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2007年09月13日 (木)
筒の真ん中辺りから下がった三センチくらいの短い鎖の先端はフックになっていた。ちゃらりと涼しげな音を立てて両側を噛み合わせると、手枷という少し昔ふうの表現がぴったりくるような見た目になる。佐上先生が慎重な手つきで手首を締め付けるベルトに小さな南京錠を、鎖の繋ぎ目には藤元先生が慣れた様子で大きな南京錠を掛けて、これでどうやらできあがりらしい。
「そのときは武志も同罪だろ」
「残念なことに、そうなる」
なんでこれって赤いんだろう。なんでこんなにてかてか光ってるんだろう。汗かいてるせいもあって肌にぺったりくっつく感じがして、そういう意味ではイマイチだけど、痛くも何ともないから、縛られてるって気がしない。それより佐上先生の楽しそうな明るい笑顔に、先生もこんな顔するんだなぁって、そっちのほうが気になってしまう。
「痛くないか?」
「あ、はい。大丈夫です」
頷くと、佐上先生はさらさらの前髪をきれいな指で掻き上げてくすっと笑った。その横で藤元先生が大きな溜息をつく。二人の反応の違いに目をパチパチさせながら交互に見返すと、『まったく』と藤元先生が大きな肩を落とした。
「あのな、芝口」
「はい?」
片ひざをベッドについてあたしを見おろす先生のその顔は、さっきまでの楽しそうな感じとちょっと違った。なんていうか、授業中の先生っぽいカンジ。
「おまえは襲われてるんだから、もっとこう、暴れたりとかしていいんだぞ。そんなカッコでおとなしく縛られたりするから――」
真面目な口調でそこまで言うといったん言葉を切って、そして横目でちらりと佐上先生を見た。藤元先生の視線に気付いた佐上先生が左眼を細めるみたいにふっと笑う。
「そういう雰囲気を嗅ぎつけて、こういう変態が出てくる」
「変態とは失礼だな。じゃあ、拘束しながらおっ勃たててるおまえはどうなんだ?」
「う、うるせーっ! このロリコン!」
なんか……漫才見てるみたい。
のんきに笑ってる場合じゃないことはわかってるんだけど、でもおかしくて。
-つづく-
「そのときは武志も同罪だろ」
「残念なことに、そうなる」
なんでこれって赤いんだろう。なんでこんなにてかてか光ってるんだろう。汗かいてるせいもあって肌にぺったりくっつく感じがして、そういう意味ではイマイチだけど、痛くも何ともないから、縛られてるって気がしない。それより佐上先生の楽しそうな明るい笑顔に、先生もこんな顔するんだなぁって、そっちのほうが気になってしまう。
「痛くないか?」
「あ、はい。大丈夫です」
頷くと、佐上先生はさらさらの前髪をきれいな指で掻き上げてくすっと笑った。その横で藤元先生が大きな溜息をつく。二人の反応の違いに目をパチパチさせながら交互に見返すと、『まったく』と藤元先生が大きな肩を落とした。
「あのな、芝口」
「はい?」
片ひざをベッドについてあたしを見おろす先生のその顔は、さっきまでの楽しそうな感じとちょっと違った。なんていうか、授業中の先生っぽいカンジ。
「おまえは襲われてるんだから、もっとこう、暴れたりとかしていいんだぞ。そんなカッコでおとなしく縛られたりするから――」
真面目な口調でそこまで言うといったん言葉を切って、そして横目でちらりと佐上先生を見た。藤元先生の視線に気付いた佐上先生が左眼を細めるみたいにふっと笑う。
「そういう雰囲気を嗅ぎつけて、こういう変態が出てくる」
「変態とは失礼だな。じゃあ、拘束しながらおっ勃たててるおまえはどうなんだ?」
「う、うるせーっ! このロリコン!」
なんか……漫才見てるみたい。
のんきに笑ってる場合じゃないことはわかってるんだけど、でもおかしくて。
-つづく-
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