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2007年12月14日 (金)
口の中に残ったものを飲み込むふりで、さりげなく顔を伏せて先生から眼をそらして、深呼吸を二回。なんでもない顔でゆっくりと目を上げる。
「なんで? 誰かが言ってた?」
「いや、別にそう言うんじゃねーけど?」
もしかして佐上先生があたしのこと気にしてくれたのかなって儚い期待も、藤元先生はあっさり否定してくれた。藤元先生はそういう人だし、佐上先生だってそういう人だから、だからここでがっかりしちゃいけないのはわかってるけど。
「……なーんだ」
「ん?」
思わず呟いたあたしに、口をもぐもぐさせながら藤元先生が下あごを突き出した。目だけで続きをうながす先生になんでもないって首を振ってから、のどの奥からこみ上げてきていた溜息を、カツサンドの残りに噛み付いて口の中で揉み消す。
「で。なんでこなかったんだ?」
しつっこいな。
「別にあたし、毎日ガッコくるって決めてるわけじゃないよー?」
あたしは補講もないし、それに夏休み中だしー。
わざとぶっきらぼうに答えると、先生は軽く頷きながらでも唇を尖らせて「ふーん」と唸るように言った。確かに何も約束してなかったけど、それでも夏休みに入ってからの二週間近くは雨の日も風の日も、日曜以外は毎日毎日ガッコに来てたんだから、先生が不思議に思ってもムリないかも。
「ま、そりゃそーなんだけどな」
「だから、なんでもないってば! なんの理由もないってば!」
言いにくそうな先生の語尾をひったくってしまってから、思わず口を押さえた。
担任だから、というのとは別に、あたしのことをよく知ってる藤元先生相手にこんな言い方したら、ホントは別の理由がありますって白状してるのと同じじゃん……って、気付くの遅いよあたしーっ!
「あ、や、その……」
どう取り繕おうかと考える暇もなく、あたしを見るセンセの表情が変わった。訝しげだったけれど明るかった笑顔がすうっと消えて、見慣れていた親しみやすい近所のお兄ちゃんみたいな雰囲気が一変する。
-つづく-
「なんで? 誰かが言ってた?」
「いや、別にそう言うんじゃねーけど?」
もしかして佐上先生があたしのこと気にしてくれたのかなって儚い期待も、藤元先生はあっさり否定してくれた。藤元先生はそういう人だし、佐上先生だってそういう人だから、だからここでがっかりしちゃいけないのはわかってるけど。
「……なーんだ」
「ん?」
思わず呟いたあたしに、口をもぐもぐさせながら藤元先生が下あごを突き出した。目だけで続きをうながす先生になんでもないって首を振ってから、のどの奥からこみ上げてきていた溜息を、カツサンドの残りに噛み付いて口の中で揉み消す。
「で。なんでこなかったんだ?」
しつっこいな。
「別にあたし、毎日ガッコくるって決めてるわけじゃないよー?」
あたしは補講もないし、それに夏休み中だしー。
わざとぶっきらぼうに答えると、先生は軽く頷きながらでも唇を尖らせて「ふーん」と唸るように言った。確かに何も約束してなかったけど、それでも夏休みに入ってからの二週間近くは雨の日も風の日も、日曜以外は毎日毎日ガッコに来てたんだから、先生が不思議に思ってもムリないかも。
「ま、そりゃそーなんだけどな」
「だから、なんでもないってば! なんの理由もないってば!」
言いにくそうな先生の語尾をひったくってしまってから、思わず口を押さえた。
担任だから、というのとは別に、あたしのことをよく知ってる藤元先生相手にこんな言い方したら、ホントは別の理由がありますって白状してるのと同じじゃん……って、気付くの遅いよあたしーっ!
「あ、や、その……」
どう取り繕おうかと考える暇もなく、あたしを見るセンセの表情が変わった。訝しげだったけれど明るかった笑顔がすうっと消えて、見慣れていた親しみやすい近所のお兄ちゃんみたいな雰囲気が一変する。
-つづく-
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