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R18 らぶえっち小説Blog
えっちな表現が盛りだくさんにつき、18歳未満&清純派さん回れ右!
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マスカレイド-5
2007年08月06日 (月)
 半分命令みたいな佐上先生の言葉に溜息混じりに頷くと、藤元先生は『よっこらしょ』とかジジくさいことを言いながら、パイプ椅子から腰を上げた。佐上先生に手を捉まれたまま動けないあたしにちらりと視線を向けてから、藤元先生は部屋の隅に置かれた金属製のゴミ箱と、壁のあいだに挟まれるように置かれていたほうきとちり取りと金バサミを順に手に取る。
「ほら、どいたどいた」
 ふるふると手の甲を振って、藤元先生が床にしゃがんだままのあたしたちを追い払った。そんな藤元先生の仕草に佐上先生がくすっと笑って立ち上がり、手を取られたままのあたしが引っ張られる。あたしが立ち上がると同時にその手はふわりと離れたけど、バクバクと口から飛び出そうな勢いで心臓が動くのは止まらない。無意識のうちに右手を左手で握りしめて、両手で強く胸を押さえた。
 右手の甲を指先でなぞると、あたしよりもちょっとだけ体温の低い先生の手の跡を辿ってしまうみたいみたいな気がする。そんなことを考えると、ぼわっと膨れ上がるように頬が熱くなるのがわかる。
「まったく、なんだって俺がこんなことをせにゃならんのだ」
 ブツブツ言いながら、藤元先生が慣れた手つきでフラスコの残骸を片付けていく。
 まだ無事なフラスコの口の部分を金バサミでぱくっと挟んでゴミ箱に入れる。次に比較的大きな破片を順に丁寧に拾い上げる。つかめるサイズのものがなくなると、素早く細かくほうきを動かして粉々になった欠片を刷き集めた。戸棚の中から紙タオルの箱を取り出して一枚を抜き出し、ほんの少しの水に濡らして丁寧に床を拭く。あっという間に何事もなかったように床は元通りキレイになった。
「ついでだ。これ、捨ててくるわ」
 手伝いもせずじっと立ち尽くしているあたしたちをじろりと見てから、藤元先生はゴミ箱を持って立ち上がった。
「仁、それ片付けといて」
「ああ」
 無表情で頷くと、佐上先生は部屋を出て行く藤元先生を見送ってからほうきやちり取りをまとめて持ち、元に置かれていた位置へ運んだ。片付け終えるとくるりと振り返ってあたしを見て、そして先生は眉をひそめた。
「芝口、ケガしたのか?」
「え、あ。え……?」
「指か?」
 佐上先生の言葉の意味がわからなかった。でも、答える暇も問い返す余裕もなかった。すたすたと近づいてきた先生が、胸元で握りしめたままだったあたしの手を取って、ぎゅっと自分のほうに引き寄せて、そして。
「せ……せん、せ……」
 濡れたやわらかい感触が人差し指にぬるりと触れる。次いで硬いものが当たる。ちゅっと強く吸い上げられる感覚。
 先生があたしの指を……舐めてる。
 目の前の状況を理解した瞬間、どくんと世界がずれるような気がした。

 -つづく-
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