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R18 らぶえっち小説Blog
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花を召しませ 番外編~White HESH -2
2008年04月03日 (木)
 赤ちゃんを抱っこしたお母さんに電車内で席を譲り、人で埋め尽くされたスクランブル交差点の真ん中で困ったように立ち尽くしていた白い杖を持っていた若い男性を目的地まで案内したその日は、とてもいい一日の締めくくりができた。
 衿と袖口がシフォンの二重フリルで縁取られたシルバーグレイのワンピースと、ベージュにピンクのリボンが正面についた可愛いオープントウのパンプスが手ごろな値段で、しかも一件目に入ったお店で簡単に見つけられたこと、まだまだ寒い日があるからと前から欲しいと思っていたカシミアのストールの気に入ったきれいな色のもの半額セールで手に入ったこと、よく行くランジェリーショップのポイントが普段の二倍でちょうどポイントが貯まって千円券が手に入ったこと、夕食代わりにと偶然目に付いて入ったセルフサービス式パン屋さんのフランスパンのサンドウィッチが驚くほど美味しかったこと――、などなど。
 子どもの頃に母親によく言われた、いいことをすれば神さまは絶対に見てくれているのだからという叱責混じりの言葉は、もしかしたら本当に本当だったのかもしれない。そんなことを思いながらあたたかいカフェオレに口をつけ、大きくなってしまった紙袋の中からいろんな色のハートが水玉のように散った白い包みを取り出した。
 中身は、ベイビーピンク地に白抜きされた桜の刺繍の、ブラとショーツとキャミソールのセット。ショーツは二枚組みで、一枚は普通のデザインだけれど、もう片方はサイドがリボン状でほどけるようになっている。なぜそうなっているのかを考えれば手に取るのさえ恥ずかしくはあったけれど、それ単体で買うのはためらわれても二枚がそのようなセットになっていたのだから仕方ないと、誰にともなく奇妙な言い訳をして、ドキドキしながらレジカウンターに持って行った。そのときの気分を思い出しながら、赤いハートにリボンが掛かったデザインで封をした少し厚めのビニール袋をテーブルに置いて、残り半分のサンドウィッチにかじりつく。
 夜の八時少し前という時間帯だからか、パン屋さんの一角に設えられた細いカウンターに人はまばらだったけれど、さすがにこのような場で買ったばかりのランジェリーを取り出すのは問題がある気がする。袋の上から眺めるだけで我慢するのが正解だろう。指折り数えるほどのことでもない。ホワイトディは明日なのだから。
 シズくん、喜んでくれるかな。
 そう考えた瞬間、思わず笑みがこぼれた。

 -つづく-
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