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2007年12月11日 (火)
五個のうちの一つと二個のうちの一つは同じ価値じゃないと訴えると、先生は笑いながら鶏のから揚げとウィンナーと、そしてシュウマイをもう一つ、あたしの取り皿であるサラダの蓋に置いた。大きな手が無造作な手つきでツナマヨのおにぎりをつかんで、その横に並べてくれる。
藤元先生はこんなふうに分け合って食べるのが好きらしい。自分のと人のを確実に区別して絶対に手を出さない佐上先生とは正反対。どうしてこの二人が友だちなのかなぁ。
「はいはい。これでいいだろ、春奈チャン」
からかうような口調でそう言いながらあたしの頭をぽんぽんと撫でて、そしてようやく先生は自分のシュウマイを箸に取った。ちょっと大き目のそれを一口でぱくりと食べて、続いてその倍ほどの分量のご飯を押し込むように口に入れる。豪快に動くあごになんとなく納得しながら、フォークの先に突き刺さったシュウマイを半分かじる。
「ん、おいしい」
「そっかそっか」
どんどん食えよなんて言いながら、藤元先生はラップを剥がしたカツサンドをあたしのほうに押し出してくる。お腹が空いていることもあって、反射的にありがとーって手を出してしまう。こんなにばくばく食べてたら太っちゃうかも。
「ああ、そう言えば」
「んうっ?」
いっぱいに頬張ったカツサンドのせいでちゃんとした返事ができない。口の端からはみ出ていたパンを押し込んで、まだ半分ほども固形を保ったカツをむりやりソーダで流し込んだ。一度に飲み込んでいい許容量を大幅に越えた食道がおかしな痛みを訴える。キシキシと、どこかが引っかかれているのがわかる。
「そんな慌てなくても」
けほけほとむせるあたしに先生が笑う。
「なぁによおっ」
ポケットから取り出したハンドタオルで口元を押さえながら横目で睨みつけると、先生は「はいはい」と軽く肩をすくめた。
「おまえ、昨日どうしてこなかったんだ?」
その軽い口調に軽い言葉に、一瞬胸が詰まって声が出なかった。
-つづく-
藤元先生はこんなふうに分け合って食べるのが好きらしい。自分のと人のを確実に区別して絶対に手を出さない佐上先生とは正反対。どうしてこの二人が友だちなのかなぁ。
「はいはい。これでいいだろ、春奈チャン」
からかうような口調でそう言いながらあたしの頭をぽんぽんと撫でて、そしてようやく先生は自分のシュウマイを箸に取った。ちょっと大き目のそれを一口でぱくりと食べて、続いてその倍ほどの分量のご飯を押し込むように口に入れる。豪快に動くあごになんとなく納得しながら、フォークの先に突き刺さったシュウマイを半分かじる。
「ん、おいしい」
「そっかそっか」
どんどん食えよなんて言いながら、藤元先生はラップを剥がしたカツサンドをあたしのほうに押し出してくる。お腹が空いていることもあって、反射的にありがとーって手を出してしまう。こんなにばくばく食べてたら太っちゃうかも。
「ああ、そう言えば」
「んうっ?」
いっぱいに頬張ったカツサンドのせいでちゃんとした返事ができない。口の端からはみ出ていたパンを押し込んで、まだ半分ほども固形を保ったカツをむりやりソーダで流し込んだ。一度に飲み込んでいい許容量を大幅に越えた食道がおかしな痛みを訴える。キシキシと、どこかが引っかかれているのがわかる。
「そんな慌てなくても」
けほけほとむせるあたしに先生が笑う。
「なぁによおっ」
ポケットから取り出したハンドタオルで口元を押さえながら横目で睨みつけると、先生は「はいはい」と軽く肩をすくめた。
「おまえ、昨日どうしてこなかったんだ?」
その軽い口調に軽い言葉に、一瞬胸が詰まって声が出なかった。
-つづく-
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