴に扱われることが、あれほどまでに倒錯的な快感を伴っているとは知らなかった。だからと言ってもう一度経験したいとは思わないけれど、それでも。
 なんか、すごかった――。
 湯気のようにほわりと広がりかけた思考の片隅で、今までの価値観の全てが裏返りそうな先ほどまでの行為の快感を思い出してしまう。それだけで自分の奥がひくりと蠢く。慌てて口をへの字に結んで、流されそうになった気持ちを引き締めた。
「でも、許すのは、今回だけよ」
 自分が反応したという事実を脳裏から身体の外へと追い出すような気分で、わざと強い口調で言ってはみても、きゅっと耳の脇を押さえられると気持ちよさに理性が飛びそうになる。マッサージの快感は性的な記憶にどこかで繋がっているのか、ダメだと思えば思うほど痛いような痒いようなむずむずした感覚が身体の奥から沸き起こってくる。もっと直接的な箇所を刺激して欲しいとさえ思ってしまう。
「はい、わかってます。俺が悪かったんです」
 けれど、釘を刺した厳しい言葉には神妙な声が返ってきた。どうやら本当に反省をしているらしい。ならばこれ以上彼を責めるのは逆に気が引ける。わたしは彼が思ってくれているような清楚な人間では決してない。それどころか、彼に与えられる快楽を内心では常に求めているような、そんな浅ましい女なのだから。
「ん。じゃあ、この話は終わり。もういいよ」
「はい!」
 わたしの許しを得た彼の声がわかりやすく弾む。そのことにわずかな罪悪感を覚えながら鏡越しの彼の笑顔を横目で見た。

 -つづく-
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