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2008年05月31日 (土)
「や、シズくん」
羞恥に身をよじった瞬間、足元にぐっと重みを感じた。それがどういう意味なのかを理解するより先に、彼の肩越しにあった大きな鉄の扉がゆっくりと左右に開いた。天井に等間隔に設置されたスポット照明だけの、薄暗い細長い空間がそこに現れる。
ホテルのエレベータは途中で乗り込むことができないようになっているのだから、ここが彼の指定した九階なのだろう。
「ね、着いたよ」
言いながら身体を離そうとしたわたしを、悪戯な手はどこまでも裏切った。一気にジッパーが引き下ろされて、二重のシフォンで作られた衿が胸の下までふわりと落ちる。ワンピースの下に隠れていたベイビーピンクがオレンジ色のスポットに照らされる。身動きするたびに桜を縁取った銀色の刺繍が頼りない光を反射させた。
「うわー。こんな可愛いの、着ちゃって」
「こ、こらっ!」
からかうような声音であまりの行動に慌てるだけのわたしを笑いながら、彼は腰に廻していた腕に力を入れた。そのままぐっと抱き寄せて、まるで社交ダンスのようなステップで軽やかに一歩を踏み出す。
「ちょ、ちょっとおっ」
彼の行動に混乱したまま、わたしは引きずられるようにエレベータから降りる。背後で鉄の扉がゆっくりと閉まるのを感じながらほっと息をついたのも束の間、廊下の壁に押し付けるようにして抱きしめられる。
「だから、ダメだって!」
「ダメ? なんで?」
けれど押し返そうとした両手は、嘲笑うような響きの声に阻まれる。
「なんでって、だって、こんなところで……。あ、だから、ダメって!」
制止の言葉はそのまま、食い尽くされそうなキスに簡単に絡め取られてしまう。背中に入り込んだ指先がぱちんとブラの金具が弾いて、頼りなく緩んだ胸元に入り込んでくる。やわらかくひねられるわずかな痛みとそれを凌ぐ快感に息が止まった。
-つづく-
羞恥に身をよじった瞬間、足元にぐっと重みを感じた。それがどういう意味なのかを理解するより先に、彼の肩越しにあった大きな鉄の扉がゆっくりと左右に開いた。天井に等間隔に設置されたスポット照明だけの、薄暗い細長い空間がそこに現れる。
ホテルのエレベータは途中で乗り込むことができないようになっているのだから、ここが彼の指定した九階なのだろう。
「ね、着いたよ」
言いながら身体を離そうとしたわたしを、悪戯な手はどこまでも裏切った。一気にジッパーが引き下ろされて、二重のシフォンで作られた衿が胸の下までふわりと落ちる。ワンピースの下に隠れていたベイビーピンクがオレンジ色のスポットに照らされる。身動きするたびに桜を縁取った銀色の刺繍が頼りない光を反射させた。
「うわー。こんな可愛いの、着ちゃって」
「こ、こらっ!」
からかうような声音であまりの行動に慌てるだけのわたしを笑いながら、彼は腰に廻していた腕に力を入れた。そのままぐっと抱き寄せて、まるで社交ダンスのようなステップで軽やかに一歩を踏み出す。
「ちょ、ちょっとおっ」
彼の行動に混乱したまま、わたしは引きずられるようにエレベータから降りる。背後で鉄の扉がゆっくりと閉まるのを感じながらほっと息をついたのも束の間、廊下の壁に押し付けるようにして抱きしめられる。
「だから、ダメだって!」
「ダメ? なんで?」
けれど押し返そうとした両手は、嘲笑うような響きの声に阻まれる。
「なんでって、だって、こんなところで……。あ、だから、ダメって!」
制止の言葉はそのまま、食い尽くされそうなキスに簡単に絡め取られてしまう。背中に入り込んだ指先がぱちんとブラの金具が弾いて、頼りなく緩んだ胸元に入り込んでくる。やわらかくひねられるわずかな痛みとそれを凌ぐ快感に息が止まった。
-つづく-
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